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【お知らせ】
コニー・ウィリス『航路』、全国書店で発売中(大森望訳/ソニー・マガジンズ/上下各1800円
→オンライン書店で購入:amazon | bk1 | 紀伊国屋 | JBOOK | 旭屋 | eS! Books | 本やタウン
コニー・ウィリス日本語サイト:To Say Nothing of the GOD(神は勘定に入れません)開設しました

●賞金総額1400万円、「このミステリーがすごい!」大賞発表



【10月4日(金)】


 映画美学校試写室で長尾直樹監督の『さざなみ』。山形県米沢市と和歌山県太地町の「美しい日本の風物」を背景にしたミニマルなドラマ。タイトルと内容がこれだけ一致してる映画も珍しい。ただし、写真美術館で上映っていうといかにもすぎる気が。

 つづいて松竹試写室で『たそがれ清兵衛』。藤沢周平の短編が原作で山田洋次が監督。真田広之の娘役のふたりがすばらしくかわいい。クライマックスの立ち回りもなかなか。

 三本めは、イマジカ第二試写室でハリウッド版『ザ・リング』のノースーパー内覧試写。
 冒頭、ドリームワークスのロゴマークにビデオノイズが走った瞬間から、「お、意外とやるね」って感じだったけど、いや、お見それしました。アメリカ人もやればできるじゃん。中田秀夫版『リング』のリメイクとしては完璧に近い仕上がり。ハリウッド的な脚色はほとんどなく、思いきり素直に中田秀夫の軍門に下っている。貞子の設定は大幅に変更されているので、中盤の展開(ビデオの調査から山村志津子に行き着いて大島に向かうあたり)はかなり違うんですが、それでもプロットの基本線はほぼ同一。原作の緊密なロジックを壊して怖さにこだわった中田版の方向性をさらに進め、辻褄合わせや説明はほとんど無視。一シークエンスに一個はショッカーを投入して、観客に緊張を解くヒマを与えない。中田版でみんなが覚えているようなシーンはだいたいそのまま再現されてます。高山竜司(マーティン・ヘンダースン)の初登場シーンなんか、真田広之かと思ったよ。
 中田版でポライロイドカメラ、韓国版でプリクラを使ってた例の写真は、大森の事前予想通りデジカメを使用。さらにそれプラスアルファのひねりがあり、これはちょっと感心しました。
 しかし、米国オリジナル部分でいちばんすごいのは馬。いやもうこれは馬版リングと呼びたくなるぐらいすばらしい。あのシーンだけでも『ザ・リング』を劇場まで観にいく値打ちがあるでしょう。馬のシークエンスをどうやって撮影したのか、ぜひメイキングを見たい。
 ゴア・ヴァービンスキーがそんなに才能のある監督だとはとても思えないんだけど、この企画に関してはかえってそれがよかったのか。つまり中田リングに全面降伏したうえで、原作を徹底研究。50倍の予算をかけても余計なものはなにひとつ加えず、ひたすらオリジナル版の怖さと雰囲気を再現することに精力を傾けている。ナオミ・ワッツvs松嶋菜々子のヒロイン対決ではナオミ・ワッツの勝ち。タカヤマは真田広之の勝ちかな。

 宗教的要素が皆無の超自然ホラー映画って、考えてみるとハリウッドでは非常に珍しいんだけど、その分アメリカの観客にはものすごく新鮮に見えるんじゃないですか。レンタルビデオで『リング』を見てない大多数のアメリカ人は『The Ring』にぶったまげるはずで、大ヒットしてもおかしくない。ま、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』ほど変化球じゃないし、M・ナイト・シャマランほど作家性が強いわけでもないから、日本でもヒットする可能性はじゅうぶんあるでしょう。「ぷちなしょ」な人々も大満足だしな(笑)。
 オレはとにかく馬に惚れたので、今年の洋画ベスト3に数えたい。東京国際映画祭で先行上映のあと11月2日公開予定。刮目して待て。



【10月5日(土)】


 『航路』の訳者用見本10組が到着。段ボールひと箱(笑)。昨日が取次搬入なので、土曜営業してれば、もう入荷してる書店があるかも――と思って紀伊国屋BookWebを見にいったところ、新宿本店で在庫あり(じつは一部書店では昨日から店頭に並んでいたらしい)。その他のオンライン書店でもだいたい買えるようになってます→amazon.co.jp | bk1 | JBOOK | 旭屋 | eS! Books | 本やタウン
 アフィリエートとランキングの関係で当サイトはamazon推奨ですが(その次がbk1)、『ドゥームズデイ・ブック』はamazonで在庫切れ、bk1では24時間以内発送にいきなり昇格。要するに、ソニー・マガジンズはamazonと近く、早川書房はbk1と近いってことですかね。 bk1もamazonに対抗して送料無料キャンペーン中だし、キャンペーン終了後もお買い上げ1500円以上は送料無料とamazon並みを実現する模様。
 bk1の人からは「うちはSFに強いのがウリなのに『航路』予約販売をamazonに持っていかれたのはたいへん残念です」と言われたんだけど、これは版元営業部の判断なのでしかたない。bk1だったら、予約特典キャンペーンとかでもうちょっと小回りが利いた気もするんだけど。
 見本といっしょに届いたB5判2色刷り12ページの『航路』宣伝パンフレット(書店・媒体用)もなかなかいい感じ。
 あとは10月9日(水)の朝日新聞に全5段広告が載る模様(大阪・名古屋は10月11日、西部版は10月12日)。

 馬場に出たついでに芳林堂に寄って、『航路』が並んでる平台を見てると、となりの女性も『航路』を見てるので、買ってくれそうかなと顔を盗み見たら若竹七海さんでした(笑)。小山正氏も一緒だったので、ひとしきりウィリス話と最近のミステリ話とか。さらに福井健太も現れて謎の井戸端会議状態。



【10月6日(日)】


 2時から宝島社で《このミス大賞》受賞者との顔合わせ。選考委員四人がそろって単行本化に関するアドバイスとか要望とかを伝えるという趣旨。茶木則雄先生が業界の常識と今後の心構えについてこんこんと説く。『タード・オン・ザ・ラン』の東山さんは福岡から日帰り参加。ダイヤモンドホテルのティーラウンジで打ち合わせのあと、地下の中華料理店ではやめの夕食。

 アヴラム・デイヴィッドスン・ファンサイト「SF文庫データベースインデックス」が登場。個人的には、「解説者の系譜(抄)」とか、「初登場年齢」が楽しい。SF翻訳・解説業界における初登場年齢が年とともにどんどん高齢化している(80年代にはみんな20代でデビューしていたのに、90年代は30年代デビューが主流になる)ようすが如実に現れてます。ハヤカワ文庫SF801番以降のデータ補完希望。水鏡子のファンジン大賞受賞作「文庫解説の系譜 ―読書展開の指針として」との併読をお薦めしたい。
 しかしSF関係者をジャニーズ事務所所属タレントと対比させた「もしも安田均が近藤真彦だったら」っていうのは……(笑)。いや、オレはSMAPで文句ないけど、山形・柳下がkinki kidsっていうのは……。V6はあてはまる人がいないんでしょうか。矢野徹、柴野拓美、浅倉久志、野田昌宏がフォーリーブス?
 「100年500人 SF/ミステリ関係者生年表・暫定版」も参照。

 ビデオ録画したセリエA第4節を見る。
 レジーナ2-2ブレシア。あいかわらず流れの中から得点できないレジーナですが、あまり見せ場のなかった俊輔のFKがついに炸裂。FKが決まったことより、寄ってきたレオンを押しとどめて自分で蹴った王様ぶりを評価したい。前々節の教訓が生きたのか。

 パルマ2-2ペルージャ。中田は右サイドFWで先発。ひさしぶりにアシストを記録したあと、後半からムトゥとポジションチェンジして左へ。左足で上げたクロスが2点めにつながり、攻撃のバリエーションが増えてパルマも好調――と思いきや、ムトゥが下がったあとは防戦一方。連敗中のペルージャ相手に、アドリアーノもラムーシもジュニオールもいない状態でムトゥを下げちゃダメでしょう。ボナッツォーリもあんまりよくなかったし、マルキオンニでは役者不足。最後30分はレジーナとあまり変わらないぐらいの戦力だったり。



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