Powered by bk1(Online Bookstore) →詳細検索 Powered by amazon.co.jp ↑CD、DVDその他全商品を検索対象に含めました。 【9月18日(水)】 家族連れで《世界最大の恐竜博》駆け込み鑑賞。今週で終わっちゃうのでもしかしたら混んでるかもなあと思ったが、9月の平日だけあって入場制限なし。場内も適度な混み具合でゆっくり見物できる。ディスプレイから休憩地点の配置まで含めて完成された領域に達してますが、ステージでやってるセイモくんアニメ(司会のお姉さんつき)はちょっとどうかと思った。化石発掘体験ゾーン(デジタル写真撮影サービスつき)もやや難。 まあ恐竜そのものは満喫できたので問題ないけど、この会場で超満員だったらかなり大変な気が。トキオ社長は天井に映る影がお気に入り。やはりホネだけでは動物だと実感できない模様。 ディノショップも含め2時間ほどかけてのんびり見たあと、会場前で合流した三村美衣と、近くのモールに入ってるトニー・ローマで早めの夕食。 家に帰って一眠りのあと一仕事してから、夜中はWOWOWで欧州CLの生中継、フェイエノールト1-1ユベントス戦。デカイプはダビッツへのブーイングが強烈。そこまで野次らなくても……。ユーベは怪我人続出で、トレゼゲもザンブロッタもペソットもいないんですが、それでもセリエA開幕戦でアタランタに圧勝した強さはやはり本物。これでディバイオが調子に乗ってくると、今年も走りそうな気配。いまんとこはパルマ時代よりやや遠慮がちなプレイで、昨シーズンなら決まってたゴールが決まらない感じですが。 しかしホームのフェイノールトもけっこう強い。W杯最多イエローカード記録(だと思った)を樹立した審判がファン・ホーイドンクのFKを2回もやり直させるという杓子定規ぶり(ユーベの選手の動くのが早すぎるという理由)を発揮、さすがにホーイドンクが3度もつづけてFKを蹴れば最後は決まるでしょう。というわけでかろうじて同点に追いつき、あとはどっちも、「ま、ドローでいいか。緒戦だし」的な展開で終了。小野くんは、ボスフェルトがいなかったせいか、昨シーズンの堅実すぎる小野くんに逆戻り。何本かいいパスは出してるんだけどなあ。 日記の更新と同時に、ひさしぶりにアクセス解析をつけてみました。cgiboyってところ。けっこう高機能。つけてから24時間のトータルアクセスは1558、重複を除いたユニークアクセス数は964。数年前とあまり変わってない気が。6割の人は直接訪問で、更新アンテナからが2割強(ミステリ系とSF系がちょうど半々。めったに更新しないのに(アンテナ使わず)マメに見にきてる人がけっこう多いようなので、更新頻度を上げてゆきたい。 【9月19日(木)】 きのう行った《世界最大の恐竜博》ですが、ニュース見てたら秋篠宮一家は今日見にいったらしい。秋篠さんちも終了前の平日を狙って駆け込み鑑賞ですか。考えることはみんないっしょだな(ちがいます)。 コニー・ウィリスのタイムトラベルSF『ドゥームズデイ・ブック』(早川書房《夢の文学館》)はいまも注文すれば手に入るんですが、版元に確認したところ、2002年9月時点の在庫は残り300部ぐらいだとか。品切になってもこのハードカバーが増刷されるとは思えないので(来春以降、文庫化される可能性はありますが現時点では未定)、和田誠の美麗装幀で持っておきたい人はいまのうちにどうぞ。『航路』効果がどのぐらいあるかわかりませんが、『航路』でウィリスを知った人が旧作を注文した場合、ひょっとすると在庫が切れてしまう可能性あり。今なら注文は、amazonまたはbk1でどうぞ。 ウィリスに関しては、『航路』の訳者あとがきで(『フリーウェア』のときと同様)ファンサイトを開設したと書いてしまったので、現在、準備作業中。オンライン書店で予約可能になったら立ち上げようと思ってるんだけど、なかなか番号がつきません。amazon.co.jpでの予約開始は10月2日らしい。 担当編集者からの情報では、関西の某大書店の仕入れ担当者がこの日記の読者で、『航路』は上下各百冊の注文を入れてくださったとか。ありがたいことである。 スカパーでエスパルス0-2ジュビロの録画放送。Jリーグもプロ野球もそれなりに観てるんですが、なんとなくだらだらした気分になるのはなぜ。知らない選手があんまりいないせいかな。いや、スピードの問題もあるけど。 【9月20日(金)】 ミステリ・チャンネル《ブックナビ》の収録。今回の対象分で既読作品は以下の通り。 ○『熱氷』五條瑛 講談社 ○『最後の記憶』綾辻行人 角川書店 ○『よるねこ』姫野カオルコ 集英社 ※ ▲『十八歳の夏』光原百合 双葉社 ※ ▲『僧正の積木唄』山田正紀 文藝春秋 ▲『黙示の島』佐藤大輔 角川書店 ▲『好きよ』柴田よしき 双葉社 ▲『バルーンタウンの手鞠唄』松尾由美 文藝春秋 ※ ▲『赤緑黒白』森博嗣 講談社ノベルズ △『魔神の遊戯』島田荘司 文藝春秋 △『MOMENT』本多孝好 集英社 ※ △『ストーンエイジCOP』藤崎慎吾 光文社カッパ・ノベルス 『凍るタナトス』柄刀一 文藝春秋 文春の《本格ミステリ・マスターズ》はリーダビリティは高いんだけど、「これが本格!」という雰囲気はあんまりない。 『魔神の遊戯』はレオナの出ない御手洗もので、メインのネタはあまり感心しないが(いまさらこれをやっても……)見立て殺人の真相はちょっと面白かった。『ハリウッド・サーティフィケイト』よりはかなり出来がいいのでは。ぐいぐい読ませる力はあいかわらずだし、「幻想的な謎」は一応メインプロットと結びついてます。御手洗がヨーロッパの大学に行っちゃってからの話なので、石岡くんは出てきません。 山田正紀『僧正の積木唄』も、日本の名探偵が外国に行く話。ただしこっちは金田一耕助で、ライバルはファイロ・ヴァンス。ヴァンスは徹底的にコケにされてるので(『僧上殺人事件』の解決はまちがっていた!)ヴァン・ダインのファンが読むと腹が立つかも。まあ、本格愛好者の中にもヴァンスが嫌いな人は多いみたいだからこれはこれでいいのか。 読む前に堺三保から話を聞いたとき、「それって『ぷちナショナリズム症候群』?」と言ったのはオレですが(それどころか、乱歩賞で山田さんと会ったときも面と向かってそう訊ねたけど)、読んでみるとそんなに「ぷちなしょ」ではありませんでした。『ミステリ・オペラ』にくらべると、はるかにリーダビリティは向上、どんどん読めるけど、英語のカタカナルビはちょっと煩い。あれならアルファベット表記のほうがよかったのでは。カタカナ表記自体も、原音主義と慣用が入り交じってる感じだし。翻訳の場合はなるべくバタくささを消そうとするんだけど、日本人作家が海外舞台で書くと逆のベクトルが働くみたいですね。ところで、英文タイプライターであの数式をあの通りに書くのは不可能では。 『凍るタナトス』は《本の雑誌》にもちょっと書いたけど、クライオニクスもの。山田正紀氏としゃべってたときこの小説の話も出たんですが、 「『凍るタナトス』は流行りのトピックですよね。翻訳でハルペリンの『誰も死なない世界』も出たし」 「ああ、冷凍睡眠ね。ぼくもひとつ冷凍睡眠ものの話を考えてたんだけど……」 「だからそうじゃなくて。冷凍睡眠とか言ってると怒られますよ」 「そうか。コールド・スリープ」 「…………」 じゃなくてクライオニクスですってば、山田さん。遺体低温保存。しかし考えてみると『凍るタナトス』は(最終的には)クライオニクスというよりコールド・スリープと呼んだほうが似つかわしい話になってる気もしたり。50年前のSFが現実に近づいてるというか。あの結末はけっこう驚いた。本格ミステリ的なネタも用意されてますが、そっちはかなり無理やり。 柴田よしき『好きよ』も展開にはかなりびっくり。まさかあんな話になろうとは。全然そんなふうに見えませんが、これは伝奇SFなので、そっち方面が好きな人はお見逃しなく。 光原百合『十八の夏』は、推理作家協会賞授賞の表題作より、二つ目の「ささやかな奇跡」(だっけ?)がすばらしい――と思ったら香山二三郎氏も同意見。中年男がふたりしてこれを誉めるのはちょっと気恥ずかしいけど、いや、いい話です。 ブックナビ収録終了後、年末スペシャルの打ち合わせを済ませて西葛西にもどり、ちょっと仕事してから帰宅。夜中はまたしてもチャンピオンズリーグのアーセナル×ボルシア・ドルトムント戦がはじまったのでこの続きはまたのちほど。