狂乱西葛西日記2002年6月5日～6月日

【6月5日（水）】

　日本×ベルギー戦のリプレイを死ぬほど見てから夜中に出かけてロイヤルホストで仕事。
　明け方コンビニで日刊スポーツを買ったら、終面に「本誌代表担当記者が振り返る４年」って記事があり、これがまるまるプロジェクトＸで大笑い。
「改革は管理と破壊から始まった。選手から一切の自由を奪った。ピッチで恫喝を繰り返した。食事メニューにまで干渉した」……みたいな。首藤正徳記者は半分ギャグで書いてるんだと思うけど、それにしても。

　しかし、家に帰って朝日新聞を見るとさらに驚きが。ほかの新聞とおなじ記事をつくりたくないと気持ちはわかるけど、１戦目が引き分けに終わった翌日の一面で"ヒデ「最後のＷ杯」"とか飛ばしますか？　もしほんとに代表引退のつもりでいたとしても、ヒデとしては、日本を決勝トーナメントに導いてブラジルに惜敗したあとのインタビューでかっこよく引退を発表するシナリオだったはずで（←邪推）、それをいま抜かれたら台なしでしょう。というか、すでに2006年のアジア予選を見すえて、中田英寿のわがままな引退を阻止するための陰謀とか？

　首をひねりつつ寝て、午後３時半起床。
　ロシア2-0チュニジア＠神戸をＴＶ観戦。0-0引き分けを願ってましたが世の中そううまくはいきませんね。しかし暑さのせいもあったのかもしれないが、この試合を見るかぎりではどっちもたいしたことなさそう。チュニジアＧＫの凡ミスが惜しまれる。

　つづくポルトガル2-3アメリカは、開始４分のゴールに茫然としていたら、ポルトガルの選手はもっと茫然としていた模様。とくにフェルナンド・コウト。
　アメリカのサッカーは先制しようが点差が開こうが関係なし。これだからサッカーを知らない国は困るよとか思いながらやってるうちに気がついたらポルトガルは３点とられてましたとさ、みたいな。
　フィーゴはプレースキックをほとんど蹴らなかったし、まだ完調にはほど遠い感じ。ルイコスタも見せ場がなく、格下チームからしつこくプレスをかけられるとどうしていいかわからなくなる欠陥が露呈。欧州のチーム相手には強くても、サッカーの常識が違う国には弱いのかも。ていうか、今日の調子だったら昨日の韓国にも勝てなかったと思う。
　しかしポルトガルにとっとと３勝で１位抜けしてもらうシナリオが狂って韓国としては大迷惑か。それにしても、韓国人観客のアメリカに対する大ブーイングの嵐はあまりに大人げない気が。アポロ・オーノへの怒りがまだこんなに残っていようとは。
　これで韓国×アメリカ戦はたいへんなことになりそうな気配。

　アイルランド1-1ドイツはクローゼの先制ゴールのあと猛烈に眠くなり、ビデオをまわして睡眠。

【6月6日（木）】

　午前５時に起きてビデオでアイルランド1-1ドイツのセカンドハーフを観る。やっぱりドイツの１位抜け決まりか……と思ったら。アイルランドのこのしぶとさはロイ・キーン効果？　ていうかビアホフ出さなきゃドイツが逃げ切っていたのでは。あの状況でボールキープができないフォワードは要らない気が。フェラーも温情采配の人なのか。

　社長を保育園に届けてから札幌行きに備えて仕事。ＳＦＭラファティ追悼特集のエッセイ翻訳とベスト３記事。エッセイはそのむかし製作したファンジン『世界の終わりと物語の始まり』で訳したやつなんですが、10年以上前の原稿はデータがないのでむかしの翻訳を横目に見つつ訳し直し。恥ずかしい誤訳も発見したり。ベスト３はわりとふつう。

　３時過ぎに家を出て埼玉スタジアム。今日はサウジアラビア×カメルーンなので、南北線車内は日本人サポーターばかり。イングランド×スウェーデンのときとはまったく雰囲気が違います。
　あわててスタジアムに入らなくていいことを学習したので、駅前のロータリーの向かいにつくられた広場を見学。田舎の盆踊り会場というか見本市会場というか。埼玉の特産品を売る店あり、浦和レッズのショップあり、シシカバブの屋台あり。のんびりした雰囲気がなかなか。サウジの人とカメルーンの人もちらほら。
　遅れてやってきた三村美衣と合流してスタジアムまでぶらぶら歩く。太鼓に踊りのおなじみカメルーン応援でますますのんびりしたムードに。
　もっとも試合のほうは、サウジがドイツ戦のときとは別人のような動き。フラット５気味の布陣ながら中盤から献身的に守備、オベイド・アルドサリのワントップにボールを当てる作戦でけっこうチャンスもつくってます。カメルーン側もエムボマが攻め込むもののオフサイドトラップの餌食。デアイエかわしてフリーになったシュートははずしちゃうし、エトーもなかなか決められず。サウジ側はオベイドが負傷退場してアルヤミにワントップがかわってからはさらに攻勢。ドイツ戦で冴えなかったアルテミヤトも今日は再三再四ゴール前に迫るが最後の詰めが……。
　スタンドからは、「サウジ、チャチャチャ」コールにかわって「アジア、チャチャチャ」コールまで出てましたが、結局エトオのゴールでカメルーンが先制。そのまま1-0で終了。カメルーンはドイツに勝つ気なのか？　いや、今日のサウジならアイルランドも２点３点とるのはむずかしそうだが……。

　ところで今日いちばん笑ったのは日本人サポーター二人組。ユニフォーム姿のエトオを背中にプリントしたＴシャツをおそろいで着てるんだけど、そのエトオ、なぜかベースボールキャップかぶってて、片方がＧ、片方がＣのマークなのである。カメルーン人には意味不明だと思う。

　前回で懲りたので、帰りはスタジアムの中で15分ぐらいぶらぶらしてからスタートしたところ楽勝ですいすい駅まで到着。さらにＷ杯仕様の駅前ファミリーマートを冷やかし、フランス×ウルグアイ戦の途中経過を電話で確認しつつ電車に乗る。Ｗ杯期間中ぐらい、プラズマビジョンかなんかでスカパー140を流しっぱなしにできないものか。
　しかしフランス×ウルグアイは電話で聞いてるだけでもスリリングだったり。

　帰宅してから、セネガル1×1デンマーク、フランス0×0ウルグアイの要所をビデオで確認。今日は家でテレビ観てたほうが正解だったかもとちょっと思った。
　昼間テレビで試合を観てないと、けっきょく夜中にえのきどいちろうがやってるスカパーのだらだら番組をだらだら観てしまうのだった。明日は７時起きで札幌なのに。