Powered by bk1(Online Bookstore) →詳細検索
Powered by amazon.co.jp ↑CD、DVDその他全商品を検索対象に含めました。




【2月22日(金)】


 書き忘れてましたが、昨日、2月21日の夕方は、柳下毅一郎・中原昌也両氏がとつぜん来訪。朝から葛西臨海公園で、高橋洋脚本・佐々木浩久監督の新作巨編『血を吸う宇宙外伝』の撮影があったらしい。主演は三輪ひとみと柳下毅一郎。中原昌也はゲスト出演(役名は「トイレの男」)。
 柳下鬼一郎は、
「まあほら、俺は主演だから。三輪ひとみより出番多いんじゃないかなあ。まあスターってやつですか」
 とかおっしゃってましたが、メキシコ料理屋でスターがいきなり寝ちゃうのはどうかと思う。置いて帰ろうかと思ったYO! これからはスター柳下と呼んでいきたい。
 しかし三島賞作家・中原昌也のほうも「眠い」「疲れた」を連発。まだ若いくせに。本が見たいとか言うので書庫に案内したところ、和室の布団に潜り込んでノータイムでぐうぐう寝てしまいました。いや、一時間ぐらいで起きて帰ったけど。
 というわけでスター柳下が主演する『血を吸う宇宙外伝・変身』は、《映画秘宝》既報の通り、3月9日からテアトル新宿で一週間限定公開予定。
「劇場に一週間かかると、キネ旬のベストテンの対象になるんだよね。新人男優賞とかもらったらどうしようかなあ。ていうかライバルは窪塚洋介?」
 とか心配するスター柳下。打倒『ロード・オブ・ザ・リング』。ちなみに『血を吸う宇宙外伝・変身』の上映時間は7分です。例によって初日はイベントあり。
 シナリオ読んだけど、ネタはけっこう面白い。あとは演技力かな(笑)。

 トーレン・スミス社長@スタジオ・プロテウス来日。 「雪印がつぶれたんだって?」というので、雪印乳業じゃなくて雪印食品だよ、と教えてあげる。




【2月23日(土)】



 四ツ谷のペルー料理屋《ロミーナ》で、空想科学ワークショップ主催、粕谷知世さんの『クロニカ 太陽と死者の記録』日本ファンタジーノベル大賞受賞を祝う会
 尾山則子仕切りだったせいか、ほとんどイベント状態で、大森は企画ゲスト(笑)。ファンタジーノベル大賞の内情を暴露するという趣旨だったので、新潮社の担当編集者I氏のとなりで言いたい放題。
 要するに、「ファンタジーノベル大賞は新潮社の主催ではない」(もともと代理店主導で動き出した、はじめにクライアントありきの企画で、新潮社は最後にその企画に乗っかっただけ)、したがって、受賞後のこまめなフォローを新潮社に期待するのは筋ちがいである、という話。出版社が、自社でこれから戦力になってくれる「金の卵を産む鶏」を発掘しようとして創設した新人賞とは根本的に性格が違います。まあ、新潮社が伝統的に新人を育てるのが下手な出版社である、って事情もありますが。
 しかし、若い人が多いなか、川又千秋・森下一仁・浅暮三文の三氏と四人で片隅に集まって老眼話で盛り上がるというのはどうか。

 帰宅してからビデオでフィギュアスケートのエキシビションとカーリング男子の決勝。




【2月24日(日)】



 夕方起床。まだ一回も行ったことがなかった《巨牛荘》西葛西店で、堺三保とうちの一家でトーレン社長ウェルカム会食。しかし勘定はプロテウス持ち。たまに食うプルコギはうまいね。文庫版の英訳『子連れ狼』は相変わらず好調の売れ行きとか。トーレン社長と堺三保は士郎正宗話で盛り上がってました。
 そう言えば、堺三保はウェブサイトを開設。SFオンライン終刊号で告知するらしい。

『推理作家協会報』の2001年SF界総括原稿を書くために、昨年のSF新刊をチェック。
bk1で注文できる2001年刊行のSF全209タイトルがこれ。買い忘れてる本がないか心配なSF読者はチェックしてみると吉。ちなみにSF以外のジャンルの新刊を検索する場合は、このurlのgu=01010800ってところを適当に変更してください。01010700がホラー、01010600がミステリ、01010400がジュブナイル・シミュレーション、01010200が絵本・童話・ファンタジー、01010500が耽美・やおい。しかし改めて眺めるとすごい分類だなあ。




【2月25日(月)】



 プルーフで読んだコニー・ウィリス Passage の刊本がやっと到着。ペーパーバック版見たら780ページもあって茫然。こ、こんなに長かったの? To Say Nothing of the Dogといっしょぐらいだと思ってたのに、300ページも長いじゃん。『ソフトウェア』『ウェットウェア』『フリーウェア』を足してもお釣りが来る長さ。ディックとかベイリーの長篇で換算すると4冊分。読むときはあっという間だったのになあ。どうするんだこんなの。この言葉を自分に贈りたい。千里の道も一歩から。しかしそれでもウィリスなぶんだけ、『ダーウィンの使者』よりは楽な気がするな。
 えーと、ほんとはこっちより先に『ドゥームズデイ・ブック』の姉妹編、To Say Nothing of the Dogのほうをやるはずだったんですが(というか、すでに30ページぐらいはやってあるんだけど)、諸般の事情でPassageが先になりました。しかし四百字で1800枚かよ。邦訳はソニー・マガジンズから9月刊行予定らしい。




【2月26日(木)】



 小説すばるの書評タイトルを決定すべく、小川洋子『貴婦人Aの蘇生』滝本竜彦『NHKにようこそ』をつづけて読む。前者はアナスタシアものなんだけど、いわくいいがたいタッチで、書評はしにくい。『沈黙博物館』と違って幻想的な要素も薄いから、《本の雑誌》にも向かないし――と思ったら、井辻さんがSFオンラインで書評しててびっくり。
「この目線こそがファンタジーだ、ということで最終回にとりあげたかった」そうですが、気持ちはわかるにしても、それは他人に説明しにくいと思う。
 後者は、『ネガティヴハッピー・チェーンソーエッヂ』に続く第二作。ひきこもりが主人公の『王立宇宙軍』? 第五章のエロゲー製作話が傑作です。パターンに流れる後半はいまいちかな。




【2月27日(水)】



 ワーナー試写室でシュワルツェネッガー主演の『コラテラル・ダメージ』。9.11のおかげで公開が半年延びたいわくつきの作品ですが、どうせなら半世紀延ばせばよかったと思った。消防士のシュワちゃんがテロの巻き添えで死んだ妻子の復讐のため、単身コロンビアのテロ組織のアジトに乗り込んで大暴れな話。むしろランボー。
 原題のcollateral damageは、リーダーズ・プラスによると「付帯的損害」の意味で、とくに「 軍事行動によって民間人が受ける人的および物的被害」を指すらしい。アフガニスタンとかイラクとかで誤爆によって死亡した人のことですか?




【2月28日(木)】



 五反田イマジカ第二試写室でリドリー・スコット監督の『ブラックホーク・ダウン』。うわあ。こりゃすげえ。『プライベート・ライアン』の冒頭のあれがえんえんつづくようなもんで、史上最強のスプラッタ。2時間半の上映時間のうち、1時間半はひたすら撃ち合いです。ソマリア人1000人殺しまくり。米軍の犠牲が19人で、敵を1000人やっつけたんなら、昔の戦争だったら大勝利なのにねえ。
 生きて帰った関係者はみんなまだ生きてるので(推定)バカなやつを出すわけにいかないという(この手の映画としては)致命的な制約があるにもかかわらず、ひたすら撃ち合いだけで見せるこの根性。それにしてもロケ地はモロッコですか。モロッコ恐るべし。
 傑作かどうかはよくわからないが、ものすごい映画であることはまちがいないので必見です。CGじゃない分、オークが攻めてくるのより迫力が。弓の得意なエルフのひとは、こっちではけっこう間抜けな役ですが。

 終了後、試写に来ていた樋口真嗣氏と五反田駅前の中華料理屋で食事。主な話題は、『ロード・オブ・ザ・リング』『WXIII』『初恋の来た道』『ラーゼフォン』『血を吸う宇宙』『さよならジュピター』『千と千尋』『ロング・ラブレター 漂流教室』庵野×安野結婚など。
 樋口さんは押井さんとかといっしょに『ロング・ラブレター』のロケ地の大島・裏砂漠で遭難しかけたことがあるらしい。
 あと、樋口氏によると、大森はナイロン100℃のケラリーノ・サンドロヴィッチ氏にそっくりなんだそうです。こないだどこかでケラ氏と会ったとき、てっきり大森だと思いこんで、「SFオンラインが休刊ですね」とかネタを振ったのに反応が鈍いのでどうしたんだろうと思ってるうちにようやく間違いに気がついたとか。ナイロン100℃の舞台は全然見てないのでわかりませんが、そうなんですが。そういえばむかし水玉さんから、有頂天のケラに似てると言われたことがあるので、ケラという名前に縁が深いのかも(笑)←と書いたら、「ケラリーノ・サンドロヴィッチ氏とケラ氏は同一人物である」という指摘を掲示板・メールで多数いただきました。いや、そうじゃないかなあと思ったけど(←そ もそも表記に自信がない人名はgoogleしてから書くようにしてるので)、どちらとも会ったことがないので同一人物かどうかは不明だ。いや、わかりにくくてすみません。ちなみに高知には介良(ケラ)って地名があるんでした。



top | link | board | articles | other days