and (質疑応答)

Q:19年度、リハビリテーション診療報酬が一部改定になり日数打ち切りの緩和がされたと聞きましたが、詳しくおしらせください。

A:昨年のリハビリテーション日数打ち切り反対署名には、沢山の方の署名を頂きありがとうございました。
厚生労働省が、来年度のリハビリテーションにおける日数制限緩和の方向を打ち出し、来年度の診療報酬から改定されることとなりました。
皆様の署名、ご協力により、一定の評価を得た形にはなりましたが、まだまだ不十分な部分が多く、更に動向を見守っていただき、患者本位のリハビリが行われるように、ご協力をお願いいたします。
2007.3.31

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リハビリ日数制限緩和へ…厚労省方針
新年度から医師判断で延長
 厚生労働省は12日、医療機関のリハビリテーションの日数制限を見直し、医師が引き続き回復が見込めると判断した場合は、期間の延長を認める方針を固めた。

 近く中央社会保険医療協議会(中医協、厚労相の諮問機関)に諮問し、2007年度から実施する。中医協が12日公表した実態調査で、改善の見込みがあるのに日数制限が理由でリハビリを打ち切られる「リハビリ難民」の患者が複数見つかったためだ。

 日数制限は、06年度の診療報酬改定で新設された。中医協の調査は、〈1〉運動器(骨折など)〈2〉心大血管疾患(急性心筋梗塞(こうそく)など)〈3〉呼吸器(肺炎など)〈4〉脳血管疾患(脳卒中など)――の4タイプの患者計2651人を調べた。このうち、調査時点の昨年12月にリハビリを終了した計1276人に治療状況を聞いたところ、「身体機能の改善の見込みがある」にもかかわらず、リハビリが打ち切られた患者は、最多の運動器タイプで9・8%(55人)に上った。心大血管疾患7・3%(19人)、呼吸器3・0%(4人)、脳血管疾患2・2%(7人)と、全タイプで打ち切りが見つかった。医療保険の対象となるリハビリの日数制限は、タイプにより180日〜90日間と異なる。

 厚労省は「改善の見込みがない患者」でも、リハビリの終了後、介護保険を利用した通所リハビリなどで、身体の状態維持を勧めていた。だが、調査では、「年齢が若すぎる」などの理由で介護保険の対象外となった患者が、運動器タイプで2・1%(12人)、心大血管疾患1・2%(3人)、脳血管疾患0・9%(3人)に上った。

 現行制度でも、筋委縮性側索硬化症(ALS)など約50種類の特定疾患は、医師の判断でリハビリ日数の延長を認めている。厚労省は、特定疾患の対象拡大や、介護保険の対象外となった患者に、医療保険によるリハビリを認めるなどの見直しも検討する考えだ。

昨年12月に日数制限でリハビリを打ち切られた患者の状況
改善の見込みがあるが、打ち切り 介護保険のリハビリが必要だが、対象外
運動器(564人) 55人(9.8%) 12人(2.1%)
心大血管疾患(259人) 19人(7.3%) 3人(1.2%)
呼吸器(134人) 4人(3%) 0人( 0%)
脳血管疾患(319人) 7人(2.2%) 3人(0.9%)


中央社会保険医療協議会調べ
(2007年3月13日 読売新聞)


「診療報酬改訂におけるリハビリテーションについて」 H18/5/10
Q:18年度診療報酬改訂について、リハビリテーションなどどのような改正がおこなわれたのでしょか。
関節リウマチや血清反応陰性脊椎関節炎、自己免疫性疾患の患者にはどのような影響があるのでしょうか。

A:
まず改訂内の概要を下記に添付しますのでご参考になさってください。
今回の診療報酬改訂にいいて脳卒中の患者さんなどのリハビリテーションについて、特に厳しい改訂となりました。関節リウマチは改訂の除外疾患になっており(実地回数の上限がない)ますし、その他の自己免疫疾患、膠原病の患者さんについても疾患全部を網羅しているわけではありませんが、全体からみると比較的寛容な改訂ではないかと思われます。
現在各施設においても、対応がまちまちでありますし、今後情報がありましたらこのコーナーで取り上げていきたいと考えております。
いずれにしても、今回の改訂内容は、役所の机上の論理にたったもので、リハビリテーションを中心とした治療の重要性がようやく認識され始めた昨今にあって、患者側への配慮に著しく欠いた改正であると考えられます。長期的にみても医療費の削減にもつながらないと考えられます。 このような不適切な改正に関しては、断固抗議をしていく必要があると考えております。
リハビリは大変重要な治療ですので、必要な患者さんは医療機関のドクター、理学療法士、ソーシャルワーカーなどとも連携して、あらゆる手を使ってもつづけらるようしていかなければなりません。今後皆様からの情報もお待ちしております。

平成18年度 診療報酬改訂の要約 (リハビリテーションについて)

平成18年度の診療報酬改訂に伴い、各病院のリハビリテーションサービス提供体制に変更が生じましたのでお知らせいたします。大きな変更点は以下の通りです。
疾患別にリハビリテーション実施可能日数の上限が定められました。

脳血管疾患等                発症後 180日
リハビリテーション 運動器        発症後 150日
リハビリテーション 呼吸器        発症後  90日

※尚、以下の状態の方は、実施日数の上限設定より除外されます。

失語症・失認および失行症
高次機能障害
重度の頚髄損傷
頭部外傷又は多部位外傷
回復期リハ病棟入院料を算定する患者
難病リハビリテーションに規定する患者 *別表
障害児・者リハビリテーションに規定する患者 *別表

*別表
◇難病患者リハビリテーションに規定する疾患
ベーチェット病、多発性硬化症、重症筋無力症、全身性エリテマトーデス、スモン、筋萎縮性側索硬化症、強皮症、皮膚筋炎及び多発性筋炎、結節性動脈周囲炎、ビュルガー病、脊髄小脳変性症、悪性関節リウマチ パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病)、アミロイドーシス、後縦靭帯骨化症、ハンチントン病、モヤモヤ病(ウィリス動脈輪閉塞症)、ウェゲナー肉芽腫症、多系統萎縮症(線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症、シャイ・ドレーガー症候群)、広範脊柱管狭窄症 特発性大腿骨頭壊死症、混合性結合組織病、プリオン病、ギラン・バレー症候群、黄色靭帯骨化症、シェーグレン症候群、成人発症スチル病、関節リウマチ、亜急性硬化性全脳炎

◇障害児(者)リハビリテーションの対象患者
脳性麻痺胎生期若しくは乳幼児期に生じた脳又は脊髄の奇形及び障害
顎・口腔の先天異常
先天性の体幹四肢の奇形又は変形
先天性神経代謝異常症、大脳白質変性症

 リハビリテーション医療の打ち切りに反対する署名活動 〆切6月24日必着

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「風邪について」
Q:毎年風邪のシーズになるとどのような対処をしたらよいのか迷います。リウマチ性疾患等で、継続的に消炎鎮痛剤を服用している場合、風邪が症状が出てきたときの治療法を教えてください。
通常、風邪薬にも同じような消炎鎮痛剤が入っている聞きますが、風邪薬を追加で飲んでもかまわないのでしょうか。
A:リウマチ性疾患で痛み止めとして使われる消炎鎮痛剤(NSAIDs:ボルタレン、インテバン)は、風邪薬の成分と重複する場合があります。風邪の症状を抑えるためには、一つの目安としてアセトアミノフィンを使用することが考えれます。アセトアミノフィンはリウマチの治療で使うNSAIDs(ボルタレン、インテバン)などとは多少タイプが違ったお薬ですので、追加で使用する場合にはよいと思います。また、葛根湯、小青竜湯などの漢方薬などをうまく使って治療されることも一計ではないでしょうか。
なお、インフルエンザの場合には、タミフルなどの新しい治療方法も出てきていますので、症状を見極めて適切な対応が望まれます。
消炎鎮痛剤を日頃から飲んでいると、風邪の症状(熱も含めて)が抑えれている可能性があるので、この点を留意したほうがよいと思います。更にステロイドや免疫抑制剤(リウマトレックス)などを服用している時には、服用量にもよりますが免疫が低下していることがあり、肺炎など感染症にも十分な注意が必要です。
強直性脊椎炎の場合は、胸部の可動域が制限されてると痰が吐き出せないことがありますので、肺炎を悪化させるおそれが考えられます。
このように肺炎を併発したケースでは抗生剤が必要となりすまが、風邪の早期の段階では抗生剤投与は意味がありません。ご心配な場合は、医療機関を受診し適切な治療を受けてください。
喉や鼻の症状が強い場合は、内科よりも耳鼻咽喉科を受診されたほうが症状を緩和できる場合がありますので参考にしてください。
いずれにしても、風邪は予防が第一、手洗い、ウガイ(首が悪い方は口をゆすぐだけでも)、次に風邪をこじらせないこと、ひきはじめには早めの安静が求められます。2003.12.18


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「胃薬の併用」
Q:痛み止め服用するときに胃薬を併用しておりますが、どうしても胃もたれ、胸焼けが治りません。このような症状を緩和するためにはどのような胃薬が適しているのでしょうか。また、痛み止めの副作用を軽減する方法などございましたら教えて下さい。
:痛み止めによる胃炎などの副作用は、10〜20%と多くの場合記されていますが、必ずしも病変がなくても、胃酸過多、自覚症状を含めるとかなりの高率で胃炎などの症状が出ているかと考えられますので注意が必要です
痛み止めは、痛みを止めるプロスタグランジンを阻害すると同時に胃の粘膜を保護するほうのプロスタグランジンをも阻害してしまいます。すなわち胃のなかでの胃酸分泌と胃粘膜保護のバランスがくずれて胃腸障害などが起こりやすくなります。
オルノプロスチル(ロノック、アロカ)、ミソプロストール(サイトテック)、エンプロスチル(カムリード、シンガード)などのお薬はNSAIDsによって失われた胃壁のプロスタグランジンを補給するという胃薬です(妊婦禁忌 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人)。
これらのお薬は理論的には、NSAIDsによる胃炎にはもっとも適した治療薬というように考えられています。しかし、その一方で使用した人の多くに下痢などの症状を起こすなどの症状が高い頻度で出るようです、なかなか理論通りにはいかないようです(使用できないことも多い)。
なお、NSAIDsによる胃炎には、このようなプロスタグランジン製剤以外の胃薬では効果がないということも一部に報告があるのですが、実際に多くの場合では、通常の胃粘膜保護剤、H2ブロッカーなどを併用することによってNSAIDsによる胃炎に対しても効果あると考えられています。
また、最近では、プロトンプ阻害剤の胃薬がNSAIDsによる胃潰瘍などに効果をあげている報告もありますので、症状によっては消化器の専門医の指導の元、これらの使用も含めて検討されるべきだと思います。
もう一つの方法として、NSAIDs自体を胃に影響がすくないタイプのお薬に替える(COX2阻害剤:下記参照)などの対策が有効なこともあります。いずれにしても、NSAIDsを長期服用の場合は、胃カメラなどの消化器の所見によって、胃薬を選択するのが理想的であると考えます。

:最近
新しいタイプの痛み止めが出たという話をききましたが、どんな痛み止めでしょうか。
痛み止めを選ぶ場合にポイントなどあれば教えて下さい。
:最近は副作用を軽減するために、また、痛み止めの持続時間を長くするためなど、現在本当に様々な銘柄のお薬が出ています。まずは痛みをよくおさえられるお薬を選ぶことが大切ですが、痛み止めの効き方は個人差がありますので、どの銘柄が良く効くかということは、一概には言えないとおもいます(もちろん一応の目安はありますが)。
また、痛みは軽減されても副作用が強いようでは、適切な選択とはいえません。その辺を十分に考慮にいれてご自分にあったお薬を探すことが必要となってくるのではないでしょうか。
「新しい痛み止めについて」
通常、痛み止めはシクロオキシゲーナーゼ阻害することによって、消炎鎮痛効果を期待すものでありますが、シクロオキシゲナーゼ(COX)には,細胞に常在するCOX1と,炎症刺激などにより誘導されて発現するCOX2があります。このCOX2だけを抑えれば、副作用が少なく(特に胃腸障害)、また高い消炎鎮痛効果を期待すというものです。
わが国でも、以前よりエトドラク(ハイペン,オステラック)やナブメトン(レリフェン)もCOX2選択性が高いといわれていますが、本格的なCOX2阻害剤として昨年、メロキシカム(モービック)が発売されました。アメリカで話題となったセレブレックスも、COX2阻害剤です。おそらく今後このタイプのお薬がいくつか認可されていくかと思います。
一説には、COX1、COX2ともに阻害しないと消炎鎮痛効果は不充分であるとか、わが国での適応では使用量が少なすぎるとかいろいろなとらえ方があります。いずれにしても、痛み止めの一つの新しいチョイスとしては期待できるお薬ではないでしょうか。
http://www.asahi-net.or.jp/~kp4t-nkjm/drug3.htm 
http://www.asahi-net.or.jp/~kp4t-nkjm/kouensyou.htm
(当ホームページ:「痛み止めの作用機序について」、「これから期待される治療ご参照ください」)

現在話題のレミケードやエンブレルなどの抗サイトカイン療法とはどのような治療なのでしょうか。強直性脊椎炎への効果も期待できるのでしょうか。またいつ頃から、保険適応になるのでしょうか。
:現在、レミケードやエンブレルは、クローン病や慢性関節リウマチなどの臨床試験において、大きな効果を得ています。
詳しくは当ホームページにアップしましたので、作用機序など参考にしてください。
http://www.asahi-net.or.jp/~kp4t-nkjm/kouensyou.htm(これから期待される治療について)
このようなサイトカイン療法は、海外では既に積極的に使われており、日本では臨床試験の遅れを指摘されておりましたが、ここにきて、レミケードが2002年5月に、クローン病の治療薬として健康保険の認可がおりました。今後、適応が広がることが期待されています(ちなみに、レミケードは点滴投与、効果は数週間持続するということです)。
ASや血清反応陰性脊椎関節炎の治療においては、まだはっきりとしたデーターはありませんが、慢性関節リウマチやクローン病などの同じような自己免疫疾患の一つとしてASを考えると、効果は期待できるのではないかとおもいます(但し、肺炎などの副作用が報告されますので、細心の注意が必要です)。
更に様々な抗サイトカイン療法が試されておりますので、今後の動向が注目されます。

                    (皆様からホームページ宛に送られてきた質問から  2003.5.23)


「副作用の軽減」
何十年も NSAID(消炎鎮痛剤)を服用していますが、副作用を出にくくする方法として具体的にどのようなことがあるのでしょうか。また、長期間において蓄積されて出てくるような副作用などありますか。
胃潰瘍の予防のために制酸剤を併用するといった、副作用に焦点をあてた方法と予防策と弱い痛みの時には弱い薬をつかうというといったぐあいに個々人の最適量をきめるということが具体策だと思います。 一般的に、薬物は体内に吸収され、体内に分布し作用を発揮し、やがて肝臓や腎臓から排出されます。肝臓からの出口は胆道といって腸管につながっています。薬物が体内に蓄積して副作用を発揮する場合もありますが、NSAIDの場合は、肝臓や腎臓が大丈夫ならきちんと排泄されるので、長期に服用してもまず蓄積はしません。 ただ、頻回に多量のNSAIDを服用すれば、その時その時の体内のNSAIDの量が多くなるわけですから、副作用も出やすくなります。それは「予期せぬ副作用」ではなくて「予期しうる副作用」です。 なお、薬に対するアレルギー反応によって生じる、じんましんなどの皮膚症状や血液細胞低下はNSAIDに限らずどのような薬でもおこすことがあります。それは長期服用、短期服用にかかわらないとされています。そういうと不安になられるかもしれませんが、万が一の確率とご解釈ください。 そして検査で早期発見すれば早めに対応できるということもご理解頂ければと思います。

:NSAIDsの服用によって腎臓障害などの副作用などもあるとのことですが、このような副作用を出にくくするにはどのようなことに注意したらよいですか。
NSAIDは腎臓の血流をさげることがあり(99年講演録参照)、それにより腎障害をきたす場合があります。そもそも体の老廃物をこし出すために腎臓に血液が流れるわけですが、腎臓に行く血流が少なくなれば老廃物が体内にたまるというしくみです。これは特に脱水傾向の高齢の患者さんにNSAIDをつかった場合に多く見られます。ただでさえ腎臓の血流が下がっているところにNSAIDで追い打ちをかけるからです。ですから脱水傾向や腎臓が弱っているときには、脱水を治したりごく最低限のNSAIDを使う事が重要です。 通常、水分を多く取ることも副作用を腎障害の予防手段の一つになると思います。

:NSAID に血栓予防効果があるとはどういうことですか。
:たとえば、小児用バッファリンには血栓予防効果がありますが、成人用バッファリンには血栓予防効果はまずないとされています。不思議ですね。「薬は量により異なる効果を発揮することがある」という典型例です。だからこそ用量を守らなければ、予想もつかない結果を招くのです。一般的にNSAIDでは血栓症のリスクは高くなりません。一方大量ステロイド投与により血栓症のリスクが高まるとはいわれていますがこれもきちんとしたデータはありません。 ※NSAID 消炎鎮痛剤(インテバン、ボルタレンなどの痛み止め)

                                     以上、東大病院アレルギー膠原病内科 萩原清文
「免疫抑制剤/抗リウマチ薬」
Q:ASの最新治療
:免疫抑制剤(メソトレキセートなど)抗ガン剤の一種、欧米など日本以外の国では広く使われているが、ASに関しての適応はもう少し先になるのではないか。
補足:1999年夏にメソトレキセートは抗リウマチ薬、リウマトレックスとして健康保険の適応を受けました。アメリカにおいてRA(慢性関節リウマチ)の治療ではファーストチョイスといっても過言ではありません。一週に一度2〜8ミリ程度間欠投与、、ASにおいても炎症を抑えるはたらきは期待できるかとおもいます。
・サラゾピリン(アザルフィジン) 本来、潰瘍性大腸炎の薬で最近ではリウマチやASに広く使われるようになった。但し消炎鎮痛剤のような速効性はなく、少なくとも1〜3ヵ月位は様子を診る必要性はある。リウマチでは効果がかなり実証されているが、ASに関しては、長い期間の臨床データーがないので、背骨の強直などを押さえられるかは今の段階では不明である。
・ステロイド剤 糖尿病、血圧上昇の他に、骨がもろくなるという副作用があり、この点 からASに積極的に使用しない。(使用しても炎症が完全に押さえられるわけではなく、一般にデメリットの方が大きいとされている) 炎症が強いときには一時的に使われるが、ASの場合あまり長期に渡っては使用ない。 ・積極的な活動するための治療として、ある程度リスクをおかしてもメソトレキセート、抗リウマチ剤、ステロイドなどの強い作用の薬を使って治療するという考え方も存在する。

「人工股関節、脊椎(首)の手術について」
人工股関節置換手術、および、その他の手術について。
片方の股関節が強直していると、もう片方に2倍の力がかかるので、反対側の股間節が悪くなる可能性は大きい。人工関節置換手術は痛みを取り活動的にするために行う。時期については本人のライフスタイルに合わせて不便を感じるなら行うべきである。また、前方が見えない程、背骨が湾曲している場合など、背骨をまっすぐにする手術は安全性も高くなり行われるようになって来たが、首の手術に関しては危険がともなうため現段階では行われていない。
補足)股関節などの可動域は、必ずしも骨の磨耗(軟骨)、骨の変形だけでなく、周りの筋肉の筋緊張により十分な可動域が確保できないケースが多く、その影響により筋力低下などが起こり、更に関節の動きを阻害しているケースがありますので、まずは運動療法を中心に保存療法を先行して考えるのが的確な判断ではないでしょうか。
H18/5/10

「馬尾症候群」
ASに併発すると言われるクモ膜嚢腫(馬尾症候群)とは何か。
脊髄の下の抹消神経に水がたまり神経を圧迫する。ヘルニアや座骨神経痛などの症状と似通っていて、足にしびれや強い痛みを起こす。肛門の周辺に痛み、違和感をあることもある。CT、MRI等によって診断され手術が必要な場合もあるが、保存的に落ち着く場合がほとんどで、ASに併発する頻度はあまり多くない。                         

                                     以上、1996〜1998年の東京ASフォーラムより