「TBSテレビでボツになった 安さんの投稿」 (歯痒末説 ver1.1)

 TBSテレビの 夜11からのNews23の、’97年の10月から 多事総論のコーナーに、「ジ・イ

ンタラクティブ」という 視聴者の意見を、インターネットやファックスで受け付け 紹介する時間が

出来ました。第4週のテーマは 「不況対策か 財政再建か」でした。

 番組を造る立場で考えれば 「イエスかノーか」「スキかキライか」程度でないと、扱いきれない

ことは 想像できたのですが、安さんはヒョットしてと 確かめる気になって、次のような意見を投稿

し、想像通り 見事にボツになりました。内容には 充分な根拠もあり、安さんは今なお自己の職

分で 日々その実現に努力を重ねていますので、ここに再録して 心ある人に一緒に考えて頂き

たいと思います。                                 《末説一覧へもどる》


 ニュース23〜ジ・インタラクティブ御中

                              住所・氏名

*何より 不況対策を優先すべきである。

 [政府のなすべきこと]

 (1) 企業の 遊休設備の除却を促進する、税制や 融資上の優遇策を整える。

 (2) 業面の 規制の廃止は当然だが、必要な経営環境(廃棄物・温暖化対策)面の規制は

   強化する。

 (3) 総合生産性 [付加価値/(設備費+労務費)]が 3.0以上の企業の税率を、逓減的に下

   げる。

 [企業経営者のなすべきこと]

 @ 総合生産性尺度での 目的指示・方法自主の経営

  A 社内自己申告制による 自律的な職場運営の徹底

  B 連続的不連続(革新)の態勢造りと 成果配分

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[説 明]

 不良資産は 思惑で買った土地だけではない。バブルで仕込んだ 設備能力の余剰は、例え

ば自動車産業の場合 20%以上にも及ぶ。

 これを整理し 生産性を向上させて決算を良くする。付加l価値を濃くし 量産の安売りを止める。

国内の雇用を促進・安定させ 給与水準を向上させれば、景気は 向上する。

 

 企業側は 生産性が上がれば利益が濃くなるから、動機付けられる。情報化時代には方法指

示は非効率で 現業のヤル気も低下する。目的指示で 成果を(直接に 全額でなくても)目に見

える形で現業に配分する。最終的には 新製品・新用途などが出なければ、景気は 本物になら

ないから、開発投資に資金を回すのが ストックオプションである。          以 上


 ジ・インタラクティブで取り上げた意見も 絵に描いたように紋切り型だったが、現実が 財政投

融資だの庶民は金を持っているだの、教科書にあるようなことしか言わないのだから 仕方がな

い。仕事は出来るが手が汚い奴に 手を汚す機会に恵まれなかったアタマを乗っけた所までは

ヨカッタが、ホトボリが冷めたら 格好の悪いアタマを捨てて、すぐ キタナイ手を使いたがる政府

では、客観性のない業界通なだけので 権益を代表して票にしがみつく族議員を抑え込むこと

など出来はしない。財政再建も 彼らの不得意な不況対策に取り組ませた後の方が、まだしも

可能性がある。既製概念でモノガ言えなければ 少しは話しが内容的になる筈だからである。

 

 そもそも政治家のみならず 官僚も学者も、なぜか 土地の流動化だの金詰まりの解消だのと、

それを使う 企業の立場以前のところまでしか言わない。消費についても 消費者という御都合主

義な言い方で、同じ人間の稼ぎ手としての面を切り捨てて 知らん顔である。だから庶民感覚か

らは ナニを考えているのかと思わせる、「土地が値上がりしなければ 景気は良くならない」など

という言葉が出る。安さんの 「基本投入費原理」からは、土地が値上がりすれば IPI(総合生産

性指標)が下がって、労働側への配分が 減った上、インフレで実質資産が減ったり 物価が上

がったりで、ロクなことにならないことが見えている。

 

 日本の働き手は 大部分が、企業という 循環的な管理過程の中にいる。経営者も労働者も パ

ートタイマーもフリーターもである。投稿の中でも 言ったように、今後の「産」の時代の景気は

新製品・新用途の開発に依存するから、舞台装置は後回しにして 主役の企業の挙動を研究し

支援しなければ、景気も財政も あったものではない。繰り返して 言う。企業が 製品についても

工法についても、革新つまり 連続的な不連続を志向するように動機付けること。働き手が自律

的に自己の行動を効率化し、柔軟に革新のアイデアが出せるように 自己啓発すること。そうい

う態勢造りには まず根拠があり統一性のある経営の尺度が不可欠であり、それが景気と財政を

好転させるカギなのだ。コレじゃ 確かに、ジ・インタラクティブの枠には 納まらネエダロウナァ。《末説一覧へもどる》

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