読書記録

2010(平成22)年1月〜6月



<凡例>
冊数タイトル出版社
読了日著者初版
評価コメント

<ジャンル分け>
理工系人文系文学社会・実用書未分類

No. 52
2010/06/22
ドゥルーズ ノマドロジー (現代思想の冒険者たち 25) 講談社
篠原 資明1997/10/10

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No. 51
2010/06/19
Self‐Reference ENGINE (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) 早川書房
円城 塔2007/05/20

    『プロローグ Writing』と第一エピソード『Bullet』が、直近に読んだ「オブ・ザ・ベースボール」に似た感じだったので 最初だけ読んで止めようと思ったが、我慢して読み続けると、その次からがすごい。

    • 『Traveling』事象改変戦闘の描写が圧巻
    • 『Freud』フロイト全集!
    • 『Contact』「なにしろこの放送は知性階梯を三十ほど貫いて伝言ゲームのように中継されているものですから」
    • 『Yedo』自分の知る限り、小説の地の文にゲーデル数を適用したのは、史上初

 
No. 50
2010/06/17
ガダマー 地平の融合 (現代思想の冒険者たち 12) 講談社
丸山 高司1997/01/10

ガダマーの主著、『真理と方法 哲学的解釈学の要綱』一本に話を絞っており、分かりやすい。
活字の組み方も、行間が広くて読みやすい。

『真理と方法』は、叢書・ウニベルシタスから、
真理と方法 (1) ― 哲学的解釈学の要綱真理と方法 (2) が出ている(『真理と方法 (3)』も出ているはずだが、Amazon では見つからず)。

 
No. 49
2010/06/16
エクサバイト 角川書店
服部 真澄2008/01/31

かなり考え抜かれていて、なかなかよかった。
Webで検索して、女性作家と知った時には驚いた。

 
No. 48
2010/06/16
行動経済学 感情に揺れる経済心理 中公新書 2041
依田 高典2010/02/25

新書版・入門書の体裁をとりながら、かなり突っ込んだ所まで書いている。
プロスペクト理論の効用関数の式の導出方法を始めて見た。
自分が知る限り、ここまで書いてあるのはこの本だけ。

 
No. 47
2010/06/15
好かれる技術 インデックス・コミュニケーションズ
西松 眞子2005/07/31

けれん味たっぷりというか単刀直入なタイトルで、タイトルどおりのことが書いてあるが、
この手の本にありがちな底の浅さを感じないのは、この本に書かれている内容にほとんどの人が気づいておらず、
また、やり方が書いてあって実践可能であるにも関わらず、たぶん普通の人にはうまく実行できない、
つまり、努力で可能なことと、努力しても到達することのできないレベルのことを、
ちゃんと両方示しているところにあると思う。

この人の本は、他のものも読んでみたい。

 
No. 46
2010/06/14
誰とでも15分以上 会話がとぎれない!話し方
やっぱり大事!! 46のルール
すばる舎
野口 敏2010/04/28

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No. 45
2010/06/13
誰とでも15分以上 会話がとぎれない!話し方66のルール すばる舎
野口 敏2009/07/27

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No. 44
2010/06/10
1Q84 BOOK 3 新潮社
村上 春樹2010/04/16

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No. 43
2010/06/04
電子書籍の衝撃 本はいかに崩壊し、いかに復活するか? ディスカヴァー携書
佐々木 俊尚2010/04/15

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No. 42
2010/06/02
オブ・ザ・ベースボール 文藝春秋
円城 塔2008/02/15

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No. 41
2010/05/31
General System Theory: Foundations, Development, Applications
一般システム理論 その基礎・発展・応用
みすず書房
Ludwig von Bertalanffy
フォン・ベルタランフィ
1973/06/30

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No. 40
2010/05/23
「心理テスト」はウソでした。 受けたみんなが馬鹿を見た 日経BP社
村上 宣寛2005/04/04

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No. 39
2010/05/20
午前4時、東京で会いますか? パリ・東京 往復書簡 ポプラ社
Shan Sa (シャンサ)×リシャール・コラス2007/09/12

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No. 38
2010/05/09
心と認知の情報学 ロボットをつくる・人間を知る
シリーズ 認知と文化5
勁草書房
石川 幹人2006/04/10

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No. 37
2010/05/08
Le Livre des Leurres
欺瞞の書 (叢書・ウニベルシタス 483)
法政大学出版局
Cioran
シオラン
1995/08/10

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No. 36
2010/05/04
L'inhumain: Causeries sur le temps
非人間的なもの 時間についての講話 (叢書・ウニベルシタス 744)
法政大学出版局
Jean-Francois Lyotard
ジャン=フランソワ・リオタール
2002/11/30

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No. 35
2010/04/29
The Logic of Life: Uncovering the New Economics of Everything
人は意外に合理的 新しい経済学で日常生活を読み解く
ランダムハウス講談社
Tim Harford
ティム・ハーフォード
2008/11/19

(コメント)

 
No. 34
2010/04/25
メルロ=ポンティ 可逆性
現代思想の冒険者たち 18
講談社
鷲田 清一1997/07/10

最初、何故「可逆性」というタイトルがついているのかわからなかったが、読んでみて、 触れるものと触れられるもの、見えるものと見えないもの、等のことを包括しているのだ、ということがわかった。

 
No. 33
2010/04/24
NOVA 1 書き下ろし日本SFコレクション 河出文庫
大森 望 編集2009/12/20

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No. 32
2010/04/16
The Tipping Point: How Little Things Can Make a Big Difference
ティッピング・ポイント いかにして「小さな変化」が「大きな変化」を生み出すか
飛鳥新社
Malcolm Gladwell
マルコム・グラッドウェル
2000/03/15

マルコム・グラッドウェルの本は最近軒並みベストセラーになっていて、 NYT book review でも "Tipping point" という単語はよく聞くが、 随分昔に出た本(2000年)と知って驚いた。しかも、これが1作目。
今ではほとんど訳語として定着している「スモール・ワールド」「弱い紐帯」、「破れ窓理論」、 「アーリー・アダプター、イノベーター」等の用語が使われず、 いちいち逐語的に訳しているのも、読んでいて新鮮に感じた。

『セサミ・ストリート』と『ブルーズ・クルーズ』、
『ヤーヤー姉妹会の神聖なる秘密』等の話は、ほとんど初耳。
『ヤーヤー』は Amazon で表紙を見て、そういえば、書店でよく見かけていたことを思い出した。

 
No. 31
2010/04/11
オオカミ少女はいなかった 心理学の神話をめぐる冒険 新曜社
鈴木 光太郎2008/09/29

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No. 30
2010/04/09
Why Didn't I Think of That: Think the Unthinkable and Achieve Creative Greatness
なぜ、それを考えつかなかったのか? 最高の結果を生む聡明な思考法
ダイヤモンド社
Charles W. McCoy, Jr.
チャールズ・W・マッコイ・Jr.
2003/01/30

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No. 29
2010/04/05
ぼんやりの時間 岩波新書 1238
辰濃 和男2010/03/19

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No. 28
2010/04/02
The Black Swan: The Impact of the Highly Improbable (原書) PENGUIN BOOKS
Nassim Nicholas Taleb2007

(コメント)

 
No. 27
2010/03/28
第九の日 The Tragedy of Joy 光文社
瀬名 秀明2006/06/25

『デカルトの密室』を読んだときには何が何だかわからなかったが、 今回やっと登場人物の基本的な関係が理解できた。

今回の作品では、かなり論点が突き詰められている。
理論的な深さでは、グレッグ・イーガンを越えて、誰も到達できないところまで来てしまったような気がする。

 
No. 26
2010/03/26
ERIC HOFFER BOOK
エリック・ホッファー・ブック 情熱的な精神の軌跡
作品社
作品社編集部2003/10/01

ホッファーのコンプリート本

 
No. 25
2010/03/22
プラトン全集12 ティマイオス・クリティアス 岩波書店
種山 恭子、田之頭 安彦 訳1975/09/13
  • ティマイオスは、一言で言うなら奇書。とてもプラトンの著作とは思えない。
    アリストテレスの書ならまだ信じられるが、それでもかなり特異。
    内容は「素粒子論的宇宙論」。それも、三角形を基本要素として、四元素が、

    • 土  − 正6面体
    • 火  − 正4面体
    • 空気 − 正8面体
    • 水  − 正20面体

    の構造を成していて、正12面体が万有のための構成物=宇宙全体、とし、
    幾何学的な構成物の数学的構造と物理法則によって、物質・宇宙が成り立っている、という
    ある意味、現代の素粒子論と同じような発想。
    しかも、この基本構造が、人間の身体構造、生物全般、そして社会構造とも関連する、という、
    なんというか「この世の全てを科学で捉えることができる」という、かなり大胆な世界観。

    中世の頃、唯一ラテン語に訳されていたプラトンの著作ということだが、
    自然科学に関する著作が世の中にほとんど無い状態で、いきなりこの著作から入ると、
    どれ程の衝撃を受けるか想像に難くない。
    ネオプラトニズムで聖典視されたこともよくわかる。

    クリティアスの方は未完(というかほとんど始まりだけ)だが、この書を有名にしているのは、
    アトランティスのことが、この書の中で詳細に語られているから。
    (とはいえ、普通に読めば、史実ではなく寓意であることがよくわかると思うが。)

  • 「プラトンの著作の中で最も俗受けする書」と言われるだけのことはある。
    全集ではなく、ぜひとも単独で文庫化して欲しい。
    岩波に入っていてもぜんぜんおかしくないが、今なら光文社の新訳、というのもよい。

  • 探したら、原文(ギリシャ語)との対訳を見つけた。 (リンク先はこちら)
    老後の楽しみ

 
No. 24
2010/03/15
推理と論理 ― シャーロック・ホームズとルイス・キャロル ミネルヴァ書房
内井 惣七2004/02/20

1988年、 シャーロック・ホームズの推理学 (講談社現代新書) と、
1989年、 パズルとパラドックス (講談社現代新書) の合本。

 
No. 23
2010/03/11
Click: What Millions of People Are Doing Online and Why it Matters
クリック!「指先」が引き寄せるメガ・チャンス
イースト・プレス
Bill Tancer
ビル・タンサー
2009/11/20

(コメント)

 
No. 22
2010/03/10
正多面体を解く 東海大学出版会
一松 信2002/05/20

(コメント)

 
No. 21
2010/03/09
不合理で動く人間心理を知らなければなぜアレが売れるのかはわかりませんよ 明日香出版社
安田 貴志2009/12/28

(コメント)

 
No. 20
2010/03/07
悪の読書術 講談社現代新書
福田 和也2003/10/20

(コメント)

 
No. 19
2010/03/05
The King of Infinite Space: Donald Coxeter, the Man Who Saved Geometry
多面体と宇宙の謎に迫った幾何学者
日経BP社
Siobhan Roberts
シュボーン・ロバーツ
2009/01/26

コクセターがつい最近まで生きていたとは知らなかった。
付録として、モーリーの定理の、コンウエイによる証明が載っていたのが収穫。

これを読んで、"Regular Polytopes" が読みたくなったので、早速購入。
購入しようと思ったのは、理由がある。
これを読んで触発され、長年やろうと思っていた、正多面体と正多胞体の、構成要素(単体)の数、及び、 頂点の座標計算をやってみた。その過程で、正多胞体(4次元)の場合、必要となる正多面体の数を、 オイラーの公式だけでは導出できず、何か他の情報が必要ということがわかった。
単に答を得るだけであれば、実際に模型を作るつもりで1個ずつカウントしていくという、 elephantな方法もあるが、そういうことではなく、ちゃんと理解したかったので、買おうと思った次第。

 
No. 18
2010/03/03
デジタルネイティブの時代 東洋経済新報社
木下 晃伸2009/05/14

(コメント)

 
No. 17
2010/02/28
The Next 100 Years: A Forecast for the 21st Century
100年予測 ― 世界最強のインテリジェンス企業が示す未来覇権地図
早川書房社
George Friedman
ジョージ・フリードマン
2009/10/15

(コメント)

 
No. 16
2010/02/24
つい、相手も話す気になる! 「聞き出す」技術 ダイヤモンド社
伊東 明2009/11/19

(コメント)

 
No. 15
2010/02/21
クリプキ ことばは意味をもてるか (シリーズ・哲学のエッセンス) NHK出版
飯田 隆2004/07/25

ここまでくるとほとんど言いがかりとしか思えない。

 
No. 14
2010/02/18
No. 1 エコノミストが書いた世界一わかりやすい為替の本 かんき出版
上野 泰也2009/12/07

ものすごく単刀直入なタイトル

 
No. 13
2010/02/14
時の娘 ロマンティンク時間SF傑作選 創元推理文庫
ジャック・フィニイ、R・F・ヤング他2009/10/16

  • "A Message from Charity", William M. Lee
    『チャリティのことづて』、ウィリアム・M・リー
  • "Backward, O Time", Damon Knight
    『むかしをいまに』、デーモン・ナイト
  • "Double Take", Jack Finney
    『台詞指導』、ジャック・フィニイ
  • "Backward, Turn Backward", Wilmar H. Shiras
    『かえりみれば』、ウィルマー・H・シラス
  • "Backtracked", Burt K. Filer
    『時のいたみ』、バート・K・ファイラー
  • "When Time Was New", Robert F. Young
    『時が新しかったころ』、ロバート・F・ヤング
  • "Child by Chronos", Charles L. Harness
    『時の娘』、チャールズ・L・ハーネス
  • "Tryst in Time", C. L. Moore
    『出会いのとき巡りきて』、C・L・ムーア
  • "Apology to Inky", Robert M. Green, Jr.
    『インキーに詫びる』、R・M・グリーン・ジュニア
 
No. 12
2010/02/11
Finbar's Hotel
フィンバーズ・ホテル
東京創元社
Devised and edited by Dermot Bolger
ダーモット・ボルジャー 編
2001/09/10

ダブリンにある古いホテル、フィンバーズ・ホテルに滞在する7人に起こる物語。
7人の作家、

  • Dermot Bolger (ダーモット・ボルジャー)
  • Roddy Doyle (ロディ・ドイル)
  • Anne Enright (アン・エンライト)
  • Hugo Hamilton (ヒューゴー・ハミルトン)
  • Jennifer Johnston (ジェニファー・ジョンストン)
  • Joseph O'Connor (ジョセフ・オコーナー)
  • Colm Toibin (コルム・トビーン)
による連作。

 
No. 11
2010/02/09
The Big Switch: Rewiring the World, From Edison to Google
クラウド化する世界 ビジネスモデル構築の大転換
翔泳社
Nicholas G. Carr
ニコラス・G・カー
2008/10/09

日本語のタイトル(及びサブタイトル)から、最近流行のクラウドの話を連想すると大間違い。
通常ならこの手の本は「実用書」に分類するが、「理工系」に分類したのは、 それに値するかなり深い洞察が書かれているからである。 これを読んで、Google創業者が何を目指しているのかがよくわかった。
例えば、本をかたっぱしからデジタル化しているのは、人間に読ませるためではなく、機械に読ませるため。
よくウエアラブル・コンピュータというのが紹介されるが、あれはGoogleの発想からすると、完全に的外れ。
さらに、携帯電話に手を出しているのも、人間同士の会話はどうでもよい。
Googleが目指している技術が実現すると、本当に人間がニュータイプになれるような気がする。

 
No. 10
2010/02/05
The Mechanical Mind: A philosophical induction to minds, machines and mental representation
心は機械で作れるか
勁草書房
Tim Crane
ティム・クレイン
2001/09/10

(コメント)

 
No. 9
2010/01/31
けなす技術 俺様流ブログ活用法 ソフトバンク パブリッシング株式会社
山本 一郎2005/03/31

(コメント)

 
No. 8
2010/01/15
Martin Dressler: The Tale of an American Dreamer
マーティン・ドレスラーの夢
白水社
Steven Milhauser
スティーヴン・ミルハウザー
2002/07/20

(コメント) Enchanted Night

 
No. 7
2010/01/27
クラウドコンピューティングの幻想 技術評論社
エリック・松永2009/04/25

(コメント)

 
No. 6
2010/01/24
クラウド・コンピューティング・バイブル ジョルダン・ブックス
中島 洋2009/09/28

(コメント)

 
No. 5
2010/01/15
The Computer As Crucible: An Introduction to Experimental Mathematics
数学を生み出す魔法のるつぼ − 実験数学への招待
オライリー・ジャパン
Jonathan Borwein, Keith Defin2000/12/22

実験数学

 
No. 4
2010/01/13
The World Cafe: Shaping Our Futures Through Conversations That Matter
ワールド・カフェ カフェ的会話が未来を創る
HUMAN VALUE
Juanita Brown & David Isacs
アニータ・ブラウン&デイビッド・アイザックス
2007/09/28

ファシリテーションの本 ワールド・カフェをやろう も魅力がある。

 
No. 3
2010/01/04
現代科学論の名著 中公新書 922
村上 陽一郎 編1989/05/15

以下の本の紹介

だが、この頁数だとほとんど後書きレベルで、これをきっかけに読んでみようという気になれない。 ちょっと期待はずれ。

 
No. 2
2010/01/04
論理学入門 ― 推論のセンスとテクニックのために NHK BOOKS 895
日本放送出版協会
三浦 俊彦2000/09/20

前半が普通の論理学、後半が人間原理の説明に当てられている。
日本語の本でこれだけ詳しく(かつ易しく)人間原理の説明があるのは、おそらくこの本だけ。

 
No. 1
2010/01/02
RUNOR: Historia Tydning Tolkning
ルーン文字の世界 歴史・意味・解釈
国際語学社
Lars Magnar Enoksen
ラーシュ・マーグナル・エーノクセン
2007/06/22

(コメント)

 


読書記録 2009
(平成21年)7月〜12月
『枕草子*砂の本』 読書記録 2010
(平成22年)7月〜12月

E-mail : kc2h-msm@asahi-net.or.jp
三島 久典