逆に、与えられた循環節を持つ分数は、以下の手順で求めることができる。
1/9 = 0.1111111 ...
1/99 = 0.0101010 ...
1/999 = 0.0010010 ...
...
より、
とすることにより求めることができる。
例.循環節 076923 (6桁)
分子 = 76923
分母 = 999999 (6桁)
とし、互除法で約分すると、
76923/999999 = 1/13
さて、この結果の式を変形してみる。両辺の分母を払うと、
76923 * 13 = 999999 = 9 * 111111
この右辺の111111という値は、自明な素因数として、3, 11, 111を持つが、
それ以外にも 13 という素因数を持つということがわかる。
素数 p の逆数を循環小数で表した時の循環節の長さeは、次の式で表される。
e は 10e≡1 (mod p) となる最小の数 (i.e. mod p での10の位数)
上記 13 の場合、
101≡10 (mod 13)
102≡ 9 (mod 13)
103≡12 (mod 13)
104≡ 3 (mod 13)
105≡ 4 (mod 13)
106≡ 1 (mod 13)
より、e=6 である。上記の例で、
111111 = (106-1)/9 = (10e-1)/9
であるから、一般に、
p | (10e-1)/9
が成り立つことがわかる。さらに循環節は最長でも p-1 なので、
e | p-1
が成り立つことがわかる。よって、
p | (10p-1-1)/9
これは、フェルマーの小定理そのものである。
この (10n-1)/9 = 1...1 (1が n個ならぶ数) を repunit と呼び、Rp と表す。
例えば上記の例の場合、111111 = R6 と書く。
特に n が素数の場合、自明な約数を持たないので、
等が調べられている。
Harvey Dubner (2007) によると、20万以下の p について repunit が素数となるのは、
p = 2, 19, 23, 317, 1031, 49081, 86453, 109297
の場合であることが確認されている
(ただし、最後の3つ、p=49081, 86453, 109297 の場合は、probable prime)。
また、p が 20万以上の場合、R270343 が probable prime であることを、
Maksym Voznyy が見つけた(July 15, 2007)。
また、より一般化した、
(bn−1)/(b−1)
を、general repunit, base-b repunit と呼ぶ (参考文献参照のこと)。
The Cunningham Project
の "10,n-" が repunit の素因数分解結果となる。
2008/3/3の時点で、First Five Holes が、
10,241- c229
10,257- c241
10,263- c216
10,269- c233
10,271- c214
となっており、239以下の素数に対する repunit は、完全分解されている。
100以下の素数に対する repunit の素因数分解結果はこちら。
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