3.循環節から元の分数を求める

循環節から元の分数を求める方法

逆に、与えられた循環節を持つ分数は、以下の手順で求めることができる。

1/9   = 0.1111111 ...
1/99  = 0.0101010 ...
1/999 = 0.0010010 ...
...

より、

とすることにより求めることができる。

例.循環節 076923 (6桁)

分子 =  76923
分母 = 999999 (6桁)

とし、互除法で約分すると、

76923/999999 = 1/13

さて、この結果の式を変形してみる。両辺の分母を払うと、

76923 * 13 = 999999 = 9 * 111111

この右辺の111111という値は、自明な素因数として、3, 11, 111を持つが、
それ以外にも 13 という素因数を持つということがわかる。


素数 p の逆数を循環小数で表した時の循環節の長さeは、次の式で表される。

e は 10e≡1  (mod p) となる最小の数 (i.e. mod p での10の位数)

上記 13 の場合、

101≡10 (mod 13)
102≡ 9 (mod 13)
103≡12 (mod 13)
104≡ 3 (mod 13)
105≡ 4 (mod 13)
106≡ 1 (mod 13)

より、e=6 である。上記の例で、

111111 = (106-1)/9 = (10e-1)/9

であるから、一般に、

p | (10e-1)/9

が成り立つことがわかる。さらに循環節は最長でも p-1 なので、

e | p-1

が成り立つことがわかる。よって、

p | (10p-1-1)/9

これは、フェルマーの小定理そのものである。

Repunit

この (10n-1)/9 = 1...1 (1が n個ならぶ数) を repunit と呼び、Rp と表す。
例えば上記の例の場合、111111 = R6 と書く。
特に n が素数の場合、自明な約数を持たないので、

等が調べられている。
Harvey Dubner (2007) によると、20万以下の p について repunit が素数となるのは、

p = 2, 19, 23, 317, 1031, 49081, 86453, 109297

の場合であることが確認されている (ただし、最後の3つ、p=49081, 86453, 109297 の場合は、probable prime)。
また、p が 20万以上の場合、R270343 が probable prime であることを、 Maksym Voznyy が見つけた(July 15, 2007)。

また、より一般化した、

(bn−1)/(b−1)

を、general repunit, base-b repunit と呼ぶ (参考文献参照のこと)。

The Cunningham Project の "10,n-" が repunit の素因数分解結果となる。
2008/3/3の時点で、First Five Holes が、

10,241- c229
10,257- c241
10,263- c216
10,269- c233
10,271- c214

となっており、239以下の素数に対する repunit は、完全分解されている。

  100以下の素数に対する repunit の素因数分解結果はこちら。


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三島 久典