たまごっちとの邂逅 2



それから中2日。相変わらずたまごっちを手に入れることの出来ない俺の心は翳る一方だ。「はくひんかん」の整理券を逃したロスは大きい。そもそもこの「はくひんかん」に赴くことになったきっかけは、職場の後輩からの一通のメールであった。

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さっき博品館の前を通ったら
「たまごっち明日入荷」と書いてありました。
でも私は朝から出張です。
田中さん買いにいくことはありませんか?
もし行くのでしたら私のもお願いできませんでしょうか?
(白いのがいいです)
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ああ、このメールを見たときの「ついにたまごっちをこの手に治めることができるのか?」という淡い期待は今はいずこ・・・どこで手に入れればいいのだろう。巷にはたまごっち情報が寄せられるHomePageもあると聞いているが、メディアに頼らず自力で探してこそ入手したときの喜びも大きいはずだ。そう、今や私の中で、たまごっち探しはそれ自体が目的と化した一つの大きなゲームへと変容を遂げつつある。

そうこうしているうちに、例の後輩からこんなメールが・・!!

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たまごっち入手しました。
しかも念願の「白」です。
ご報告まで。

卵からかえったものの
すぐ「たまごっち」が寝てしまったので
ほとんど遊んでません。
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なにいいいいぃぃぃ !!?? 手に入れただとぉぉ!! しかも「白」!! 卵の色である白は最も人気があり入手が困難で、プレミア価格も跳ね上がっているという。まさに女子高生垂涎の一品を。以下、後輩との会話

田中H「たまごっち手に入れたんだって?」
後輩 「ええ。白ですよ」
田中H「見せて見せて!!」
後輩 「いえ、今、家に置いてきてるんですよ」
田中H「・・・。それって、帰ったらきっともう死んでるぞ」
後輩 「いえ、それが結構大丈夫みたいなんですよ。昨日も一日
    放っておいたいたんですけど、うんこが溜まってるだけ
    でしたよ。」
田中H「・・・・・・。で、どこで買ったの?」
後輩 「いえ、友達にもらったんですよ。2個持ってるから
    1つやるって。」
田中H「・・・・・。」

ああ!! 持てる者と持たざる者! まさにの感情こそルサンチマン!今やたまごっちに対する誤った知識の集大成と成りつつある俺の焦りを横目に、周囲は確実にたまごっちにを手に入れ始めている・・・


                       つづく

著作者:田中H



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