青汁顛末記 4



しかし俺はそんな不安を振り払うように、青汁の袋の裏に書いてある 注意書きに目を走らせた。

なになに・・

「保存と飲用法」と「飲みづらい時の飲み方」だと。 当然「飲みづらい時の飲み方」の方を見る。

(全て原文ママ)

「・・・。」リアクションに困ることが書いてある。 といっても、1人部屋の中でリアクションしても誰も見ていないばかりか ちょっぴり空しくなるだけなのだが。においが気になる時云々のくだりは ともかくとして、3点目の冬場はあたためておけば体が冷えないってのは 当たり前だと思う。

しかしこの程度のことでひるんではいけない。相手はあの青汁なのだ。 ちなみにこの日は夜通し朝まで飲んでカラオケやってというヘロヘロな 朝であり、正常な判断力を既に失っていた。そんなこんなでパックは だんだん溶けてきて、固体から液体へと変貌を遂げていたのである。

完全に液体と化した青汁は、凝固時よりも青さを増し、まさに飲んでくれ と言わんばかりである。そう、この吸い込まれるような青さを目の当たり にした俺は、なんだかこの液体を無性に口にしたくなっていたのである。 もう一度パックの、今度は表に目をやる。

「キューサイ青汁 九州自然野菜組合 無農薬ケール100% 内容量90cc」

ケールとは一体何なのか。そんなことはもうどうでも良かった。 ただ、飲みたかった。俺は何かに弾かれるように袋の口を開けた。

 

to be continued...

著作者:田中H





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