青汁顛末記 2



代休で休みの月曜日。夜の8時頃、けたたましく電話が鳴った。

俺「はい、田中です」

男「あ、あの、私、キューサイの平林(仮名)と申しますけど・・」

すーーーーっかり忘れていた。

なんと、あきらめずにまたまた電話をかけてきた平林(仮名)クン。

男「青汁なんですけど・・いまから届けにおじゃましてよろしいですか」 俺「ええ、どうぞ」

とっさにOKしてしまった俺。 恐いモノ見たさか? と言うか、ここまでする平林(仮名)の心に打たれたのだ。 折しも雨が降り出して、洗濯物を取り込まなければならない事態に。 かなり激しい雨だ。本当にくるのだろうか? 彼曰く、10分後ぐらいに 到着するというが・・・

♪ ピンポーン

おっ、本当に来たぞ! わくわく。 一体どんな奴なのか。 それよりも、俺の頭のなかでは、これ程までして家にやってくる平林(仮名) とは、もしかして途方もなく胡散臭い奴なのではないか、という心配が ムクムクと鎌首をもたげ初めていた。「無料サンプル」と銘打っておいて、 実はなんだかんだの理由を付けて金を請求するのではないか?

♪ ピンポーン ピンポーン

もう出るしかない。 意を決して俺はドアを開けた。

と、そこにはロン毛でサングラスをかけた、ひと昔前のロッカー風の男が、手に包みを持ってにこやかに立っていた。こいつが平林(仮名) なのか?

平林(仮名)「いやー、やっと会えましたね。」

俺は取りあえず表情を崩さずに「はあ」とだけ答えた。

to be continued...

著作者:田中H





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