マズイマズイと評判の、キューサイの青汁。ある日家に帰って郵便ポストをチェックすると、下のようなチラシが紛れ込んでいた。
「キューサイの青汁、今なら無料3パックプレゼント!!」「同封のハガキに住所を書いて送るだけで、販売員がご自宅までお届けにあがります」
おお、これは・・。アヤシイモノ好きの俺がこのチャンスを見逃すはずがない。次の日に速攻でハガキを投函した。
・・それから一週間ほど忙しい日々が続き、家に帰れるのが毎日12時過ぎであったが、ある日家に帰ってみると、ドアの所に黄色い紙が挟んで あり、こう書いてあるではないか。
「先日は青汁サンプルをお申し込みいただきましてありがとうございます・・(中略)・・何度かお電話をさしあげたのですが連絡がつきませんでした。青汁は冷凍しておりますので、直接お届けしています。(中略)ご連絡のつきます時間を下記あてにお知らせください。
なーんだ、青汁、ホントに届けに来てくれたのか。でも、俺は今一人暮らしなので、平日の昼間は家はもぬけのから。まぁいいや。青汁なんて。ちょっと興味があっただけだし。アホらし。といいつつ一応その紙はとって おいた俺。
・・・ところが話はここで終わらない。
再びたまたま早く帰ったある日。
リーン、リーン(電話の音)
俺「はい、田中です。」
男「ああ、よかった、やっと繋がった。」
俺「はあ、あの、どちらさまですか?」
男「私、キューサイの平林と申します。」
男「田中さんのご自宅に何度も青汁をお届けに伺ったんですがいつもいらっしゃらないんですよね」
俺「ええ、あの、忙しいものですから」
男「ご家族の方とかはいらっしゃらないんですか?」
俺「いえ、一人暮らしなものですから」
男「えっ、あの広い家に・・?」
俺「はい」
・・・
男「ではですね、ご都合がよろしい日を教えてください」
俺「いや、3月中は仕事がちょっと・・4月にまた時間がとれるようになったら連絡しますので」
男「あ、そう? あの、ドアのところに挟んどいた黄色い紙まだもってる?」
俺「(しかしこいつ、だんだんタメ口になってくるじゃねえか)ええ、持ってます。連絡先は0120-14-XXXXですね。」
男「そうそう。お待ちしてますんで。」
俺「わかりました。」
男「では、失礼します。」(ガチャ)
・・・どうやら運命は俺にどうしても青汁3パックを飲ませたがっているようだ。 この先、俺はどうなるのだろうか。青汁は。そして平林(仮名)の今後の動向にも注目だ。
著作者:田中H