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「家族とつながる」

最近の家族のあり方は、大きく変化している。
特に家族としてのまとまりと、各個人との関係はますます希薄になっている。

携帯電話やインターネットなどの発達により、同じ家の中にいる家族よりも遠距離の人間との方が精神的に近い存在になっている場合がある。

また、従来は家事は欠かすことのできないものであったが、コンビニエンスストアやハウスクリーニングといったサービス業の登場で、家事の外注化もすすんでいる。
このような状況を受けて、一家そろっての団らんというものは、すでに過去のものとなっているといえる。
したがって、住宅のあり方も変化をする必要がある。

家族が1つの単位ではなく、個人を最小単位としてとらえる住宅を考えてみた。

 

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「アウトライン」

これは、京都の東北部、疎水沿いの敷地に建つ、3人の建築家とその家族のための、アトリエを併設した共同住宅である。
家族同士が緩やかにつなりながらも、それぞれの個人の生活の重視することを目的としている。
緩やかに湾曲した2棟の建築物が中庭を中心にして建ち、その屋根は敷地の中心から外側へと傾斜している。
この外観の特徴は、この住宅に住む家族達のまとまりをあらわしている。

  

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個人スペース」

現代の生活では、場所や時間といった物理条件に作用されることなく、いつでもどこでも好きな時に、個人の空 間が成立する。
家族の中の個人の位置づけはもはや不必要になってきている。
そこで、個人のためのスペースを重視し住宅を考える。
そのスペースは、入り口からの距離、高さ、広さがそれぞれことなる種類のものが用意され、家族はそれぞれ自分の好みのスペースを選択することができる。
しかし、そのスペースは、だれのためのスペースかは限定しない。
スペースの使用者は固定せずに、互いに交換や変更できるものとする。
そうして家族各自に割り当てられたそれぞれのスペースは、壁とスラブで区切られた閉じた空間ではなく、住宅の一つの大きな空間の中に設けられ、互いにその気配を感じることができる。
個人のプライベート空間でありながら、同時に家族共有の空間でもあるのである。
一つの家族という区切りではなく、同じ敷地に住む3家族全体でゆるやかな連帯感を有する住宅となる。

      

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「コア棟・アトリエ」

個人のスペースは確定したものではないから、それぞれ自分の持ち物や家族の所有物は各スペースには置かずに、1ヶ所に集中して保管することとする。
各自は必要に応じて、その場所から取り出し、また片付けるわけである。
そのために、個人スペースがある住宅棟とは別に、収納庫と生活に必要な諸機能を収めたコア棟を設ける。

コア棟の最上階は、建築家のためのアトリエである。
アトリエは、ゾーン分けとしては住宅ゾーンとは分離されている。
疎水の遊歩道からアプローチし、2、3階の吹き抜けから螺旋階段を使うか、建築物外周に沿って湾曲したスロープによって上がる。
またアトリエは、細長く緩やかにカーブを描く1つの大きなスペースであり、疎水の流れを眼下に眺めながら、開放的な空間の中で仕事に打ち込むことができる。
 

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「ブリッジ」

そして、住居棟とコア棟とに挟まれた中庭には、円形のブリッジ が渡され、両棟を接続する。
各自はそれぞれ、このブリッジを必ず通ることになり、個人重視を コンセプトとした住宅の中で、家族同士の接点をつくりだしている。

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「エントランス」

エントランスも、住宅中央の1階と、疎水の遊歩道に接した住宅端部の2階との複数ヶ所設けられ、使い分けが可能である。

  

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「中庭」

  

コア棟の下部は、ピロティによって持ち上げられており、中庭と連続した空間が設けられている。
住居棟からは1階より直接に、またコア棟からは2階からスロープを下って、出ることができる。
この、コア棟下につくられた細長くカーブした外部空間によって、住居棟とコア棟の2棟の建築物に挟まれた中庭の閉塞感を払拭し、広々とした雰囲気をかもしだしている。

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