寒波来る 弥十郎ヶ岳の丈山北峰へ     

丈山  
泉郷峠(仮称)付近から望む丈山  (真ん中のピーク) 
■目的地:丈山北峰(726m)<山域:北摂・兵庫県篠山町>
■2.5万図:福住
■日にち:1999年1月10日(日) 
■天気:晴れ時々曇り 寒い
■同行者:単独
■コースタイム: 

 温泉コース口 発(11:25)〜分岐(11:55)〜農文塾コース〜丈山乗越手前(12:10)〜
 丈山(12:20)〜丈山乗越手前(12:30)〜丈山北峰(12:45)〜723m山(12:55-13:15)〜
 東へ分岐(13:25)〜奥谷峠(13:35)〜原集落の神社(13:45)〜渓山荘・出合橋〜
 温泉コース口 着(14:10)

【丈山】 この冬一番の寒さが続いています。午前10時に兵庫県北部の大雪警報解除。
この寒い日に北を向いてしまう愚かさを感じつつも、ゴソゴソと行動開始。北摂と
丹波の境、篠山盆地の南にある弥十郎ヶ岳へ。エアリアマップ「北摂の山々」には、
ハンター入山のため注意と記される。これも気になる。
 丈山北峰は、弥十郎ヶ嶽の東に南北に並んだ尾根の真ん中辺りにある。弥十郎ヶ岳
(715m)よりも標高が高いのである。

【籠坊へ】 大野山の麓を過ぎて西峠にかかろうかという所から北斜面にうっすらと
雪が残る。泉郷峠を越えて籠坊温泉へ入るが、西に丈山と思しき姿が顔を出す。この
下の道は北側になり路上に雪が残るも凍結まではしていない。が、大事をとってゆっ
くりと下りる。
凍てつく  
凍りついた水車 
【温泉宿】 数件の温泉宿のなかを通り、「出合橋」バス停の先に赤い橋があり、
そのたもとに駐車。ここから登るのは5年ぶりくらいか。赤い橋の手摺り片方がない。
そして、その先の温泉宿を見ると、なんと店を閉じている。時の流れを感じる。
 山からひいた水のみが静かに湧いている。宿の庭に水車。この冷え込みでつららが
逆光に輝く。

【沢の道】 少し荒れかけた山道に入る。右に沢。日陰に雪。倒木も多い。やがて
沢が枯れて2つに分かれる。山道はどちらもあるが、右はかなり荒れている。
素直に左のハイキングコースを採る。記憶をよみがえさせる景色が続く。軽い笹藪を
過ごすと、張りつめた青空の下に素晴らしい冬枯れの雑木林が広がった。
 コンコンコンとリズミカルに木をたたくコゲラ、目の下が赤くてグレーの鳥など
野鳥が間近で見れるのも良い。
農文塾コースと合流する峠の道標はずいぶん朽ちてきている。ここを左が弥十郎ヶ岳、
今日は右の農文塾コースへ。
深山を見る  
丈山から深山をのぞく 
【丈山へ】 緩い登りが左にカーブすると松葉の絨毯を敷き詰めたような平坦道。
続いてうっすらと雪の残る落ち葉道。雪の上には山靴の跡。へぇぇ、以外と人が入っ
ているんだぁ。
 雑木に囲まれた尾根筋の先に直径20cmの丸い看板。「たきび たばこ 注意」とある。
この辺りは、やたらとテープが多い。右手に踏み跡あり。丈山への道だろう。
 荒れた感じからだんだんと林道のようになり、左にS字に巻くと麓から来たのか
紛れもない林道となっている。林道が上がり調子の所を道なりに進むと広場となって
終点。日陰の雪に動物の足跡はあっても人のはなし。さらに南進すればひと登りで
ヒノキ林に囲まれた丈山ピーク。小さな古いプレートにかすかに「丈山」の字が残る。
東には木の間から深山が横たわって見える。
 来た道を戻る。途中で犬の吠える音が弥十郎ヶ岳の方から聞こえる。いやな感じだ。

【丈山北峰へ】 「たきび たばこ 注意」丸い看板に戻って、農文塾の方へ歩くと
すぐに道標。三叉路となる丈山乗越である。ここは道標の指さない北東の小径を採る。
雑木林の良い道だ。テープもあり、幅1m程のはっきりした道である。登りがきつく
なってきた。左手に立木越しで弥十郎ヶ岳が見える。今日の展望はずっとこんな感じ。
しばらくすると弥十郎ヶ岳の方で銃声が数回鳴る。やっぱり物騒になってきた。
 ササが多くなってきた。風が冷たい。耳たぶが痛いくらいだ。たぶんこの辺りが
ピークであろうという所に辿り着く。明るい雑木のなかで何もない。テープが3つ程
巻いてあるのみ。さっきの農文塾コースへ戻って下りるつもりだったが、さらに北へ
行ってみたくなった。道は薄いササの中へ明瞭に続いている。その先には立木越しの
723mピークが呼んでいる。
723mピーク  
うす雪の残る723mピーク 
【薄雪の雑木庭園】 ササを下れば素晴らしい林の中の道となる。深山北尾根や高岳
北尾根で見られるハイカーの少ない山域独特の明るい雑木林。ここまで来て良かった。
良い所を見つけたなって感じ。2.5万図とコンパスを出して、奥谷峠への分岐を見落と
さないように読図しながら歩く。こんな歩きも1年振りかなぁ。いい感じ。(^^)
 やがて落ち葉がうっすらと雪で覆われた小広い庭のようなピークに到着。地形から
723mピークとすぐに判明。日だまりもあってなかなかいい場所だ。ここで昼飯とする。
 ラーメンができる間にこの先の道を観察する。ここは2つに分かれていて、左は
辻川の谷へ落ちる短い支尾根、右が奥谷峠へ下りれる北尾根である。どちらにも
赤いプラ杭がある。それにしても良い庭である。
 寒いながらも静かな林の中で一人ラーメンをすする。私はこれで充分。

【並び岩】 北尾根の方へ歩くと高さ3m程度の岩が踏み跡の脇に並ぶ。満足な展望が
得られないままの歩きなので、ひょっとしてと登ってみるが、やっぱり立木越しの
展望である。多紀アルプスの三岳や東多紀の櫃ヶ岳、深山など木々のベールに囲まれ
ながらもまずまずの眺めである。
篠山盆地  
並び岩から三岳方面をのぞく 
【落ち葉】 地形図通り急坂を下り平坦になると、右手に道が分かれる。雪がもう
少し積もっていたら判らないかも知れない。そうでなくても、一面の落ち葉のため
踏み跡すら怪しい感じなのである。
 つづら折れに東へ下りる。この辺りの林も実に良い。冬枯れの明るい雑木と一面の
落ち葉。いい山だ。時々道をじっと見つめてルートを探すがテープが出てくると安心。
 ひっそりとした奥谷峠へ到着。632mピークへの尾根は植林になっている。ここを右
に採って原集落へ向かう。

【ハンター】 小さな沢を跨いで尾根を右へ移り、植林の中を行く。やがて竹林となり、
小さな神社の前に出、舗装道に合流。その先100mにはハンターの車。そう言えば
632mピークへの尾根側でも犬の遠吠えがした。丁度私はハンターに挟まれた山域を
歩いてきたようだ。ここまで下りれば安心。

【野鳥】  舗装道には「百草園」の看板があった。途中右手に農文塾コース案内板
がある。見上げれば茅葺き屋根の農文塾はまだ健在のようだ。
 道脇の沢がだんだん大きくなり、対岸には小鳥がいる。腹がダイダイ、くちばしは
青。ジョウビタキのようだ。長々と舗装道歩きが続く。温泉宿渓山荘の前を通って
日曜・祝日は便のないバス停に辿り着くと車はすぐ。猟期が終わってからまた来よう。


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1999.1.16. BY M.KANE