銀寄せの花香る歌垣山 山行記


 歌垣山から半国山を望む 
 
          1997.6.13. 
 
 
 
  右奥は長老ヶ岳、 
      左手前が小和田山 
■目的地:歌垣山(554m)<山域:北摂・大阪府能勢町>
■日にち:1997年6月13日(金)
■天気:曇り時々晴れ
■同行者:単独
■コースタイム:

  堀越峠 [約390m](12:00)〜山頂(12:35)〜北のピーク(12:45-13:25)〜
  栗畑の林道〜ゲート(14:00)〜杉原の府道(14:20)〜堀越峠(14:30)


【歌垣山】 妙見山の北にある里山。上代の頃は、若い男女が頂上で歌を唄いながら
踊る「うたかい」が行われていたと伝えられている。
 西麓の倉垣天満宮には樹齢400年といわれる銀杏の木と、能勢の地酒「秋鹿」
(あきしか:辛口)の酒蔵がある。地味だが私のお気に入りの山の一つである。

 あきゆきさんの生駒やPLUTOさんの比良の話に出てきはじめたササユリ。
北摂にもササユリが咲くという話は聞いていたので、見たいなと思っていた。
ただ、この季節に低山の北摂に入るのは、私としては一大決心なのです。(^^;
 去年の12月に変わり果てた歌垣山に登った時、「歌垣山ササユリの小径」という
小さな札が気になっていたので、お手軽ササユリ散歩と決め込みました。
 ちなみに、ササユリは能勢町の町花です。大切にして下さいね。盗掘厳禁!!

【堀越峠】 府道を車で上がると堀越峠。妙見奥の院への道が右に伸びる。
そこをおばさん3人組が歩いていた。奥の院で昼御飯かな。
 私はその反対側へ府道脇の松の林を登る。丁度良い棒きれが落ちていたので、
これはと思い、「へびさん、あっちに行ってね棒」として今日の散歩に同行してもら
うことに。(^^;
 シジュウカラが鳴く。整備された道を5分も登れば、後ろに奥の院の森が見えて
くる。日当たりのいい道をキョロキョロしながら登る。赤い小さなザクロような花を
つけたカンサイスノキを見つけた。お目当てのササユリはない。とうに盛りの過ぎた
ピンクのツツジがポツリ。草の緑が勢いづいている。

【つぼみ】 半ばあきらめムードで夏草だけの北摂に不満を覚えながら登っていく。
おぉっ、つぼみから少し開き加減のササユリ発見。うーーん、もう少し開いてくれ
たら絵になるんだがなぁ。残念。でも、ササユリがあると確認できて元気が出てきた。
 その周りを見ると、薄い緑色のつぼみがぽつりぽつりとあるではないか。「やっぱり
ササユリの小径は本当なんだ。」と納得する。ちょっと時期が早かったかなぁ。

【開発】 平坦道になって、前方にスカスカになった松林が現れる。下草が払われて
いるようだ。見晴らしは多少良くなっている。さらに行くと山頂だが、前回は6年振
りに来て、公園化されているのにびっくりしたものだ。しかし、今日はさらにびっく
りした。茶色の2階建て展望やぐらが出現したのである。
 「歌垣山公園」というらしい。勝手に開発してしまって...と憤りながら、ペンキの
匂いがプンプンする展望やぐらに登る。と、見晴らしは良いのがにくい。痛しかゆしである。
眼下に水を張った田原が広がり、剣尾山や深山、六甲、大船山まで見て取れる。
 周囲の松林も下草がきれいになくなり、木々の間からポンポン山方面が見えている
ようだ。まだ作業半ばのようであり、工事道の脇に残った草のかたまりにササユリの
つぼみがたくさんあった。
 もう、このくらいにして、そっとしてあげて欲しいなと思う。

【ササユリ2輪】 昼飯の落ち着き先を求めて、コンクリート道を北のピークへ
向かう。この道の途中からは小和田山や半国山が覗いてくる。鞍部に倉垣からの
山道が合流する。明るい山道である。そこにうすいピンクの花がふたつ咲いている。
駆け寄って見ると、やっぱりササユリだ。うっとおしい夏草のことは吹っ飛んで
しまった。綺麗に写るかは別にしてシャッターを押す。がぜん元気が出てくる。
いゃー、もうしあわせ。来た甲斐があった。(^^)v

【ログハウス】 北のピークは松林の中に石碑があったが、今は開発されて石碑の
周りに東屋や花壇のようなものがつくられ、その奥に前回はなかったログハウスが
出現。ありゃりゃ、こんなんで何するんやろぅ。ここも周辺の松林の下草が払われ
ている。しばらく腰の落ち着き先を探してウロウロするが、落ち着けるところがない。
しかたなしに、屋根付きのベンチで昼食。
 この忌まわしい開発の手助けをした道がどこから繋がっているのか、全容を見てみた
いと前回から思っていた。前は裕太と一緒のため、一寸歩いただけだったので、
今日はしっかり辿ってみることにする。コンクリート道が北の方に伸びている。

【長老さん】 北のピークからすぐ下の路上で展望がひらけるポイントがある。
半国山の右にうっすらとしたおおらかな山影がある。地図で確認。やっぱりそうだ。
丹波の盟主、長老さんこと、長老ヶ岳である。(ということにする。(^^; )
カメラに収め、思い直して簡単にスケッチをする。

【銀寄せの道】 山頂付近の松の匂いをあとにし、遊歩道もあるという杉植林地を
右手に見て、夏草の煩わしさのない快適な(?)コンクリート道を北へ緩やかに下りる。
 栗の花から漂う甘い匂いがプンプンしてきた。ウグイスが鳴き競う。地道になる。
木が開けて来て草原の趣。ちょっとした夏の高原と小さい頃のカブトムシを取りに
行った山道を足して2で割ったような懐かしくも不思議な雰囲気の道である。
ヒメジョオンやアカツメクサが咲き、草の中で虫が鳴く。ホオジロも元気。
 日当たりの良い斜面に栗の木が今を盛りと花を付けている。いかにも夏の山の中。
草の中に隠れて用水池が2、3ヶ所あるので、小さい子供には要注意かもしれない。

 南東へ向きを変えて栗畑が終わる頃、トタン板のゲートが出てきた。
あらら、いつも入れる道ではないんだ。そう言えばこれだけの栗畑、私有地といえば
納得できる。ゲートの横に人が通った跡があるので、私も失礼する。通り抜けた側に
今をときめく45mmの南京錠が懸かっている。(^^;
 草にからまれた立札に、「銀寄せ」栗の優良園に指定されている旨が記してある。
ここからは植林の陰の涼しい舗装道歩きとなる。5分ほどでY字分岐となり、右の
小さい橋を渡る。左手の道は...と見ると立て札に、マッタケ山、入山禁止と
ある。(9/20〜11/15)

【緑の鴻応山】 水田が見えてきて、里に出てきた。夫婦で田植えの姿。
谷が開けるとどっしりとした鴻応山が居座っている。いい形だ。
 あとは、杉原の集落から府道を西に少し登れば堀越峠である。
今日は地道と舗装道と半々くらいの距離になってしまったかなぁ。(^^;

  歌垣山について 
 
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1997.6.28. BY M.KANE