新緑が湧く丹波・長老ヶ岳      

新緑  
 管理道から見上げた尾根   
■目的地:長老ヶ岳(916.9m) <山域:丹波 京都府和知町・美山町>
■2.5万図:和知
■日にち:1999年5月2日(日) 
■天気:晴れ一時曇り
■同行者:家族5人(嫁さん、香里、俊一、裕太)
■コースタイム:

 自宅発(9:15)=R173=R9=R27=府道12=和知町仏主=権現谷出合=管理道ゲート(11:15)

  管理道ゲート[335m](11:30)〜オマツ谷〜475m地点(11:50)〜谷の東屋(12:03)〜
  林間キャンプ場(12:30)〜仏主峠への道合流点の東屋[約765m](13:15)〜
  山頂(13:35-14:25)〜西尾根の東屋(15:10)〜シャクナゲベンチ(15:20-15:30)〜
  道標「山頂まで3.5km」(15:45)〜展望台(15:47-15:50)〜管理棟(16:00-16:10)〜
  権現谷出合 着(16:45)   〜おまけ〜「七色の木」見物

【長老ヶ岳へ】 嫁さんが山に行きたいという。ただし、裕太も一緒だからあまり
遠へは行けない。ここは、自分の都合でシャクナゲが気になる長老ヶ岳にする。
 朝起きたのが8時。こりゃいかん1年半前と同じ。仕度をして、9時過ぎに出発。
連休の日曜日、交通量はちょっと多め。いい天気。
管理道  
  ゆらりと歩き始める  
【林道通行止め】 新緑と山桜の混じる緑の丹波路を北東へ向い、下乙見まで来ると
静かな山の中の雰囲気が漂ってくる。仏主(ほどす)に着くと里の人にとっては余所者の
車が屯する。
 右折して橋を渡る。ハーブ園や管理棟に上る林道長老線は改築のため、3/18〜5/24
通行止めとある。工事は考えていなかったが、前回崩壊していたところもあって、
通行は無理かも知れないと思っていたため、ショックは少ない。
 真っ直ぐと管理道を車止めのゲートまで進めて、先着4台の前にわずかに残るスペ
ースに駐車。昼が近いので、身支度と一緒に子供達はおにぎりを食べる。

【青空と緑と沢音】 周りは野鳥の響きと沢音でいっぱい。植林を抜け出るように
新緑が尾根の上に伸び上がっている。青い空。道脇には白や紫のスミレが咲き乱れる。
車は来ないので、子供達は放し飼い状態。ゆるりと思い思いに歩いていく。俊一が
二つ星のテントウムシを見つける。日陰の路傍にマムシグサが咲いている。
 キャンプ場の説明板から砂利道になる。已然として沢音高らか、鳥多し。475m地に
一部コンクリート舗装となるが、また砂利道。古い大きな杉の木などが伸びる。
尾根を見上げると新緑が眩しい。堰堤がふたつ続く辺りで路肩が少し崩壊していた。
 右手杉植林へ仕事道の様な踏み跡あり。裕太、早くもしんどいと言い出す。
約550m地カーブの谷出合に東屋とトイレがある。その谷を径が上っているようだ。
向かいの尾根  
  管理道からふれあいロードの尾根を望む  
【展望広がる】 管理道はヘアピンカーブが出てくる。この辺りから何故か息子達は
歩くペースが上がってきた。石英のような石拾いをしている。綺麗で大きな石を探し
競っている。前回の山行記を読み返すと同じことをやっていた。進歩がない。(^^;
 やがて向かいの尾根が見えるカーブに出る。さらに行けば、山頂近くの電波塔が見
え、その右に緑の尾根が伸びやかに広がる。いつしか沢音は左下に遠くなっていた。
 土手の上にイワカガミの葉が見えてきた。山桜は一分ほどの花が残る。

【林を俯瞰する】 山桜のカーブを曲がると林間キャンプ場。最近利用がない雰囲気。
東屋とトイレがあり、小休止。さらにクネクネ道をダラダラと登る。高度は約700mか。
眼下に新緑で沸き立つ林が広がってきた。白いミヤマカキツバタ発見。土手の上には
イワカガミが咲く。下りてくる人たちに出合うようになった。林道歩きもみんな飽き
てきたようである。

【稜線道】 前方にまたも東屋がある。管理道と、山頂から仏主峠への稜線道が合流
する鞍部だ。単調な林道よりも良いかなと、低いササが刈ってある急登へ入る。いき
なり東に丹波高地の山並みが広がる。いいぞぉぉ。(^^)v
ウチと同じファミリーハイカーが元気に下りてきた。片やこちらはへこたれ気味の
裕太。後で地図を見ると100mの登り、ちょっと読みが甘かった。思ったより長い上り
の後は若葉の少ない尾根道。ここでも山頂では味わえない景色が広がりすがすがしい。
仏主峠への尾根  
  山頂東から見た仏主峠への尾根  
【賑わう山頂】 まだかと疲れ果てた裕太を騙し透かして、ようやく山頂。20名以上
の人とハム2局。陽射しがもろに当たって暑い。賑やかというよりも五月蠅い。
 とりあえずは飯。ふと見渡せば、ゴミが多いのは残念なことだ。
展望は霞んで今一つだが、若狭湾と北摂・深山が確認できたのが収穫。京都北山にも
山並みが続くが、私には空白地帯のため同定できず。

【電波塔】 東へ急坂を下りて、ふれあいロードというハイキング道へ向かう。管理
道に出合うと、前回も見た美山町の方へ山腹を巻く林道にロープが張ってある。さら
に行くと、また新しい電波塔を建てている。長老さんも災難続きである。
 鹿除けネットを過ぎて、大きく広がる尾根、尾根を眺めながら下りていく。土手に
ショウジョウバカマがポツリポツリと咲く。
オマツ谷  
  ふれあいロードからオマツ谷 (右が山頂) 
【若葉のトンネル】 2つ目の鹿除けネットを過ぎると、水平に近い緩やかな下り。
林の中の道。両側から頭上まで新緑が囲み、陽射し柔らかく快適この上ない。スミレ
が咲き、イワカガミもポツリポツリ。キツツキの音、シジュウカラの姿。ムシカリや
ツツジも出てくる。雲が出てきて風が吹く。2年前に何も知らずヤブ尾根からこの道
に降り立ったことが思い出される。知らないとは恐ろしいものです。(^^;

【イワカガミ】 東屋の手前で尾根が分かれる。東屋へは寄らずに右へ入る。しばら
くの巻き道の次に繰り広げられるイワカガミのパレードは期待どおりでした。満足。
新緑の谷にツツドリののどかな音。一部路肩が崩壊して道幅50cm程になっている。
面白そうにのぞきこむ裕太を促す。
イワカガミ シャクナゲ
【シャクナゲ】 さらに進むと、まだ時季が早かったかなと諦めていたシャクナゲが
出てきました。こんなにたくさん咲いているのは初めて。嫁さんと娘はベンチでひと
休みしてながめています。蕾も多少は残るものの、今が満開のような感じです。
 さらに、ミツバツツジとイワカガミも咲き誇り、予定どおりの展開に大満足。
今日の目的は果たしました。

【松林】 花は充分堪能したので、後は下りるだけ。松の中にミツバツツジとイワカ
ガミが名残惜しむように咲き続けています。展望所は、高床に登る木の階段が朽ちて
壊れていました。息子達は面白がって上ります。釘に注意。
 管理棟はトイレがあり、小休止。工事の車も丁度引き上げたところで静か。広場の
縁に立つと仏主の里があり水を張った田から蛙の声が登ってきます。
 眼前は新緑の大きな尾根が立ちはだかり、いつかあの尾根を歩きたいなと思う自分
が怖くなってきます。

【林道下り】 さて、長い林道を下らないといけません。途中に、新しい公園化を
やっているのか、山腹に木の道が続いていました。子供達も珍しそうに見ています。
 植林の切り通しの道は、以前崩れていたところが直してあるが、無駄なことだろう
なぁとか、山頂が覗き、あそこまで行って来たんだよと娘と話しながら下りる。
 お父さんだけ一人、車をとりに管理道ゲートへ向かい、ぽつりと残った愛車を回し
て権現谷出合に戻る。

【七色の木】 長老さんは、これで三度目になるが、まだ「七色の木」を見ていない。
嫁さんも興味を示すので行ってみることにする。権現谷を少し上る。3台程の駐車ス
ペースの先で沢を渡ると何やら立て札がある。「京都の自然200選」。桂の木にモミジ
やカエデ、ケヤキなどが一体になって伸びているという。まるでトトロの世界である。
手前にうねりながら苦難を乗り越えて生きてます、という感じのケヤキの枝は、よう
頑張ったと誉めてやりたいほどの生命力です。
 その横の権現谷の沢には今から咲きますという様子の、ホウチャクソウも見られ、
なかなか良い谷です。

  長老ヶ岳について   

  山のリストへ / ホームページへもどる


1999.5.8. BY M.KANE