青空と黄葉の長老ヶ岳 山行記 |
ふれあいロードから山頂を望む 右にDDI電波塔がある。 1997.11.3. |
■目的地:長老ヶ岳(916.9m) <山域:丹波 京都府和知町・美山町> ■2.5万図:和知 ■日にち:1997年11月3日(月) ■天気:快晴 ■同行者:家族5人(嫁さん、香里10才、俊一8才、裕太5才) ■コースタイム: 自宅発(9:20)=R173=R9=R27=府道12=和知町仏主=権現谷=管理棟着(11:00) 管理棟[約500m?](11:15)〜展望台(11:25)〜道標「山頂まで2.5km」(11:50)〜 東屋(12:10-12:35)〜鹿除けネット(13:00)〜山頂(13:25-14:00)〜東屋(14:35)〜 管理棟着(15:15) 【長老ヶ岳へ】 嫁さんが黄葉を見に行きたいという。ただし、裕太も一緒だから、 お手軽でネ。...難問である。安直にちょっと遠くて、少ししんどいかもしれないが、 確実に黄葉が見れると判っている、長老ヶ岳にする。昨日の八ヶ峰の帰りにえらく 気になったものですから...。(^^) 朝起きたのが8時。こりゃいかん。ばたばたと仕度をして、9時過ぎに出発。 道は昨日と同じ。昨日より交通量は少ない。いい天気。 【管理棟】 仏主から右折して橋を渡り、権現谷に入る。管理棟まで車の底を何度か こすりながらダートを登る。ここは歩いて登るのが山への礼儀だが、今日は裕太の ために(?)ショートカット。案の定、途中で不振顔のハイカーを追い越す。(^^;; 森林ふれあいロードといわれる整備されたハイキング道の起点が管理棟。その前に 駐車スペースがある。1台もなし。と、間もなく軽バンが到着。 ここから眺める景色もすでに黄葉まっ盛りである。雲一つない青空。いい山になり そうだなぁ。 【またしても黄葉の道】 身支度を整え、管理棟の横から登る。道が良いし、一本道 なので、子供達も放し飼い状態。一応、目の届く範囲で呼び止める。取り付き辺りは 日陰で地面が湿り加減。早速、ドングリ拾いに熱中し、なかなか進まない。 見上げれば、青空をバックに黄色や橙の葉、葉、葉。この色、眺めるだけで幸せな 気分になる。 10分ほどで展望台。眺めを楽しみ小休止。ただ、ここからは眼前の尾根に遮られ その向こうに広がる山は見えない。 ここから少し歩くと、イワカガミの葉が目立ってくる。朽ちた木の階段をくねくね と登っていく。俊一が皆を制する。小鳥の声を聞こうとしているようだ。残念ながら 昨日の八ヶ峰のように近くには少なく、遠くに鳴き声や、キツツキの音がするのみ。 松葉の落ちた道。随所で頭上の黄葉を楽しみながら、各々のペースで歩く。 【東屋で昼食】 裕太はアシナガグモ、発見。俊一はバッタにカナヘビ。香里は 黙々と歩く。切り通しの土手に石英のような白っぽいキラキラした岩があり、そこ から風化して崩れた石ころを大切そうに拾う子供達。「星の石」と命名される。 やがて、見事なモミジの紅葉を見て、東屋に到着。丁度、12時過ぎ。山頂は 人が多いだろうし、腹も減ったので、ここで貸し切りの昼食。カップメンとおに ぎり。俊一は頂上で食べたいというので、ドン衛兵をひとつ残す。 一息ついたら登り始める。右手に檜の植林の続く道。時折、ササが生い茂る。 頭上は相変わらずの黄葉。【錦秋の裾野】 幅3〜4mもある落ち葉道をカサカサと歩く。裕太の様子が変。 ん? ウンコだな。(^^;; 道脇で失礼する。済ますと元気を取り戻して走り出す。 鹿除けネットを越えると、自然林の中を抜け、伐採地の展望の良い道になる。前回 来たときも気に入った所だ。山並みの中に大江山を見定める。ドームのような長老 山頂も顔を覗かせるが、枝先の葉は落ちているようで薄い灰茶色。 道脇にはリンドウがツボミのままでたくさん迎えてくれる。最近の寒さで花は開く ことが出来ないのかもしれない。あれ、無惨にも引き抜かれたものがある。大事に して欲しいものだ。 この道からの眺めは、前の3月の殺伐としたものでなく、これでもかというほどの 色彩を見せつけてくれる。文字で並べれば、赤・黄・緑、...。(^^;; 【開発の魔の手】 もうひとつのネットをくぐって、DDI電波塔管理道路に入る。 ここからは高度も加わり、最前の眺めがますます素晴らしい。山頂入口への平坦道を 進むと、何と無惨な光景。管理道路とは別に南東へ自然林を切り開いて道がつくられ ようとしている。白い土がむき出し。管理道路ですでに手が入りすぎているのに、 まだ足りないのか。誰に断って...。と、自分勝手な憤りがこみ上げる。 【展望満喫】 管理道路脇からササの入口を最後の直登。今日、一番の勾配である。 俊一が我先にと登っていくが、気合いが入りすぎて転ぶ。(^^) 予想よりちょっと少ないが、それでも20程の先客。見覚えのある風景だ。立木が 下でじゃまするが、ほぼ360度の眺め。今日は以前に増して良く見える。まず眼に 付くのが、トンガリピークの弥仙山、それを起点に同定する。大江山、東床尾山、 その向こうにも山並みが浮かんでいるのは、蘇武岳だろうか。舞鶴湾が微かに見て 取れる。弥仙山と重なるように由良ヶ岳その右に青葉山。北東の仏主峠への尾根と 重なるように若丹尾根、昨日の八ヶ峰は同定出来ず。そこから東はうねうねと北山。 (一言でかたずけてしまう...^^;)比良も見えているのかもしれない。南にもっこ りと愛宕山、そこから西は篠山の山並みと播州・千ヶ峰まで見えているのだろう。 南西は日の加減もあり、霞んでちょっと判りにくい。 ファミリーハイクの人も多い。次々と登ってくる。2時になったので下ります。 【星の石】 往きと日射しは違うものの、相変わらずの展望と黄葉を楽しみながら 順調に下山。子供達も歩きやすい道のためか、すこぶる機嫌がいい。 裕太は途中の切り通しの土手で、再び石英のような白っぽいキラキラした岩を拾う。 「お父さん、また来ようね。星の石を拾いに。」だと。ブリッコの息子である。 【西日に】 山並みが早くも西日に翳り、一段とコントラストが出て素晴らしい。 頭上で、雲一つない青空を覆うようなレモン色の葉も見納めかと、しっかりと眼に 焼き付けて管理棟に到着。ダートの途中、山頂で写真を撮ってあげたパーティを車で 追い越して帰路につく。 車窓からの黄葉もなかなかで、素晴らしい秋の一日が過ぎていく。
澄んだ青空に黄葉がたまらない。
1997.11.3.