三田の行者山で大船山に虹     

大船山に虹  
− 虹 −    (左のピークが大船山) 
■目的地:行者山、烏ヶ岳(528.3m)<山域:北摂・兵庫県三田市>
■2.5万図:木津
■日にち:1998年12月20日(日)
■天気:晴れ後曇り
■同行者:単独
■コースタイム:
  つくしの里 発(12:20)〜砦跡(12:35)〜福谷道に出合う〜昭和池(12:50)〜
  炭焼き窯跡(13:05)〜行者山ピークの分岐(13:15)〜烏ヶ岳山頂(13:20-13:50)〜
  行者山展望所(13:55)〜羽束山展望ベンチ(14:10-14:15)〜七々松新池(14:20)〜
  つくしの里 着(14:40)

【行者山と烏ヶ岳】 この山は、11月に三田の山口さん(囲炉裏村助役)がホーム
ページで紹介されていました。私の好きな大船山と対峙するトンガリピークが
印象的で、名前は知らずとも前々から気になっていました。典型的な里山です。
2.5万図に山名はなく、528.3mの三角点のみ表記されています。
 静かな里山に見えますが、知らない間にハイキングコースが整備されていました。
麓の「つくしの里」と併せて、ファミリーハイクにも最適だと思います。

【つくしの里】 木器から県道三田後川線に入り、北を向いて大船山登山口へ目指す。
途中左手に「三田・もち処 つくしの里」の看板があります。ここはふるさとの味、
つきたて餅のほか特産品の販売を行っており、軽い食事もできます。木曜定休。
 ちょうど昼時で20名ほどの席はほぼ一杯。「つくしうどん」をたのもうとするが
配膳待ち客の多いのと草餅が目に入り、予定変更。会計のついでにしっかり烏ヶ岳の
案内地図「ナナマツの森 散策マップ」のパンフレットをもらう。(^^)v
 駐車場の車に戻り、野趣香る草餅をほうばりながら支度をする。晴天。
木器から望む  
木器からトンガリの行者山を見る 
【上槻瀬砦】 ススキも黄色に枯れた田圃の中を山裾の集落に向かって歩く。
突き当たりにまだ新しい道標があって左右と前方を指す。真っ直ぐに山に入る。妙見
山と言う名であるが、お宮の名前のようである。イノシシ除けか、膝までの電気柵が
張りめぐされているのを跨いで雑木林へと入る。葉が落ちて明るい。落ち葉はかさか
さと鳴り、滑りやすい。時折現れる木の階段で道は判るが、葉っぱで地面は見えない。
 人の声がかすかに聞こえ3人の熟年組が下りてきた。今日会ったのはこの人達だけ
だった。左に巻くようになると程なくお社の裏手に着く。ここが妙見山らしい。
素朴だ。
 砦跡の方へ登る。落ち葉で滑りやすいため、少々しんどい。すぐに説明板が出てき
た。砦は室町から戦国時代の頃のものらしい。さらに先に行くと、ひと抱えを超える
岩がゴロゴロ無造作に置いてあるという感じ。疎林の日溜まりが暖かい。すでにハイ
キングルートから逸れてしまったが、このまま標高260m程の小ピークを尾根なりに乗
り越えて、福谷道に出合う。古い墓地のある鞍部である。
ひだまり  
砦跡に近いひだまりの林 
【昭和池】 鞍部を左に取り、まもなくせせらぎの音が聞こえて来る。小寒い昼下が
りの日差しを照り返すため池に着く。昭和池という。ここにも説明板。夏にはヒツジ
グサやオグラコウホネが咲くという。池の畔を左に曲がって、いよいよ登りかと、
気を引き締める。幅が1.5m程の良く整備された雑木の道である。ゆっくりとした登り。

【炭焼き窯跡】 左の谷に植林が出て、まもなく炭焼き窯跡。内壁がきれいに残って
いる。深山で見たものより小振り。内壁で、1.5m X 3m の楕円。
 さらに急になってきた道を登って、道が十字に交差する峠に辿り着く。ここは、真
面目に左の「展望所」に向かう。

【行者山】 階段の続く急登である。山麓から見上げたトンガリの斜面を登っている。
約70mを稼ぐ。久しぶりに登ったという実感を得る。頭上が明るくなると行者山ピーク
の分岐に到着。道標が親切なほどついている。立木が周りを薄く囲むが、冬枯れの為
おおむね360度の眺めが楽しめる。(と、いうことにしておきます。)
 すぐ隣りに、こっちへおいでと言わんばかりのピークが覗く。烏ヶ岳です。

【烏ヶ岳山頂】 階段のないふわふふわの道を下りて、登り返すと静かな山頂。
三等三角点がある。なかなか静かで良い。気づくまでに時間がかかったのだが、北に
峰ヶ畑の赤白電波塔と赤白鉄塔が見える。鉛色の雲が出ているが、そこだけスポット
ライトを浴びたように誘われる。そのすぐ右手の山の色が良い。ササかなぁ。
 ここも疎林越しに360度の眺めを楽しめる。浮いた感じの新しいベンチに腰を下ろす。
大舟山、五月山連山、やさしくなだらかな大峰山、六甲、有馬富士、千丈寺山、峰ヶ
畑とおなじみの顔。カップ麺ができたのですする。
 時季はずれのツツジが一株咲く。風が出てきた。木があるのでそれほど強くない。

【稜線道】 行者山ピークの分岐に戻って、かわいらしいお社の先に展望所がある。
説明板があるが、三田市の施設の名はあるも、山の名前は六甲のみ。対象が知れる。
 足下に注意しながら、つづら折れの急坂を下り、松の香る心地よい稜線道を歩く。
左に大船山、右に羽束山と、立ち木越しに眺めながらの快適な道である。

【虹の大船山を見る】 羽束山が山あい越しに見える展望ベンチにつく。説明板あり。
この辺りは松とモチツツジの二次林であるという。そうこうしていると、雲の切れ間
から漏れた西日が射して大船山に虹が架かった。なんとラッキーなことだろう。
デジカメでどこまで残せるか一抹の不安はあるが、数枚撮る。
 冬枯れの鋭鋒に日が射し、その上に薄い虹が里に下りたの図である。
初冬のつくしの里  
陽射しはもう西にかたぶく  (中央奥が羽束山) 
【つくしの里】 七々松新池、七々松中池を過ぎ、中池を半周回して行者山を仰ぎ見
る。つじつまを合わせるように晴れ間が広がってきた。
 妙見山の下で再び現れた電気柵を跨いで、里に出る。つくしの里とは、まさにその
名の通りの雰囲気漂う村である。素朴な薬師堂の前を通り、「つくしの里」駐車場に
到着。余韻を楽しみに、靴はそのままで施設に入る。客は誰もいない。生おかきと
松茸ご飯の素を買い、大船山を窓越しに見ながらコーヒーを飲む。ふぅぅっ。
 2時間程度の歩きだが見所多く、きつい登りもあり、なかなかの充実感。山を開放
して頂いた地元の方に感謝したい。先ほどの買い物はそのささやかなお礼も。(^^;


  烏ヶ岳について   

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1998.12.27. BY M.KANE