できたての伐採尾根から丹波・といし山          

 
伐採尾根からといし山
■目的地:といし山(595.0m) <山域:丹波 京都府京丹波町>
■2.5万図:胡麻
■日にち:2008年3月8日(土)
■天気:晴れのち曇り
■同行者:単独
■コースタイム:
  質美・水道施設 220m 発(11:05)〜林道「熊ヶ谷線」〜林道「日照東谷線」とりつき(11:30)〜334mP(11:45)〜
  Ca370m(11:55)〜510mPの南コブCa495m(12:15)〜Ca490mP(12:30)〜といし山(12:50-13:20)〜
  展望岩(13:30-13:40)〜鉱山跡(14:00)〜質美財産区直営林(14:10)〜林道「質美東谷線」〜林道「日照東谷線」〜
  林道「熊ヶ谷線」〜水道施設 着(15:20)

 先週眺めた姿のいい山、といし山。別名、質美富士。
春も少し進んできたので雪は少なくなっているだろう。先週は雪に懲りた。
南側からの尾根歩きも少し加えたアプローチを計画。余力があれば三峠山の尾根にも足を延ばしたい。
三峠山からといし山への尾根は南に櫛状の支尾根がいくつも派生し、それを取り巻くように林道が着いている。
林道の要所には林業目的以外の使用は許可を取るよう立て札がある。ということで、許可無しでろうろできない。
ましてどこでも駐めていいはずもない。
 
水道施設
 質美・下村集落から北に入って、393mPと317mPの間の谷あたりから尾根に取り付く予定。
地図では、317mPの南東端に建物マークがある。こんな所に何かなと現地で近づいてみると水道施設であった。
さらにその前は許してくれそうなスペースがある。ということでここに駐めて林道を歩き、
取り付きを探すことにする。既に11時を廻っている。またまた遅い出発になる。ということは無理せず
ショートコースに切替て、といし山に近い所を見つけよう。予定より東側の尾根、334mPを目指す。
一旦、南へ林道を戻って地図を見ながら、林道「日照東谷線」に入り取り付きを探す。ほとんどが足場のいい
雑木なので入れる所はどこでもあるのだが、作業道のようなものがあるかもしれないと思い、しばらく歩いてみる。

 そんな中、赤プラ杭とテープの着いた踏み跡があったので、ここから入ってみることにした。雑木に頻繁に
スプレーでマーキングがある。落ち葉が多いが何とか判る踏み跡を一汗かいて登っていくと、明るくなってきた。
何と東半分が最近伐採されたばかりの尾根である。おかげで谷を挟んで、冬枯れのといし山が大きく見渡せる。
その南側には山陰本線の通る谷の遙か向こうに愛宕山。ということはその手前が諸木山あたりか。
切られた雑木は惜しいが、この展望は爽快である。行く手の方からチェーンソーの音が聞こえるので、
今日も作業の真っ最中のようだ。
 
伐採尾根
 快適な伐採尾根歩きから急登に差し掛かる頃、作業中のおじさん達が昼ご飯前の様子。
挨拶をして行き先を告げるとすると、「といし山はとーいし。」と駄洒落と共に一緒に食べて行けと勧められる。
まだ取り付いたばかり、先があるのでありがたいが辞退した。「熊に気ぃつけぇよ」、「はーい」と鈴と一緒に応える。

 510mPへの急登は踏み跡が段々薄くなるが低い雑木に捉まりながら高度が上がり、眺めも開ける。
篠山方面の山が波打つ。左手の支尾根からの踏み跡と合流した後、510mPの南コブCa495mに到着。
ここはまだ雪が残っている。時間があればと思っていた三峠山方面は植林と雪の尾根なのであっさり却下。
実はその植林の先は雑木である。ただ、時間がないだけ。
東に下りていくとすぐに雪はなくなり、いい感じの雑木尾根。ただ、枝が多くて展望薄く赤テープも多い。

 Ca470mの小さなコブを乗り越えるとササが尾根を通せんぼ状態。背丈ほどのササヤブで私としては避けたいが
広い範囲で生えている。ヤブの薄い所を見定めて通過するが、ササの上に載った雪を踏み抜いたりして
意外と難渋する。5分もせず出られたが、案の定、スボンの裾には2,3のダニが付いていた。

 その先Ca490mPへは薄雪の上り。先週のツボ足行軍がまだ記憶に新しいが、ここはくるぶし程度。
赤いテープがひらりと舞う以外は何の変哲もないピーク。北の方も踏み跡がありそうな様子。
南に向いて下りると、冬枯れの雑木で覆われたといし山のピークはすぐそこである。
Ca515mの短い平坦からコブに乗ってみると、三角点のあるピークはもう一つ先だった。
その間は陥没したようにえぐれている。鉱山の面影を連想させる形である。西側から巻いて三角点ピークに到着。
 
といし山 山頂
 ここも残念ながら展望はない。静けさは十分だが。
目的地に着いたし、時々陽も射すので遅い昼とする。北の方に薄雪を被った長老ヶ岳が見える。枝で遮られて
うまく撮れなかった。先週、苦闘した空山の尾根もなんとか覗いている。
展望が薄いし仲間の無線も入らないので、南の明瞭な踏み跡を下りていく。少し西へ振る。この山のメインルートである。
木に掴まりながらカラカラの落ち葉斜面を下りると、ゴツゴツした枯山水のような岩がある。
南側の展望が開けるのでひと休み。東の端には空山の尾根がある。西は歩いてきた伐採尾根から山仕事の音。
そんな岩がいくつか出てきて立ち寄りながら下りていく。
 
展望岩から空山方面
 尾根が緩くなって松林に入る頃、左の東斜面を下るが次第に道が判らなくなった。下りるのには支障ないが、
山名の由来となっている鉱山跡に寄りたいのでしばし探してみる。雑木の藪を巻き気味に彷徨っていたら
崩れたトタン屋根が目に入る。近づいてみると鉱山跡。廃墟となっていて熊でも潜んでいそうな雰囲気。
恐る恐る近づいて、小さな軌道が入っている抗口を確認。トタン板で塞いであった。

 一応、二つめの目的地は達したのでゆるりと下りる。が、結構急になる。踏み跡不明瞭な斜面を枝に捉まりつつ
下りていくと植林の作業道に合う。谷に下りれば、「質美財産区直営林」の看板。
あとは細い沢沿いを下りていくと林道に辿り着く。地図で位置を確かめながら、スタートの水道施設へ戻った。
林道からはいくつか山へ入る踏み跡などがあるが、地元の方の財産なので無闇に入るわけには
いかないなと、入ってきた自分を棚に上げて思っている。尾根にいい雑木の残る静かな山でした。
 
水道施設から西も誘う


 といし山について 
 
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2008.5.11. BY M.KANE