茨木・多留見峠と冬晴れ展望鉄塔    

 
620mP東の鉄塔 (中央奥は地蔵山と愛宕山)
■目的地:多留見峠・620mP東の鉄塔   <山域:北摂 茨木市>
■日にち:2010年1月24日(日) 
■天気:晴れ
■同行者:単独
■コースタイム:
  上音羽の南 発(11:20)〜林道入口(11:25)〜多留見峠(11:45)〜620mP西の林道カーブで引き返し(12:10)〜
  赤白鉄塔#30(12:30-13:00)〜赤白鉄塔#29(13:10-13:20)〜赤白鉄塔#28(13:30-13:35)〜多留見峠(13:55)〜
  豊能町・木代の奥〜多留見峠(14:05)〜やまなみ自然歩道〜上音羽摩崖仏(14:35)〜上音羽口バス停〜
  上音羽南 着(15:05)

 先週の竜王山中腹から見た石堂ヶ岡の北に延びる尾根。帰宅して調べると茨木市のやまなみ自然歩道が通っている。
多留見峠の道標も府道脇に見た。なんとも気になる名前である。WEBで踏査レポートを調べると個人の報告は上位に
ほとんどなかった。10年ほど前の報告では、泉原からの登りは谷で薄暗い。展望は620mPの手前あたりで少し。
多留見峠までは舗装道。ということで、期待したほどではない感じ。

 当初予定は忍頂寺を発して東海自然歩道を泉原まで下り、やまなみ自然歩道で多留見峠、あわよくば上音羽から銭原も
廻ってと大盤振る舞いのコースを考えていた。しかし、舗装林道の谷歩きを避けることにした。上音羽南の林道口から
多留見峠を経て620mP、赤白鉄塔を巡って峠経由の上音羽に縮小しました。出だしが遅れてしまったのもあり、
泉原から登るよりも標高差が少ない楽な方にする。

 車で先週と同じ道で豊能へ。途中の土々呂見に新しいコンビニが開店していた。谷間の静かな里も都心をつなぐトンネルが
できる前後から徐々に変わりつつある。
 雲一つない青空の下、カラカラに乾いた冬枯れの雑木林がふわふわときれいに映える。上音羽を過ぎて下りになる府道の
右に林道が分岐し、緑色の標柱に多留見峠と記されてある。その下の府道膨らみに停めて出発。
 
林道入口からの鉄塔
 雲一つない青空は心地よいものだ。先ほどの林道入り口には大きなコナラの木がある。その先はずっとアスファルト。
資材置き場のような所もあって、とてもやまなみとは言いがたい。途中の林道分岐に自然歩道地図の看板があり、
ここはまっすぐの上り道。登り着いたところが多留見峠である。林道名は中里深谷線。
 
多留見峠
 林道はさらに登っているので峠といっても道標がないと判りにくい。620mPや林道の展望地を求めてさらに舗装道を上る。
北が開けてポンポン山から愛宕山、湯谷ヶ岳が見える所があったが、それ以外は目立った展望はなかった。
620mPの横を過ぎても、少し南に下りていってもみたが展望なし。あまり下がっても登り返すのがいやなので、適当に戻る。

 620mPの丘は植林で青々としている。その手前、往きで気づかなかった火の用心指標が金網フェンスのそばにある。
東の植林の中に巡視道らしき小道が吸い込まれていた。早速、鉄塔巡りに入ってみよう。地図の小さなコブCa600mに上る。
植林の中で薄暗いが、地道は足に心地よく、うれしくなってくる。別の鉄塔への分岐を見送って、南東へから東へと進む。
高度を下げてひと抱え以上の大岩の横を通る。巡視用の小さな鉄階段を過ぎると尾根が分かれる。左が明るい。
鉄塔下まではすぐである。
 
竜王山
 そんなに広くない斜面の敷地。大きな鉄塔の朱の足が遮るが、北から東に広がる眺めは、今までの舗装道歩きを忘れさせて
くれる素晴らしいものだった。東に延びる高圧線の下に竜王山、ポンポン山、その東に阿武山、若山。天王山はその影か。
北の方は愛宕山と地蔵山が並び、湯谷山、鴻応山。冬枯れの薄紫の山並みの上は真っ青な空。当然のごとく昼食の地にする。

 この鉄塔から見る西の620mPはやはり緑の植林である。ますます行かなくてもいいかと思う。
巡視道を戻って北隣の尾根にある鉄塔に向かう。ずっと植林で、時折イノシシの掘り起こしが目立つ。
こちらも鉄塔前に岩がある。切り開きが広くて眺めもいい。ゆっくり過ごすにはこちらが良さそうだ。
 巡視道を戻って上り返し、林道近くに遊歩道のような木の階段が緩い植林の谷を巻いている。たぶん、林道の北側に出る
だろうと歩いてみた。途中で谷を下りる分岐を右に見送ってまっすぐたどると往きに確認した林道脇の火の用心プレートに出る。

 もう一つ隣の鉄塔は620mPの北になる。林道を北へ下りてすぐに火の用心プレートがある。植林の斜面を巻くように登って
いき、雑木林との植生界にそって620mPへの踏み跡が有りそうだが、見向きもせずに巡視道をまっすぐ北へたどる。
鞍部近くで堀切のような小さい溝に架かる朽ちた木橋を過ぎて鉄塔下につく。谷の上に立つここはほとんど展望はない。
わずかに南に石堂ヶ岡方面のこぶがのぞく。ここから尾根を多留見峠へと下りていく踏み跡がないかと探してみたが
見あたらない。登ってきた斜面の巻き道でなく直接北東面を下りる小道がある。雑木林なのでこちらを採る。
鉄塔への給電線も布かれている。バイクの轍もある。尾根の方でゴソゴソと獣のような気配を感じたがわからなかった。
林道に出てしばらく下りれば多留見峠。
 
620mPの北鉄塔から妙見山
 やまなみ自然歩道は北東へ尾根に沿って延びる地道だが、尾根をまたぐ切り開きが本当の峠だろうと入ってみる。
すぐに西面に沿って北へ下る荒れた古道のようなものがあり、よく踏まれた道は左に逸れて西に向かう。おびただしい
不法投棄は目を覆いたくなる。薄いササの向こうに緩い雑木の谷が見えたので立ち寄った。本日一番の雑木林である。
ホッとする空間が植林を免れわずかに残っている。敷き詰まる落ち葉が西日を浴び、遠い昔はこの山もこんな林が
多かったのかもしれないと想像する。
 
多留見峠近くの雑木林
 山道に戻ってさらに西進すると雑木林に囲まれ、足下は落ち葉がつもり心地よい道になってきた。
林を抜けて視界が開けると休耕田の上に出る。妙見山方面が見える。さらに下りて行こうとしたが残念なことに柵があって
閉じられていた。仕方がないので峠に戻り、やまなみ自然歩道を辿って上音羽へ向かう。
 植林の中の道だが地道なので足に心地良い。次第に松の混じった雑木林となり間伐もされて明るい。
展望はないが明るい雰囲気がうれしい。茨木市が整備しているのだろうか。
 
心地よい自然歩道
 519m標高点付近のY字に分岐するところで廃車が土に埋もれていた。左に採って下りになる。掘れた細い道に倒木が多い。
日陰の暗い雰囲気。水面が不自然なため池があるなと思ったら凍っていた。程なく府道に出る。倶楽部前というバス停近く。
さらに北の谷へ下っていき、磨崖仏を見ていく。民家の横に小川を隔ててひっそりとした大岩。
その昔、苦しい現世から救ってほしいという願いを込めて彫ったのではないかと解説板に記されていた。
百年に一度の不景気と言われる今より、もっとつらい時代があったのかもしれない。
 
上音羽の磨崖仏
 小川に沿って音羽の谷を東進。銭谷への自然歩道から分かれて棚田の脇を歩く。土手に青い小さなオオイヌノフグリが
二輪咲いていた。その横でガサガサと音がしてびっくり。たぶん、カナヘビだろうが姿はわからなかった。まだ一月なのに
日向は暖かいものである。
 
オオイヌノフグリ
 民家の間を上って再び府道に出るとバス停上音羽口である。そのまま府道で車に戻る。
行く手には、今日立ち寄った赤白鉄塔が三基、高みに起立している。
府道横の廃棄物処理作業場では、廃屋の木材を大きな爪のクレーンでトラックに積んでいた。ドラム缶で燃える木が暖かそうだ。
お手軽コースに変更したつもりだが、結構足にきている。鈍ってきたかもしれない。
 車での帰路は忍頂寺から銭谷に廻って次の下見をしながら走る。余野から野間峠を越えて能勢に入り一庫ダムを通って帰宅。


      竜王山 [茨木市竜仙峡]について    

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2010.2.14. BY M.KANE