雪と青空と展望の高岳北尾根    

 
711mピークから深山を望む 
■目的地:高岳北尾根 大谷と711mピーク <山域:北摂・猪名川町>
■2.5万図:福住
■日にち:2003年2月7日(金)
■天気:晴れ
■同行者:単独
■コースタイム:

  杉生新田 発(11:25)〜大谷で昼食(12:00-12:15)〜北尾根〜711mピーク(13:15-13:45)〜
  北尾根〜杉生新田着(14:30)

 わずかな日本の休みに何処へ行こう。今日は丁度晴天になってわくわくして考えると
時間だけが過ぎていく。相変わらずの優柔不断。まずは雑木林でしょうとお気に入りの
高岳北尾根の大谷に落ち着く。今日こそは、かさこそと落ち葉を踏みしめてと思っていたら
西軽井沢バス停辺りから雪が残っている。前日に川西でもちらほらしていた奴なんだろう。
奥猪名健康サイト先で右折、窯元の近くでは日影の道が凍結していた。

 車から降りると南西に逆光霞む大野山、東に高岳から延びてきた北尾根が青空をバックに
冬枯れの屏風。436m標高点あたりの小川の脇から大谷へ入る。今日は大谷とその周りの
支尾根をぐるりと回ってみようかなとあやふやなスタート。堰堤を過ぎて最初の分岐を
前から気になる左手に歩いてみた。直ぐに支尾根を登る分岐がありその先は小さな社が
祀られている。一拝してさらに行くと薄い雪で覆われた踏み跡が沢に沿って登っている。
     
大谷入り口付近
 かなり荒れている。いよいよヤブになって
きたので元に引き返し、大谷を上る。林の間から射す日が白い林床に反射して清々しい。
葉のない木の陰がこちらへ集まる。最初ここへ来た時は落ち葉で感激したが、この白い
雪の雑木林もまた良いものである。脇道はいろいろあるが左手の沢に架かる朽ちた木橋を
渡って巡視道を辿る。南面で雪が解け、かさかさした落ち葉の道となる。支尾根を巻いて
しばらくすると人の声。高圧線の作業のようだ。平日だからねぇ。避けるように林の中を
トラバースして大谷へ戻る。なんともふらふらとした歩きだことか。
     
雪の大谷
 何の跡も付いていない白い雪。その薄く被った道を踏みしめて谷を行けば正午のサイレン
が聞こえてきた。まだ歩いて30分も経っていないが、南の斜面の落ち葉の上でラーメンに
しよう。先ほどの作業も昼休みなのか静かになった。これこれ、この雰囲気に浸りに
来たんだよねぇ。コーヒーは後の楽しみにして早々と歩き始める。相変わらず無垢の雪が
続く。谷の歩きだが見上げる青空に枯れた樹冠は抜けるような開放感を与えてくれる。
この明るい林は何だ。
     
林の青空
 谷を詰めて北尾根に上がるルートは以前のオフで歩いたので、その手前の谷から支尾根に
取り付くことにした。幹に掴まって斜面を登ると小広い台地状の谷。ここもなかなかいい
感じ。明るい。デジカメの電池がなくなったので交換。静か。また少し急な斜面を登れば
支尾根の背に出た。なんと新しい足跡が雪の上に付いているではないか。先ほどの作業の
人らしい。北尾根へ向けて歩く。今までがまっさらの雪だったのでただ歩くのみ。こんな
所でこんなにたくさんの足跡とは。北尾根に出ても黒いネット脇に足跡は続く。しばらく
すると前に歩く人がいた。これら足跡の本人のようだ。お互い軽く会釈する。
     
665mピーク付近の鉄塔から北望
 665mピークあたりで西へ向かう支尾根の先に鉄塔がある。切り開いて明るいのでちょっと
寄ってみた。鉄塔の下から見ると以前に増して電線が浮遊しているのに気づく。北尾根は
電線の網を被されたようで残念。西に大野山も横たわる。ここから南に711mピークと
おぼしき支尾根のピークが横たわって見える。そうだなぁ、久しぶりにあそこの眺めを
楽しもうか。やっと今日の目的地が決まったようだ。
大谷の薄い踏み跡に比べると北尾根の道は大通りのようだ。増して今日は足跡の付いた雪で
覆われている。それでも雪の解けた部分は落ち葉に覆われてなかなか良い。
枝の間から覗く深山や剣尾山も楽しみながらの快適な歩き。

 見覚えのある大きな岩が雪を被っている。これに乗れば剣尾山が直ぐそこに見えること
だろう。ここから西の谷へ下り巡視道の鉄橋を渡って急登になる。この今日一番の上りは
雪を被った巡視道の階段道である。滑らないようにゆっくり登りきると鉄塔の下に出る。
ここから深山がよく見える。711mピークへはさらに北西に小さな釣り尾根を上り返す。
道の前に明け広がる青空がだんだん大きくなってくる様は、期待に十分堪えうる展望がある
からこそ子供のようにわくわく嬉しくなる。
     
711mピーク直前
 以前と同じ切り開きのピークに立つと南の高岳から西の大野山、北の弥十郎から深山と
贅沢な眺めを欲しいままにできる。ストーブに火を点けてコーヒーのお湯を沸かす。
お湯ができる間にまた眺める。大野山の右肩奥に見える山はなんだろう。白髪岳かな。
青空に秋のようなすじ雲が線を描いている。いい天気に感謝です。
深山の手前には馬酔木の木が赤いつぼみを付けている。ちゃんと春の準備は進んでいた。
     
大谷南の支尾根の道
 帰りは来た道を戻る。大谷の南の支尾根を辿ってみたが歩きにくいことはないが
特にこれと感じることの少ない尾根道だ。二度目の大き目な鞍部(約525m)でここと決めて
右手の大谷方面に向けて小さな谷を下りていくと丁度朽ちた木橋の辺りに合流できた。
堰堤の手前でいつも芝を集めているおばあさんと会った。「いい天気ですねぇ。」
 ほんとにいい天気、良い山だった。
     
堰堤付近から奥山


      高岳について   

      山のリストへ  / ホームページへもどる


2003.2.16. BY M.KANE