早春の千ヶ峰周遊 山行記


 良い山でした。一般的な三谷コースで登り、稜線を歩く市原コースから下りました。
この稜線からの眺めはなかなかで、天気が良ければ最高だったことでしょう。
 ただ、今日は、はっきり言って疲れました。(^^; 
山頂で市原コースにルートを変更し、回周して車デポ地まで登り直したのです。
そうは言っても稜線の素晴らしさを知ることができて良かったです。
千ヶ峰は市原コースがお奨め。(^^)v
 
 
    市原コースから望む山頂
               97.3.21. 
 

■5万図:生野
■日にち:97年3月21日(金) 
■天気:曇り後雨  
■同行者:単独
■コースタイム:

  自宅発(7:00)〜三谷登山口着(9:05)

  三谷登山口[約410m]発(9:15)〜雄滝・雌滝(9:25)〜岩座神コースと合流(9:55)〜
  山頂[1005m](10:15-10:50)〜市原コース〜北東稜でスケッチ[約850m](11:00-11:15)〜
  東の展望岩(11:25)〜もう一つ東の展望岩(11:30)〜市原峠(11:40)〜
  地蔵さんの水・二本杉(11:45)〜舗装道終点(11:50)〜こはる公園(12:35)〜

  市原公会堂(12:50)〜三谷登山口着(13:55)〜自宅(16:15)

  歩行時間:4時間 歩行距離:約13km 累積標高差:約850m


【三谷登山口】 篠山からJR線とほぼ併走して中町に入り、順調に加美町に着く。
R472沿いに登山口の案内板が出ているのでわかりやすい。岩座神口をやり過ごして
三谷口で山に向かい、季節はずれでひっそりした農林業公園「ハーモニー・パーク」
の中を縫うようにして三谷登山口に着く。トイレと20台ほどの駐車スペースあり。
昨日は満車状態だったかもしれないが、今日は私の一台だけだ。周りはそそり立つ
ような尾根を植林の深緑が覆う。

【雄滝】 出発からずっと雪解け水の豊かな沢沿いを登る。10分くらいで雄滝・雌滝
に着く。雌滝は一枚岩の上をなめらかに落ちる。雄滝はその上流に高さ10m位。
新緑や紅葉の頃はさぞかし良いものかなと、想像しながら写真を撮る。
 植林の中、岩ゴツの登りが続く。沢沿いに名もない小滝が沢山有る。雄滝から10分
で、沢を横切る中庭風の所に着き、奥に二筋の可愛い滝があった。小休止。

【直登】 やがて、沢から離れて、ヒノキの若い植林帯に差し掛かる。この辺にな
ってやっと振り返れば、景色が見え隠れするようになる。このコース、ほぼ直登であ
る。丸太の階段を登る。上にうぐいすの声、下に沢音。
 岩座神コースと合流し、もうすぐ山頂かなと楽しみに登る。ありゃ? 山道のはるか
向こうにドームが顔を出す。まだまだだぁ。やはり、北摂とはスケールが違う。(^^;
脇は自然林になって良い道だ。

【山頂】 黒い土が少し柔らかい。丸太階段をえいっと登れば山頂。誰もいない。
足元は少し乾いたたんぼ状態。大江山を鋭くしたような稜線が続く。山頂標石の上面
に方位盤があり、氷ノ山方面は山並みが続くが霞の向こうでよくわからない。
段ヶ峰は地図でわかった。笠形山もあいにく霞の中。幸いガスは無いので近くの山や
下の家並みは良く見える。
 二等三角点を過ぎて南西にちょっと行ったところに腰を落ち着けられる岩があった。
ここでおにぎり二つ。直登1時間のため、久しぶりに大汗をかいた。少し冷える。
笹影には雪が残っている。

【作畑コース?】 予定では、南西稜線から岩座神に下りるつもりだ。笹の道を少し
下りると、植林に入りまた笹に出た。が、背丈ほどもあるヤブになっている。足元は
踏み跡があるがこれをあの峰までやるのかと考えると気が萎えて引き返す。植林の中
に迂回路が無いかなと探す。踏み跡をたどる。古い朽ちた道標があり、登る人は少な
い道のような雰囲気だ。ちょっと待った。コンパスで確認すると真西に向いている。
これは、ひょっとするとたにけいさんが登った作畑からのコースかもしれん。

【市原コース北東稜】  初めての山なので大事をとり、引き返して山頂に戻る。
山頂の道標は、三谷・岩座神コースの東と北東の市原コースしか差していない。整備
されている道はそれだけということだろう。三谷口に車を置いているが、市原コース
の稜線歩きはそそられるものがある。地図を見ると周回するとしても、2時間余分に
歩けばなんとかなる。実は笠形山も続いて予定したいたが、雲行きも芳しくないので
この山を満喫しよう! ということで、予定変更。
 山頂から稜線を見ながら一気に下る。約850m位のこぶで振り返った千ヶ峰の姿が
実に素晴らしい。最近少しご無沙汰だが、スケッチに書きとめたくなった。三谷コー
スは直登なので、自身が登る山の形が分かりにくい。このコースは山頂を眺めながら
そして、周りの山々を眺めながら登れる。ダラダラしてしんどいかもしれないが、
このルートこそメインにするべきだと思った。

【展望岩から鹿】 所々雑木が景色を遮る稜線道。東斜面に突き出た岩が2ヶ所有り、
どちらも笹の中に道がついている。そこに立つと篠ヶ峰はじめ東の展望がいい。
うぐいすの声がどこからともなく聞こえてくる。二つ目の展望岩に立ったとき、下の
笹の斜面でガサガサと音がした。何と白い尻の鹿が一頭、跳んでいった。これはこれ
は、いいおみやげになった。北東にそびえる928m峰の眺めもいい。

【地蔵さんの水】 約30分の稜線歩きも市原峠の道標で終わり、東に下る。
この分岐から先の稜線にはかすかな踏み跡があるも、やはりヤブのようである。
大きなヒノキの植林帯の中を下ると「地蔵さんの水」という立て札があり、小さな
湧き水が出ている。その次には立派な祠の中にお地蔵さんが居て、その前に2本の
ちょっと大きな杉が立つ「二本杉」。変化のない植林道でホッとさせてくれる。

【旧道?】 舗装林道終点に着く。三谷登山口と同じ兵庫県の立て札が立っているので
ここに車を停めて登るのだろう。駐車は5台位可。左手の植林帯の中に地道がある。
兵庫登山会の道標が、市原コースの中間地点であることを示している。この地道を
下りる。間伐材が沢山倒れて道を塞ぎ、歩きにくい。あげくに道を外れてしまった。
ウロウロ下りたら左手に沢があり、ここに沿ってまともな道が下っている。ゴロゴロ
石が多く。行き来は少ないようだ。20分程で別の林道終点に出た。ここも5台位可。
右手に堰堤がある。コンクリート舗装道を下りる。何度か分岐があるが、道なりに
下りていく。このへんの植林地には地名があるようで、道脇に白い立て札がある。
「古屋敷」「太尾」「長谷」「北山」「矢頭」「広芝」。広芝が下方なので、逆に
辿ればさっきの登山口に着く。広芝の近くにはトイレがあり、兵庫県の立て札のあっ
た舗装林道終点とはここで合流している。記念碑がある。私設林道西山線開通記念。
 老人会の「千峰窯」もある。植林帯を両側に舗装道をぶらぶら歩く。

【こはる公園】 明るくなって民家が見えてくると、かわいい公園があった。
「小春さんは小さい時に喜十郎の養子になり、大変な孝行者で、各方面から表彰され
た。今、有志で彼女のために畠を買い孝行畠として後世に伝える。云々。」とある。
この側を山から湧き出た水がとうとうと流れている。

【春のあぜ道】 土手にオオイヌノフグリの青い小さな花が咲き乱れている。
ナズナの白い花もある。市原公会堂というちょっとしゃれた建物の前を通る。
左前方篠ヶ峰の手前に、ずんぐり富士のような794.2m峰がでーんと聳えている。
 R472に近づくと熊野神社の鎮守の森があって、道脇に登山口案内板。目指す三谷口
へは反対の「ハーモニー・パーク」の案内板の方である。トホホ。これから登り返す
のは気が重いなぁ。自分で決めたことだから、仕方ないが。
 薄日が射すとあぜ道は春の香りがして来るようだ。三谷には古墳群があるらしい。
横穴式で詳細は未調査とある。

【雨、本降り】 雨は、稜線でもポツリとあったが、ずっと保ってくれた。靴擦れの
ような左足をかばいながら、「ハーモニー・パーク」の手前まで来た。堰堤の上で
一休み。おにぎりとお茶。分岐した林道入口に立て札がある。「ハンターの方へ」
ハンターも入る山なのだ。林道作業中の者もいるので注意としてある。ハイカーだけ
が危険ではないようだ。三谷川は親水公園の工事中。その上には完成した公園があっ
たが、湧き水などで完成時の姿から少し変わってきている。たとえ人が手を入れても
自然が抵抗して、元に戻ろうとしているように見えた。
 「ハーモニー・パーク」を横目にもうすぐで車というところで、雨が本降りに
なりそうである。ぎりぎりセーフ。車内に滑り込む。他に1台停まっている。
この車の人は今頃山中で濡れているのかなぁ。

【妙見山】 林道で尾根をひとつ超えて、岩座神に入る。山頂方向を見上げると、
山上はガスが煙ってきている。
 播州の妙見山の姿を愛でながら帰路を行く。山南町ではもう一つの妙見山がガスに
隠れていた。この付近は北摂よりも大きな山が沢山あって、日本中山だらけだなぁと
ひとり感心しながら行く。どこかで温泉でもと思っていたが、とうとうそのままで
家に着いてしまった。

 千ヶ峰について    

 山のリストへ  / ホームページへもどる


1997.3.23. BY M.KANE