猪の楽園・名月峠南の竜王山     

下田尻からの竜王山
下田尻から見上げる竜王山 
■目的地:竜王山(462.0m)<山域:北摂・能勢町>
■日にち:1999年12月27日(月)
■天気:晴れ 暖かい
■同行者:単独
■コースタイム:
  能勢町 下田尻 中村の南西 発 [約190m](13:45)〜電柱「坂井8」(13:55)〜
  伐採地の下(14:25)〜南のコブ [約455m](14:50)〜山頂(15:05-15:10)〜
  破線道の峠 [約452m](15:20)〜名月台住宅地上の水道施設 [約340m](15:35)〜
  下田尻中村の南西 着(16:00)

【竜王山】 北摂に竜王山と名の付く山(山のリスト参照)は、私が知っている所で4
つある。ただ、どの山も山頂からの展望は期待薄で、茨木市の竜王山を除いてヤブ山。
そのうち未だ登っていない能勢町名月峠南の山へ行ってみました。昨日と一転の快晴。
 なお、この山は留め山との話もあるし、イノシシがおり、ハンターも入るそうなの
で充分確認の上、注意して歩いて下さい。
タンポポ  
道脇のタンポポ 
【陽気】 民家脇のあぜ道日なたに季節はずれのタンポポが咲く。それが似合うほど
のぽかぽか陽気である。中村から坂井峠へゆっくりと登る幅4m程の舗装道に出る。
直ぐに立つ電柱「坂井8 野間中130L8」から山の方へあぜ道を登る。
 わずかに残った柿の実が青空に映える。右手に栗林があり、そちらが歩き易そうだ
が勝手に畑に入ると怒られるので、枯れ草で覆われたあぜ道をクネクネとさらに山の
方へ行く。

【ヤブのみち】 杉林に入って、左手(南側)へ巻きながら歩き、雑木林との境目を
直登していく。落ち葉の林となる。斜めに差す陽は陰りの様相。廃道の様なくぼみが
あり、南へ辿ればササヤブになる。さらに行くと先はずっと水平についている様子。
されば、廃道を外して登りにかかる。2.5万図「妙見山」でいうとたぶん、山頂の南の
標高約295mにある堰堤マークの北東にある小さな尾根あたりと思われる。
となり尾根  
伐採地からとなり尾根を見る 
【展望の伐採地】 しばらくは植林の中を登るが、やが頭上が開けて明るい雑木林に
なる。足元は小さな露岩。南側は開けた伐採地で向かいの尾根の林に暖かい陽光が射
す。さらに登ると伐採地となり膝ほどのササヤブ。東の展望が広がる。歌垣山は林越
し。妙見山も顔を出す。いつもと違って見える山容が楽しい。葉を落とした木が青空
に伸びる。小坂峠の方は何やら工事をしている様子だ。
妙見山  
伐採地からの妙見山 
【緩い雑木林】 伐採地の上は雑木林の緩い登りとなり、踏み跡らしい歩きやすい林
の中を行く。やがて初めて道らしい道に出合う。右に行ってみるが下り加減なので
引き返す。下りの先には白い紐が張ってあったのでマッタケ山のようだ。
 のっぺりとして薄暗い雑木林の中は方角が判らなくなってしまう。イノシシの掘り
返しがヤケにおびただしい。薄暗い中のこの光景は不気味である。万一もあるので身
構えながら歩く。

【ピーク】 明瞭な薄暗い道の脇に小さな祠がある。龍神さんだろうか。さらに行く
と林の中の3畳程の広場になった。ここが山頂かとまわりを見ると一番高そう。
でも三角点はない。地図と磁石を出してうろうろするが見あたらない。
 これは間違えているなと、薄暗い踏み跡を辿ると緩く下ってまた緩く登る。鞍部あ
たりに花崗岩の何も彫ってない石柱などがある。さらに行けば明るくなって三角点が
地味に居座る。完璧な林の中である。磁石で方角を確認しながらぼうぼうと立つ林
越しに山座同定。かろうじて剣尾山の形が判る。妙見山や三草山はほとんど隠れて
いる。山名板もさすがに見あたらず、やっと山名が判る古いものが一枚のみ。
三角点  
三角点は林の中 
【古道】 昼下がりの出発に加えて、ヤブの登りと三角点探しで時間がかかったので
ゆっくりできない。薄暗い林もあるので早めに下りよう。
 地図上の約445m鞍部を過ぎて破線道の通る気持ちだけの鞍部に着く。左手にハッキ
リとした下り道がある。方角を確認して、これが北東の名月台へ下りる道と判断。
往きの道も行ってみたいが、ここを下りよう。倒木が多い。薄暗い。廃道に近い。
 しかし、すぐに明るくなり苔むした小石に落ち葉の楽園のような所になった。人
が入らない分、かろうじて自然が残っている感じで嬉しい。
落ち葉の楽園  
小石と落ち葉の楽園 
【ササヤブ】 旧道は背を越えるササヤブの中のようだが、その縁を伝って下りてい
くと、ササヤブの中に入っていくようなハッキリとした道がある。そうして、名月台
住宅地上の水道施設が見えてきた。ここにも白い紐が張ってあり、一部ちぎれていた。
その脇のササヤブにもう一つ道があり、駐車場のようなところに出た。住宅地の最上
部である。おとなしい犬がずっとこちらをうかがう。

【無知】 落ち葉を落として歩き出すとおばさんがおられた。「平通からきたん?」
「いいえ、下田尻から...」と言いながら、ここも下田尻だったことに気付く。
「よう歩いたもんやねぇ。」とあきれ顔。「イノシシがおるでぇ、鹿もおるし、犬を
連れたハンターも入りなさる。」 そんな話を聞くと、知らないと言うことは怖いも
のだと、改めて無知の恐ろしさを知る。
西陽  
野間川で見た西陽 
【西陽】 角を曲がると、眼前に歌垣山が西陽を受けて大きく翼を広げて待っていた。
後は住宅地の中を下りて行くが、飼い犬が多くてずっと吠えられっぱなし。老人ホー
ムの前を通り、長久寺という立派なお寺の前に出、派出所のある府道にでた。
 府道を南へ歩くと西陽が眩しく、暮れゆく年と重なる。今年もよく歩いたなと感慨
に浸りながら愛車へと辿り着く。十倉で「秋鹿」を求めて家路に向かう。

  名月峠南の竜王山について   

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2000.1.1. BY M.KANE