アオモジ光る大船山     

アオモジ  
山道で出会ったアオモジの花 
■目的地:大船山(653.1m)<山域:北摂・三田市>
■2.5万図:木津
■日にち:2001年3月24日(土)
■天気:晴れ
■同行者:裕太(8才)
■コースタイム:

  十倉 発(11:00)〜上の池(11:20-11:50)〜大磯への鞍部(12:20)〜
  山頂(13:05-13:50)〜大磯への鞍部(14:25)〜十倉 着(15:10)

【はるかすみ】 春らしいおぼろの霞ががかっている。黄砂かもしれない。
今日は久しぶりに末っ子の裕太と登る。これまた久しぶりの大船山。猪名川から三田へ
入り、羽束山を過ぎてはたと気が付く。引き返して木器へ北上、田園の中から鋭鋒が
現れた。十倉に着くとうつらうつらしていた裕太を起こして身支度。
大船山  
木器からの大船山 
【里】 ぽかぽか里を東へ歩く。側溝には山からの水が流れ、オオイヌノフグリの
小さな青が満開。裕太はさっそくカニを見つけたようだ。冬を休んだ田には薄白いもやの
ように一面のなずな。
 今日は山の方からせわしない音。道の横に「米山大池復旧工事」の看板。
右手に立ち上がる雄姿に来たよ、と無言のつぶやき。

【池】 舗装道の先はひなびた林道になるのだが、幅広に切り開かれてその姿はない。
赤裸の道を歩くと水を抜いた大池で工事が進んでいる。車両を入れるための拡幅。
工事車両の脇を過ぎると懐かしい細い林道から二の池の土手が霞んだ青空と出てくる。
裕太は駆け上がって瑠璃色の水面を見つめる。まだ生き物の気配はない。
 さらに歩いて三の池。来た来た。この池はいつ来てもほっとする。今日も春の日射しに
包まれている。裕太が腹減ったというので、昼前だが水辺に座って昼食。ウグイスが鳴く。
シジュウカラも鳴く。ぽかぽかとした静かな時間。大きなオタマジャクシが息継ぎに水面に
上がる。アメンボとミズスマシ。裕太はクモが泳いでいるというのだが。
三の池  
ため池から山道へ 
【谷道】 さてとまだ緒についたばかりで出来上がってしまったが、やっと登りに入るので
ある。植林の中をちろちろと流れる沢音を聞き、広めの山道を登って行くと次第に細くなり、
ベンチ二つの休憩ポイント。全部でベンチが四つあるうちの一つ目ね、と気休めになるかと
適当に教えていたら次のベンチまでがんばる様子。
 植林が雑木林に変わって明るくなる。咲き残ったツバキや春の陽に輝く黄金、アオモジ。
道がえぐれてきた。どうしてこうなるのという素朴な疑問。易しく説明する。苔むした倒木を
見ては、こうやって木は土になるんだよと、久しぶりの父子の時間を感じながら登っていく。

【登り】 大磯へ下りる峠に着いた。ベンチ二つ目。この山は剣尾山と同じで姿は良いが
山頂までほとんど展望がないのが残念。この峠から右折した登りもさらにえぐれた道になる。
ところが左の土手に新しい踏み跡ができている。かなり踏み込まれている。道の付け替えが
進んでいるのかもしれない。こんなに傾斜がきつかったかなぁ。植林の谷には苔むした岩が
あったり、大きな山桜があったり。久しく来ないと新鮮。
 この途中にベンチがあった。あれれ、波豆川への峠までないと思っていたらこんな所にも。
休憩。裕太はお茶をぐびぐびと飲む。右に大きく曲がって波豆川への峠。立派な道標が立てて
あり、ベンチと記帳箱もあった。さあ、ここから最後の登り。急登を覚悟。裕太は峠に置いて
あった杖を手にがんばる。しかし、なかなか着かないのでペースダウン。ご夫婦が下り、おば
さん3人組が下る。やっと旧大船寺の石垣跡が出てきた横に木組み。五つ目のベンチである。
この急登には助かる人も多いことだろう。

【頂き】 木陰の先に日射しが誘い裕太の足が速くなる。こぢんまりとした祠。霞を抜けて
下りてきた柔らかな陽。白い霞を背に羽束山が浮かんでいる。眺めは近くの山々が霞んで見え
るのみ。遠望無し。ベンチに腰を下ろしてクッキー。無線機を出して聞く。低徘メンバの入感
なし。山ランの方が高槻・明神ヶ岳から出られていたので1st QSO。
大野山  
大野山の稜線がかすむ 
【下り】 裕太は退屈そうなので景色をひと通り撮って下りる。林の中で木漏れ日にアオモジの
黄が浮き上がる。近くで鳥の声、枝に隠れて姿は見えず。
 下りは速い。斜面から伸びる枝が青空に。ツバキの落花。植林の中からため池の青。やっぱり
ため池に着くとほっとする。別の時間が流れているようだ。
 里に出ると庭先の白梅に青空。立ち上がる山。側溝のカニ。のんびりとした春の一日でした。

 大船山について   

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2001.4.4. BY M.KANE