真夏の東大台ヶ原 山行記


 涼しい遊歩道での 
   爽やかな葉っぱたち
 
          1997.7.14. 
 
 
 
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      (260KB/6葉)
■目的地:日出ヶ岳(1694.9m)・大蛇クラ
■日にち:1997年7月14日(月)
■天気:晴れ時々曇り
■同行者:単独
■コースタイム:
  自宅発(7:15)〜(用事一件)〜名神豊中IC(9:40)〜大台 駐車場(13:15)着

  駐車場発[約1575m](13:40)〜日出ヶ岳(14:10-14:40)〜正木嶺(14:50)〜
  正木ヶ原(15:10)〜尾鷲辻(15:25)〜牛石が原(15:40)〜大蛇クラ(15:55-16:15)〜
  尾鷲辻(16:30)〜駐車場(17:00)着

  大台 駐車場発(17:15)〜行者還トンネル西口(18:30)〜下市口駅(20:15)〜
  西名阪郡山IC(21:10)〜池田で渋滞〜自宅着(22:45)

【大雨の後】 梅雨の晴れ間になりましたので、東大台ヶ原の散歩に行きました。
この二・三日は記録的な大雨。鹿児島の出水市での土砂崩れや我が家からひと山越
えた宝塚市でも被害があった。そんな中、代休の7/14は予報では晴れ。前日までの
雨からすると山行は控えるべきかと思うが、この日しかないと迷った上で決行。

【大台への道】 去年の大普賢オフでPLUTOさんに教えてもらったルートで向かうが
名阪国道の高峰あたりで工事による渋滞。名阪国道を下りたのは11:00。
 さらに、R169では大滝トンネルが工事で片側通行。5分以上の待ち。なつかしい
緑深く険しい山並みを見、長い大台ドライブウェイを経て、お昼もとっくに過ぎた
13時過ぎに駐車場着。予想以上にガラガラ。10台程、うちバス1台。

【涼しい散歩道】 売店で山菜うどんを食べて、早速出発。
国立公園だけあって遊歩道は完璧に整備されている感がある。この高度に加えて
林の中は自然の涼しさが実に心地よい。静かだ。しっとりとした苔が散りばめら
れている。ピロピロピロという鳥の声も良い。15年越しの夢に見た大台だ。
だんだんミヤコザサがはびこる。ときおり横ぎる沢の水が冷たい。バイケイソウの
群落もある。途中、2人とすれ違うのみ。予想以上に少ない人出。(^^;;
 やがて、石の階段になり、日出ヶ岳への登りにはいる。

【トンボの日出ヶ岳】 正木嶺への分岐を左に行くと、おおっと素晴らしいとしか
形容できない木の階段。去年、あきゆきさんが工事中と言われていたヤツだ。
とても秘境大台とはかけ離れてしまう。(遊歩道がすでにそうですが...)
レンジャーらしきおじさんが下りてきた。トンボが異様に多い。展望台に登ると
背後にオオカミ! かと思えば、黒いイヌが一匹と尾鷲方面を向いて兄さん一人。
 さて、大普賢を見ようかとする前に、いきなりシカが4頭。ササ原もあいまって
奈良公園かと錯覚してしまう。
 それにしても、まずまずの展望である。大峰方面は尖った行者還岳と釈迦ヶ岳、
大らかに横たう弥山・八剣山。予報通り尾鷲方面は雲がわき上がり、海は見えない。

【岩ゴロの道】 日出ヶ岳から真南はトウヒの目立つ正木嶺がのっぺりと居座る。
正木ヶ原に向けて自然林の中の岩ゴロの道を緩やかに登る。豪雨地だけあって
えぐれた道の岩いわは綺麗に水で洗い上げられた感じである。ここの自然林は植生が
全然違う。イタヤカエデが目に付く。やがて、トウヒが出てきて、いよいよ象徴的な
立ち枯れもある。モヤは全くないので、雑誌でよく見る写真とは少しイメージが違う。
下ってほんの少し登ると正木ヶ原。なんとシカが20頭ほどたむろしている。
完全に奈良公園である。バンビもいる。立ち枯れが多い。

【牛石が原】 尾鷲辻に着くとまた、迷いの虫が出てきた。大蛇クラに行くか、
帰るかである。帰りの時間を考えればこの辺で留めとくべきかと思った。
 と、その時、後ろからおばさん達の話し声が聞こえてきた。声に押されて大蛇
クラへ向かう。(^^;;; 途中の牛石が原は、広々としたササ原。とても1600mとは
思えない。だれがこんなにきれいに管理しとるんや!! それはシカさんでした。
ここにも20頭ほどが、ササを食べている。でも、古寺の庭園みたいないい所です。

【ササユリの力】 牛石が原を過ぎると林の中の分岐に着き、いよいよ大蛇クラへ。
花はとっくに過ぎたシャクナゲの道を進むと今までとは違う荒々しい断崖が顔を
出して来る。途中の大きな岩が大蛇クラかと勘違いして登る。谷の景色がすごい。
もっと前に道を辿っていくと。おおっ、これがあの大蛇クラか。びびる。(^^;;
 岩の周りにクサリの手摺りがつけられている。真っ直ぐ前を見てはとても進めな
いほど、聞きしにまさる所だ。足元を見て行くとなんとか前進できる。
 その時、左前方下の茂みにあの歌垣山で見たササユリが1輪可憐に咲いている。
昨日までの雨をよくもこんな所で耐えてきたなぁ、と俄然元気づけられる。
恐る恐る崖っぷちの先端まで出て見る。おおっ、あった。写真でよく見る岩峰。感激。
谷の景色も素晴らしい。中ノ滝と西ノ滝もしっかり見える。やっぱりすごい山だ。
それでもやっぱり、キン〇〇が縮こまる思いである。
 風が少しある。まだ行きたい山は沢山あるから、ここで谷に落ちるわけには
いかない。岩の根元に引き返して、滝見尾根のスケッチをする。この時に別の兄さんが
一人来たのみで、独り占め状態。
 帰りはシオカラ谷を敬遠して、楽な方の牛石が原から中道を通って駐車場に戻る。

【おっちゃん】 駐車場に着いたら17:00を過ぎている。もう売店も閉まっている。
自販機の缶コーヒーで一服。ベンチに座ってビジターセンターの上の正木嶺を眺め
ていると、カメラを持ったおっちゃんが来た。

 「バスが行ってもうたから、ここで泊まろうかと思うとるんや。」
 「どちらからですか?」
 「千里丘」
 「私は川西です。」
 「おや、わしも、前は川西におったで。」
 (私は、泊まるとは、テント泊だ勘違いしたので、)
 「よろしかったら、送りましょうか?」
 「ええんやろかぁ、ありがたいなぁ。近くの近鉄の駅でええよぉ。」

ということで、もともとトンネル西口も見ておきたかったので、下市口駅まで
送っていくことにした。

【写真談議】 モヤに煙る正木が原を撮りに来たそうだが、あにはからんやの好天。
ネイチャー・フォトが趣味という。大台ドライブウェイからの大峰の景色が良いので、
数回車を停めて撮影。(^^;; 和佐又口に出たのが18:00。行者還トンネル西口を経て
やがて夕闇から夜道になり、下市口駅はなんと20:15着。その間、いろんな写真
コンテストに応募して多数受賞したこと。山の写真をとるんやったら、手始めは
Nicon F90と300X75mm?レンズが良い。ある百貨店で家具売場を担当していること。
近畿の山歩きの話など、道中、時間はかかったものの面白い話をたくさん聞けまし
た。オマケに謝礼まで。(^^;; ありがとうございました。
 朝日に輝く大台ということで、大台荘に泊まった方が彼のためだったかもしれな
いなぁ、と思いながら、腹一杯遊んで家路に向かいました。(^^)v


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1997.8.1. BY M.KANE