川西清和台から武田尾へ      

岩根山  
 岩根山を望む  (清和台中央から)  

■目的地:岩根山(342.1m)・鳥脇山(484.3m)・大峰山(552.4m)
                <山域:北摂・兵庫県川西市・宝塚市>
■2.5万図:広根・武田尾
■日にち:1999年2月21日(日) 
■天気:晴れ時々雪 少し寒い
■同行者:単独
■コースタイム: 

  清和台中央バス停 発(11:55)〜岩根山(12:30)〜林道合流(12:40)〜
  巡視道No.59へ(12:55)〜鳥脇山(13:10)〜榎峠(13:25)〜十万辻トンネル〜
  渋谷・大峰山登山口の13:45)〜十万辻トンネル西の登山口手前(13:55)〜
  大峰山頂東側送電線西・標高約400m谷(14:15-14:30)〜大峰山南東標高約400m径〜
  峠[465.0mピークと大峰山との鞍部](14:45)〜大峰山山頂(15:00)〜
  廃線跡(15:40)〜JR武田尾駅 着(16:00) 
          JR武田尾駅(16:09)=電車=JR川西池田駅(16:30) \230

【私的縦走】 前から歩こうと計画しつつ、展望は期待できない歩きのため、延ばし
延ばしにしていた。しかし、地元の回覧板に清和台住宅西の鳥脇山周辺で猟銃による
イノシシ駆除が2/27〜3/28実施されるようである。猟期は2/15まで。ということは、
今日をはずすと4月まで行けない。早出をすべき距離かも知れないが、通過する3つ
の山頂とも、それぞれ個別で登ったことがあるので何とかなろうと遅すぎる出発。
赤松からの眺め  
 赤松からの眺め  (中央少し左奥が妙見山)  
【岩根山】 自宅から歩いて出発する山歩きは久々である。近所のバス停で10分程の
待ち時間。やっと来たバスはガラガラ。今まで乗ったことのないバス車窓から見える
妙見山や五月山連山が、晴天に冬枯れのたたずまいで並ぶ。
 清和台中央バス停到着。ここから進行方向に少し歩いて左手に山が聳える。岩根山。
裏山の趣。水路伝いに住宅地から赤松地区の高原寺へ至る。心地よい北摂展望を得る。
今日の歩きでは、ここと山頂下の展望岩が唯一の展望地であろう。
 荒れかけた分譲地の中の舗装道を登ると山径になる。ヤブになりかけの明瞭小径を
登って右に巻き道となりまた登る。やがて展望岩。縦5m横10m程。この上からは北摂の
山がほぼ見て取れる。明ヶ田尾山、妙見山、深山、剣尾山、高岳、三草山、大野山等。
 ここから山頂はすぐ、反射板と三角点があるが展望なし。一応、この先は初めての
径になるのでコンパスと地図で方向を確認して出発。
鳥脇山  
 岩根山から鳥脇山を望む   
【林道】 岩根山から西の尾根道は、ヤブも覚悟していたが、拍子抜けするほどの
ハッキリとした踏み跡が続く。赤松混じりの雑木林。松の木で薄暗いところもある。
脇道も散見され人里に近い山を感じる。10分も歩くと林道に飛び出る。北の見晴らし
が利く。一段と人の臭いを感じつつ林道伝いに西へ向かう。途中、ご夫婦とすれ違い
道を聞くもわからないという。鳥脇山への尾根を縫う林道を更に進んで関電巡視道の
標識が2本立っている。「No.59」の指す進行方向上りへ採る。ここから山径となる。

【鳥脇山】 二股を左に上ってMTBのタイヤ跡を辿るように登ると、鉄塔の下に出た。
送電線に沿って東が開けるが好きな眺めではない。この先は一段と良い感じの雑木林。
が、急登である。またしてもMTBタイヤ跡。少しうんざり。5分程あえいで平坦になる。
程なく山頂の三角点。テレビ中継施設が2つ。三角点がなければ山頂とは判りにくい。
 5年振りだ。以前のひっそりとした面影はなく、MTB銀座を感じる。島田さんから
教えてもらった西尾根への道を中継施設横に確認して、今日は南西の榎峠へ向かう。
こちらの道も見間違うほどの幅広と化し、往時の苔むした倒木など微塵もない。
 記憶が間違いかと疑いたくなるほど様子が変わっている。それでも良い林である。
途中に巡視道標識が右手の谷に向く所あり。後で地図を見たら、鳥脇集落へショート
カットできたのかも知れない。ここはパスしてブーンと唸る送電線の下を通ればほど
なく榎峠へ出る。

【車道】 榎峠を挟んでの向かいはゴルフ場。エアリア・マップ「北摂の山々」には
破線径がついていて、大峰山の東尾根に取り付けそうだがそんなに甘くなさそうだ。
 北西へ車道を歩き十万辻を目指す。ゴルフ場の中を通る金網トンネルには誰が載せ
たか合計12ヶのボールがあった。いつも車で通る道も違った発見があるというもの。
十万辻バス停で時刻表をメモして、更に車道を下る。せっかくなのでいつもと違う
渋谷の登山口から取り付くことにした。すぐ脇を走るバイクが五月蠅い。

【登山口】 この車道は十万道路というようだ。そんな看板があるのに初めて気づく。
渋谷の大峰山登山口は十万辻バス停から下るカーブを二つ目にあり、テープと朽ちた
プレートで判る。ここからは南斜面の登り。植林の中だが、心なしか明るい雰囲気だ。
バイクの音がだんだんと遠ざかっていく。ササが出てきて、いつも利用している十万
辻トンネル西の登山口手前に合流。ここからはいつもの径。だいぶ静か。
標高約400m径  日だまりの心地よい標高約400m径  
【標高約400m径】 やがて峠のような小鞍部。いつもはここから右へ急登の末、展望
鉄塔に向かう。車に戻る必要のない今日は、真っ直ぐと径なりに歩いてみよう。
 ほぼ水平の径だから、大峰山南東の中腹、標高約400mの辺りを西南西へ向かう。
南向きなので日だまりが心地よい。中山連山が立木越しに広がる。桜の木も見られる
ので、春が楽しみだ。送電線手前の谷の上へ微かな踏み跡あり、これが展望鉄塔へ
向かうのであろう。
 やがて左手に鉄塔も出てきてまた谷、ここの日だまりで遅い昼食にする。山頂まで
はとても保ちそうにない。陽射しは暖かそうだが、時折、はらりはらりと小雪が舞い
降りる。六甲から飛ばされて来たのだろうか。この谷の上にも踏み跡がある。

【キジと峠】 2.5万図でこの先を予測。大きく谷3つを巻いた頃には山頂に向かった
方が良さそうだ。食事を終えてまた歩く。5分後に「この先行き止まり 通り抜けで
きません」という小さなプレートがあり、尾根を降るような径が左に分岐している。
まあ、行き止まりなら山へ登ればいいと、さらに径なりに行く。かなり荒れた感じに
なってきて倒木出現。乗り越える。道幅もずいぶん細くなって谷側が抜けそうな所も
ある。足下注意。とは言っても、雑木林や植林が交互に現れる巻き道。
 右上の斜面でガサガサと落ち葉を鳴らして人が下りてくる気配。じっと目を凝らす。
突然、バタバタバタと大きな羽音。またガサガサ。赤と緑が見えた。雄のキジかなぁ。
 そうこうしていると尾根に沿うような緩い登りの末、峠に着く。兵庫山岳会の道標
があったので、465.0mピークと大峰山との鞍部とすぐに判明。ここから武田尾へ下り
られそうだが、今日は足も疲れているし危なそうなので、山頂に敬意を表して100mの
標高差を登り返す。

【大峰山】 山頂からの南尾根を登ることになる。テープ多し。足がしんどい。
やがてゆっくりになって山頂の東で東尾根道に合流。これで、東尾根道を歩いた時に
この径は何処へと疑問に思っていたのが晴れた。大収穫。ここから山頂は2分ほど。
 誰もいない山頂は、すっかり葉の落ちた立木で覆われて展望はほとんどない。前回
来たときよりも踏み荒らされ、ゴミも多いのが痛々しい。踏まれた所に去年の春は
スミレがたくさん咲いていたのだが、この春も咲いてくれるだろうか。
 雪で少し湿った径を武田尾目指して下りていく。時々MTBのタイヤ跡。この山も
かなりの人間を迎えるようになったようである。若葉の頃に蘇るのを期待したい。
西の展望岩からは、雪雲をうっすらかむった墨絵の裏六甲と西播州の山、北に大船山
まで見える。葉が落ちると一段と結構な展望地である。

【森林組合】 桜の園分岐には例のごとく伐採作業中のため桜の園への立ち入り禁止
(土日祝を除く)の看板。そして何と、3つのベンチができている。あらら、えらく俗
化してしまって。でも、この作業をしている人には罪はないかもなぁと思った。ここ
は桜の園には寄らずに真っ直ぐ行って、武庫川渓谷を見下ろしながら廃線跡へ急降下。
 途中にまた看板。加美町森林組合とある。おょっ、千ヶ峰の麓のあの加美町かなぁ。
季節はずれ、時間はずれで誰もいない廃線跡。短いトンネルも一人はチト心細い。

【武田尾】 誰もいない武庫川はせせらぎが心地よい。その昔はこんな音ばかりで
流れていたのだろう。人間が入ってどんどん浸食されてしまっていくようだ。小さな
鉄橋の手前に工事用の軽トラ。そして看板。例の伐採作業工事は98.9.2〜99.3.25.。
そして多可郡加美町森林組合とある。やはり。あんな所からわざわざ宝塚まで。県の
仕業であろう。
 廃線跡が終わってから駅までがえらく遠く感じた。ハイカーの姿は私一人。
ココアで暖まり、程なく京都行きの電車が来る。鉄橋のホームから冬枯れの大峰山へ
「またね。」と言ったか言わずか。今日もいい山でした。(^^)

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1999.2.27. BY M.KANE