奥箕面の周回山行記


  新しい年のスタートにふさわしく、東海自然歩道の出発点、
 箕面の山行記をアップします。
 

                  東海自然歩道
                  最勝ヶ峰まで広々とした道が続く。
                       96.12.14. 
 


■目的地:明田ヶ尾山(620m)  大阪府豊能町・箕面市
      鉢伏山(604m)・天上ヶ岳(520m)・最勝ヶ峰(540m)
                        以上、箕面市
■日にち:'96年12月14日(土)
■天気:晴れ時々曇り
■同行者:単独  
■コースタイム:

  自宅発(11:10)〜高山着(12:00)〜

  高山スタート [約450m](12:10)〜明ヶ田尾山(12:40-12:55)〜
  鉢伏山(13:30)〜明治記念の森公園(14:00)〜553.4mピーク〜
  政の茶屋への分岐(14:30)〜天上ヶ岳(14:45)〜
  政の茶屋[約300m](15:20)〜東海自然歩道起点(15:30)〜
  最勝ヶ峰(16:05)〜605mピーク(16:25)〜北摂霊園(16:35)〜
  高山着(17:20)

   歩行時間:4時間40分 歩行距離:約16km 累積標高差:約700m 

【未知の奥箕面】 私の北摂の山は、丹波国境に近い所ばかりでしたが、摂津国の
北部を考えると、ポピュラーな山々を見逃していました。...と言うか、ポピュラー過ぎて
気が進まなかったのです。それが箕面周辺であり、ポンポン山や中山です。
全く知らないでは話にならないので、いつか行こうと思うようになってきました。
 今日は晴天ながら、自宅から望む妙見山は霞んで見えます。高い所へ行っても、
展望は期待できそうにありません。それならということで、取りこぼしの明ヶ田尾山を
狙おうかなぁ。ついでに、前々から計画していた奥箕面周回ピークハント(自称)も
決行しようか。出遅れたのでちょっとしんどそうだが...結局行ってしまったのでした。(^^;

【高山から明ヶ田尾山】 大阪府豊能町の高山集落は、戦国大名・高山右近の出身地。
静かな山里である。公民館の駐車場に車を停めさせて頂き、出発。キリシタン禁止のお触れが
掲げられた高札場を過ぎ、路傍のおじいさんに登山口を尋ねる。「この谷を登るんやけど、
草が多いかもしれんで(藪こぎの格好)、気ぃつけてや。」と言うことだ。民家の間を
通って杉林に林道が入っている。途中で山道になるが、尾根まで明瞭。尾根との出合いに
道標あり。右に取り、広々とした台地状の雑木林を落ち葉を踏んで歩く。山頂着。
 明るい林で展望なし。左手(西)からおじいさんが来た。「この下の赤白ポールの
とこはちょっとだけ開けとるよ。」行ってみると、なるほど、高代寺山が見える。
山頂に戻って、おにぎり二つと野菜ジュース。先を急いで、来た道を引き返す。
別のおじさんとすれ違った。結構、人気があるのかなぁ。

【鉢伏山への道】 高山からの出合いを通り過ぎて明るい尾根道を行く。やがて左に杉林を下る。
地図では梅ヶ谷の源頭付近になる。目立つ道標が、右へ「鉢伏山」とある。
落ち葉を踏んでくねくねと登り返す。尾根道になって程なく、右手の無名ピークへ
踏み跡が伸びているので辿ってみた。明るい雑木林でなにもなし。元に戻り、再び尾根道を行く。
少し下ると背丈を超える笹道が10mくらい続く。道ははっきりしているが、
夏はたまらないかもしれないなぁ。高山のおじいさんが言っていたのはここの
ことだろうか。
 緩い登りの先にまた背丈ほどの笹。これを抜けると見覚えのある鉢伏山のカヤトの
原っぱに出た。原っぱは送電線巡視用で伐採してあるものだろう。鉄塔下でわずかな
景色を楽しむ。西南には霞んだ川西市街が、東の鉄塔からは北摂霊園が見える。

【天上ヶ岳への道】 鉢伏山の展望は2年前と同じだし、次を急ぐ。「五月山」の
道標に従って、またも背丈を越す笹道に突入。すぐに低い笹に変わり、雑木林の中を
明治記念の森公園に向けて下っていく。公園に入る。芝生広場は季節外れのためか10人ほどだけ。
この公園の名物は櫓式の展望台だ。登ってみると今日は、最上階はアベック1組に
占領されていた。(^^;; 霞で展望もいまいちだ。長居は無用。
 ここで14:00。本来ならば引き返すべきだが、どうしても天上ヶ岳へ行ってみたい。
理性が負けてしまって、車デポ地と反対の南へ歩く。五月山ドライブウェイの延長上の
府道を歩き、送電線の通る553.4mピークへの巡視道があったので登る。あわよくば
天上ヶ岳への近道がないかなと思ったら、藪の中にそれらしい道が入っている。
しかし、ここは大事をとって府道に戻る。このピークの鉄塔下からの眺めはまずまずだった。
舗装道がカーブしたところで山側に道標があった。「政の茶屋」、「天上ヶ岳」と
それぞれが出ている。山道に入って10分程登ると分岐に「天上ヶ岳」の道標があり、
雑木林の中を下る。ほどなく役行者座像の後ろ姿が見えてくる。ここが天上ヶ岳。
山頂ではないが、展望台風である。
 南に箕面の滝方面の谷が霞んで墨絵のように見える。紅葉の頃はいい眺めだろうなぁ。

【東海自然歩道へ】 来てみたらこんなものかと思いつつ、来るところまで来たので
後は車に戻ればいい。谷道の車道を引き返すか、それとも計画の東海自然歩道から
最勝ヶ峰を回っていくか。...まずは政の茶屋へ急ごう。尾根筋の分岐まで戻り、
薄暗い植林の中を行くとすぐに右側が開けた。伐採してある。鉢伏山から箕面ダム湖に
せり出す553mピークの斜面が前方に見える。リスの尻尾を立てたような不思議な色の杉の木が数本、
山腹を飾っている。さらに行くと、また伐採地。今度は最勝ヶ峰への尾根が眺められる。
(あんなとこまで登るんかぁ....) 戸惑いながら歩く。やがて雑木林の下り道となり
MTBを担いだ兄ちゃんとすれ違う。ご苦労さん。滝への分岐点では曲がらずに真っ直ぐに行く。
階段を下りると箕面川、そしてビジターセンターに着く。ベンチに掛けて帰路を思案する。
 車道をとぼとぼ歩くのはいやだし、東海自然歩道は整備されているであろうから
最勝ヶ峰を目指すことにする。もう、15:30だ。

【東海自然歩道から最勝ヶ峰】 東海自然歩道の立派な石柱を横目に再び登りにつく。
メジャーな道だけあって、広い!(道幅5m位)しかも、いきなりの急登。出だしから
はんぱな道のりではないことを叩きつきられると言う感じ。
 延々と登りが続く。久々の長い歩きには堪える。右は雑木林だが、左はずっと植林。
道はさすがに良く踏まれている。地肌が出ていて落ち葉も少ない。展望なし。思った
より風情がないなぁ。能勢の自然林ばかり見ているせいかなぁ。...そんな思いで歩く。
所々に落ち葉で敷き詰められた所が出てきて、ホッとする。ふうふう言いながら登り詰めて
最勝ヶ峰に到着。三角点はない。開成皇子の墓所がある。これを巻くように木の棚状の
迂回路が設けられており、ここから左手(北)の眺めが良い。ただし、見える山肌は
植林で埋め尽くされていた。

【最勝ヶ峰から高山】 最勝ヶ峰を過ぎると、急に道は狭くなる。(道幅1.5m位)
一旦下って、勝尾寺への分岐から登り返す。送電鉄塔の所に来ると伐採してあり、
開けている。右側(東)に展望が開ける所もあるが、霞で見えない。生駒山方面が望める
のであろう。さらに登って、東海自然歩道から左に外れると605mピークがある。
ここは西側が展望できるものの、直下は北摂霊園が迫っており、いまいちだ。
 再度、自然歩道にもどり最勝尾根で二つ目の送電線下を横切ると霊園に沿って歩くようになる。
車道と平行するようになったところで、霊園に入り園内の舗装道を下っていく。
と、突然、17:00にゲートを閉めるという園内放送が入る。歩きながら来た方の斜面を眺めると、
一面の墓地である。さっきまで植林で隠れてわからなかったが、そんなところを歩いてきたのだ。
知らずにいた方が良かったようだ。
 やがて暮色が進み、暗闇の高山道を徒歩にて北上し、高山集落に到着。
三日月が南の山影の上に寒々と光る。缶コーヒーで一息いれる。



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1997.1.1. BY M.KANE