早春の北摂・満願寺から中山を経て大峰山    

中山縦走路  
中山縦走路東端付近にて
■目的地:中山(478.2m)・大峰山(552.4m)<山域:北摂・宝塚市>
■2.5万図:広根・武田尾
■日にち:2001年2月11日(日)
■天気:晴れのち曇り
■同行者:単独
■コースタイム:
  湯山台バス停 発(10:45)〜満願寺(11:05)〜中山縦走路東端露岩の下(11:30)〜
  361.7m三角点(12:00)〜基準点No.4(12:30-12:45)〜中山最高峰(13:15)〜
  県道ゲート(13:45)〜十万辻東の峠(14:05)〜展望鉄塔(14:10-14:20)〜
  大峰山山頂(14:35-14:55)〜廃線跡(15:35)〜JR武田尾 着(16:00)

【中山へ】 いい天気だ。山に行きたいが出遅れた。超近場の中山ならアクセス時間の
分が歩ける。ゴルフ場だらけで敬遠なのだが、あわよくば武田尾まで歩いてみたい。
 いつも石切山に向う湯山台バス停から歩き始めて、多田丘陵ハイキングコースの道標に
したがい満願寺へと辿り着く。何年ぶりだろう。山門前を右折して住宅地の中を歩く。
前方に鉄塔の建つ丘が見える。途中で橋の手前に川に沿って左折する道へ入る。
犬の散歩、ジョギングの人、ハイキングのご夫婦、などなど行き交う人が多い。
 不動橋を渡って少し登ると立派な庭の邸宅。この門前から下へ降りる道の右手に
中山最高峰という小さな道標がついていた。こんなに込み入っていたら初めての人は
分かりにくいだろうな。やっぱり道標は必要かな。

【取り付く】 最前までの人ごみが嘘のように誰もいない山道になる。タイムスリップ
したようだ。青空の下、脇の沢音心地よく幸先のいい予感。登りつくと例の縦走路東端の
露岩部についた。満願寺から車道をまっすぐ来てもここには来れたようだが、先ほどの
山道はなかなか良かった。3年ほど前も歩いたようだが方向が逆なので全く気がつかなか
った。
   山道  
縦走路東端露岩へ上る山道
【岩】 登る身支度のご夫婦を横目に岩の登りやすいところを探しながらよじ登っていく。
靴もうまくグリップする感覚でなかなかいい感じである。所々ロープがついているがその
ルートはかえって足場が少ないように見える。ぐんぐんと高度が上がり、見晴らしが良く
なってくるので足を止めては写真を撮る。
 やっと鉄塔下の尾根についた。別のご夫婦が休憩中。背後は大阪平野が春を思わせる
陽射しを受けてギラギラと輝く。
   露岩  
露岩を登る
【尾根】 ほとんどは背丈を少し越す松やツツジの低木が道の両側をさえぎる。頭上は青空。
時々まわりの景色が見える。五月山連山や石切山。こちらから見る石切山はもう緑がほとん
ど食いつぶされているようで痛々しい。西には六甲が大きく横たわる。
 快調に緩やかなアップダウンを歩く。赤白鉄塔に着くと愛宕山や鳥脇山がよく見えるかと
期待したが木が多い。細い脇道も案外ある。しばらくすると左手奥に赤白ポールがあったので
何だろうと見てみると四等三角点。361.7m。前回はこれも気がついていない。東に向いて歩い
ていたら素通りしてしまうのだ。
   石切山  
痛々しい石切山
【最高峰へ】 この辺りで携帯にてWMさんの黒井城祉下山を知る。無線で繋がるのを楽しみに
していたがちょっと難しくなった。ここからは下りの連続。ゴルフ場の脇へ下る。また下る。
登り返して明るい基準点で昼食にする。南西の見晴らしも良いし青空が心地好い。無線をワッ
チするが知り合いのコールはない。すぐ脇はハイキングコース。土がぬかるんでいる。
 歩き再開。ここから先は両側に金網がつづく。やっと登りついた最高峰は木立ちの中。
食事のグループは3つほど。十万辻を示す道標に従い北の崩壊地の細い尾根を通って雑木林の
中を下りる。

【林の中】 木立の中、平坦な所に山道がゆるやかに交差するような地点。北よりの方へ進む。
道はさらに雑木林の中。時折鬱そうとした感じや細い土手状の所などおもしろい。野鳥がしき
りに飛んでいる。しかし、左手奥の方はゴルフ場。程なくその直ぐ脇を通ることになる。その
次は谷間に響くバイクの音。さらに下りると木々の間から大峰山が見えてきた。
   雑木のトンネル  
雑木のトンネル (宝塚高原ゴルフ場の北辺り)
【県道へ】 大峰山南面のなかなか渋い色に見とれた後はつづら折れで急降下。沢音が聞こえ
ると堰堤の下の橋を渡り、荒れ地の中の舗装道を県道へ向けて歩く。さっきからバイクの音が
うるさい。ゲートの横を抜けると県道に出る。

【支尾根の道】 ここから十万辻まで騒音の道を登らなければならないと思うと残念。その時、
道向こうの土手を見ると細い山道の入り口がある。今日はきちんとしたハイキング道を歩こう
と思ってきた。が、それもどこかへ行ってしまった。私にとって大峰山の新しいルートも判る
し、舗装道もないしと棚ぼたの踏み跡へ入り込む。いきなり急登が待っている。ロープまであ
る。この道の行き着くところはほぼ予想できるが、果たしてどこだろう。わくわく気分で急な
登りもOK。
 平坦な雑木林道になると静かで、自分の足音しか聞こえない。景色が以前に歩いた安倉山か
ら山桜の峠への道の記憶と重なってきて、山桜の峠へ向かっているような錯覚にとらわれてし
まう。先が明るくなって飛び出たところは、十万辻から少し入って急登にかかる峠であった。
辺りは時刻も遅いので静か過ぎるほど。
   大峰山  
大峰山山頂手前から北を見る
【大峰山頂へ】 ぐいぐいと登っていくと、こんなに近かったかと展望鉄塔につく。高圧線が
風に鳴く音が時々聞こえる下で小休止。検見山や古宝山を見る。冬枯れと松の緑が混ざる。
 さてと、再び雑木林の中を歩く。曇ってきたのもあって少し薄暗い。しかし、葉が落ちた林
の向こうに思ったよりも遠くの山並みが映る。静か。こぶを一つ越した頃に下山中の親子三人
とすれ違う。その後はコゲラの勤勉な音や野鳥の声以外なにもない。中山とはえらい違い。山
桜の峠の合流点から直ぐで山頂となる。誰もいない。落ち葉が多いが人の踏み込んだ跡も以前
より多い、たくさんの人が来てくれるのは良いがもうじき咲くスミレは大丈夫だろうか?
   桜の園の上  
桜の園の上の山道
【桜の園へ】 倒木に腰を下ろしてコーヒーを飲む。ついでに無線機をワッチ。大阪柏原の移
動局と繋がった。自力では初めての交信となる。一息ついた後は武田尾駅へ下りるだけ。
 象の背中のような雑木林の道は見通しが良いものの依然として静かである。
 六甲山を望む展望岩で小休止。無線機からたぬきさんのコールが微かに聞こえる。昨日一緒
に歩いたばかりなので懐かしい。先ほどの初交信の勢いで呼んでみる。しかし、開けた方角が
逆なのもあってか応答はない。もう少しで手が届きそうなのに残念。あまり時間をとると暗く
なるのであきらめてまじめに下りる。桜の園の上の東屋から「さくらの道」をつづら折れに下
りて廃線跡へ。ちょうどこの入り口あたりを工事しているが、今日はお休みのようだ。
   武庫川渓谷  
「さくらの道」から武庫川渓谷を見下ろす
【武田尾界隈】 廃線跡は二人、三人とまだ歩いている人がいた。心強い。
暗いトンネルを二つ抜けて僧川にかかる鉄橋の先がまた工事中。使わない廃線跡を切り開いて
鉄橋の下を通っていた道路を付け替えているようだ。運転する時は見通しが良くなりそうだし
妥当性のある工事だ。しかし往時の廃線跡が少し姿を消した。
 駅前のバス停の時刻を確認して切符を買っていたら電車が入ってきた。まだ残る力を振り絞
って階段を駆け上がりちょうど間に合う。

【車窓】 たまに車窓の人となるのも良いものである。箱にはハイカーもぽつぽつと見える。
宝塚駅の西、武庫川の鉄橋あたりも工事中。国道の付け替えのようだ。中山駅あたりでは歩い
た尾根が見える。前から歩いてみようと考えていたルートだったので、よく歩いたなと充実感
に浸りながら眺めた。

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2001.2.25. BY M.KANE