卯の花香る三尾山 山行記


 三尾山 東の肩から
 
    栗柄峠方面を望む
 
 
 
          1997.6.1. 
■目的地:三尾山(586m)<山域:丹波・兵庫県春日町>
■日にち:1997年6月1日(日)
■天気:曇り時々晴れ
■同行者:家族全員
■コースタイム:
  自宅発(10:20)〜佐仲ダム湖の奥 着(11:40)

  佐仲ダム湖の奥 発[284m](11:45)〜林道途中で昼食(11:50-12:15)〜
  舗装道終点(12:35)〜佐仲峠(13:00)〜旧道分岐(13:15)〜
  鏡峠とのキレット(13:20)〜山頂(13:30)〜西峰ピストン(13:55-14:10)〜
  山頂 発(14:40)〜佐仲峠(15:00)〜舗装道終点(15:25)〜佐仲ダムの奥 着(15:50)
  
【三尾山】 前々から行きたいなと思っていた丹波の名山、三尾山。
舞鶴道の道脇の「丹波の名山、三尾山」の看板を見るたびそそられてました。
城跡のあった山頂の北に、西峰と東峰がある。
夏栗山も一緒に行こうと思っていたが、嫁さんの抵抗に会い、お手軽で過ごしました。(^^;

【いきなり昼食】 佐仲ダム湖の奥に車を停め、舗装された林道をゆっくり登る。
今日も朝が早かったので、腹減った。ヘアピンカーブの空き地で昼飯にする。
 買い出しのオリジナル巻き寿司盛り合わせ。我が家の定番昼飯。
道ばたとはいえ、鳥の声と沢音だけでのどかなものである。

 舗装道の両脇からは夏の勢いを感じる下草が忍び寄っている。もう盛りを過ぎた
ツツジやタニウツギに代わって、卯の花が満開だ。白い小さな花が下を向いて
鈴なりにぶら下がっている。ぶうんぶうんと蜂の羽音もする。
白いガマズミ。藪の林の中にピンクのシャクナゲがポツリポツリと咲いているようだ。
湧き水の所にはドクダミ。オレンジの毛虫のようなイタチハギは舗装道工事の時に
植えられたのだろうか、これだけ花が異様だ。

【峠道】 つづら折りを過ぎれば舗装道が終わり、一段と緑の匂いのする雑木林の
中の地道になる。所々に敷石のようなものがあり街道の名残を感じる。
沢音を左下に聞き、ワンコずれの夫婦とすれ違う。沢を渡るところで子供達は水遊び。
裕太が小さいサワガニを見つける。やがて日陰の石畳道となり、落ちた卯の花が敷き
詰められている。
 おおっ!!! 出ましたよぉ。ヘビさん。1mを越えるかなぁ。林の中に逃げていった。
頭上では卯の花に集う蜂の音。

【シャクナゲ】 ヘビが逃げた道をおずおずと進むと、前方に国道の上にあるような「春日町」の
大きな看板が出る。佐仲峠だ。三尾山への道標に従い、右に登っていく。
するとすぐに、ありましたよぉ。真っ赤とピンクのシャクナゲが数株。右手には新緑のもみじが
あり、何となく人の手で植えられたような構図だ。でも、きれいだなぁ。
 赤土の道になり、朽ちた丸太の階段が所々に残っている。鏡峠の方へ伸びるような
旧道との分岐に着く。後ろに、大きな饅頭のような夏栗山の姿が見えてくる。
道標通り左に行けば林の中の急登。えいっ、えいっと登れば、いよいよ岩が出てきた。
その脇に朱色のヤマツツジが一輪。ホッとする。

【岩ゴツの山】 尾根道に出ると「鏡峠とのキレット」と書いた札がある。
三尾山への道標もある。ここはPLUTOさんが行ったという西多紀縦走の道だなぁ。
そして西の前方には岩峰を従えた三尾山が姿を現す。うーん、サスガに名山かな。
なかなかの風格だ。
「えぇっ、あれに登るのぉ。」嫁さん、その姿に圧倒される。
「大丈夫、岩の上を行くんじゃないからぁ。」
途中、東向きの展望岩で西多紀の鋸山から三岳を望む。なかなか良い構図だ。
白髪岳から見るよりも、大峰の景色に似てかつての修験道の山らしく見える。

 岩の間を縫って登ると山頂。相前後して北側からワンコ連れのご夫婦が来た。
南には、ぽっこんとした黒頭峰と夏栗山の間に尖った白髪岳と松尾山の薄い影が
対象的。葉が落ちればもっといい眺めだろう。ほぼ360度見渡せる。今日は霞が
多いので遠望はきかない。
 子供達はワンコの「大ちゃん」に遊んでもらっている。芝生の山頂は曇り加減が
丁度良い日和である。クロアゲハやタテハチョウ、そしてクマンバチが飛ぶ。
 せっかくなので西峰に一人でピストン。往復15分。舞鶴道から見えるのはここの
様だ。東峰は小普賢を思わせる姿だがまた今度。中山集落からの道が上ってきていて
途中で東峰へ分かれる様だ。西峰は花の過ぎたツツジなどに覆われあまり展望はきか
ない。

【慎重下山】 一時間ほどのんびりして岩ゴツの道を慎重に下り、鏡峠とのキレット
からの急降下はさらに気を遣う。裕太は、こんな所をしりもちで滑る癖がある。
そろそろやめて、ちゃんと歩けるようにならんといけないなぁ。足の置き場を教え
ながら下る。無事急坂をクリア。中蒜山ほどではないが、あれ以来の慎重下山である。

【夏栗山への道偵察】 赤松混じりの明るい道を下ると佐仲峠。今日は時間に余裕が
ないので、そのまま下りるが次に来る時のために夏栗山への取り付きを確認する。
2.5万図には峠の西側から出ているようなので行ってみるが判らない。峠に戻って
すぐ横の土手にかすかな踏み跡があり、ここを登ると立派な山道が尾根づたいに伸び
ていた。峠の横の小さい広場のような草地の中に道があるのが、草で隠れていた。

【卯の花】 棒きれを杖にして往きの時にヘビの居た道を通る。急坂以上に気を遣う。
これじゃぁ、ホントの山屋にはほど遠いなぁ。(^^;;
 至る所に卯の花が咲き、「うぅのはなぁの におぉ かきねのぉ〜...」と
忘れかけたメロディを口ずさみながら山の中の静かな舗装道を下りる。

  三尾山について 
 
  山のリストへ  / ホームページへもどる
1997.6.22. BY M.KANE