陽春の西多紀アルプス三尾山 

 白夜の貴公子さんからご提供いただきました。 ありがとうございました。m(_ _)m
白夜の貴公子さんのE-mailアドレスは NXA35721@biglobe.ne.jp です。  (97.4.24.掲載)

◎陽春の西多紀アルプス三尾山

              平成9年4月19日(土)


 三尾山は西多紀アルプスの名山、兵庫県春日町に位置する。標高は586mと高くは
ないが、麓の広瀬の集落からの岩を纏ったピラミダルな姿は美しい。

 昨日の日本酒が影響しているのか、一寸頭が痛いが9:43豊中を出発。舞鶴道春日イン
ターを降り、下野村で県道69号に入り、のどかな丹波の風景の中を南下する。国領温
泉の看板を過ぎてしばらくすると、佐仲峠経由の登山口標識。今回はここをパスして進む。
 途中のパパママストアでカップ麺を購入。そこから300m程で三尾山登山口バス停。
三尾山城登山口の標識がある。ここを右折、ガイド通り舞鶴道高架下に車を停める。
数台の先着の車が停まっている。そそくさと靴を履き替え出発、谷川沿いの舗装路を歩く。

 山頂まで1300mの道標、あかるい雑木林の中。堰堤横に山桜、花びらが舞う。
 古い木橋を渡ると休憩小屋が見えてきた。その横を抜けて本格的な山道へ。石ころだ
らけの道を快い沢の水音を聞きながら登る。道端に大きくなったふきのとう、ショウジ
ョウバカマ、スミレ。コバノミツバツツジの赤紫の花が綺麗だ。水が岩を滑るような小
さな滝がある。とその沢が道を横切っている。濡れないようにしなければ...。
 左手に大きな岩が見えてきた。窪みに地蔵さんが祀られている。岩蔭地蔵と勝手に命
名する。

 路はますます険しくなってきた。谷筋の為、眺望なし。いつの間にか沢も消えてしま
った。汗が噴き出し、休憩回数が徐々に増えてくる。我慢しながら、明るい雑木林の中
を一歩一歩体を持ち上げる。
 前方に大きな岩。振り返るとやっと眺望が開けてきた。歩いてきた谷筋が俯瞰できる。
山桜が点々と若い緑の中にアクセントをつけている。この辺りから黄色い花をつけた
シャクナゲのような灌木がそこここに群生している。これがヒカゲツツジらしい。それ
にしても、今を盛りと咲くこの黄色い花は美しい。撮影モードで写真を一枚。
 さて、傾斜がやや緩やかになったと思ったら、やっと尾根筋に出たようだ。短かかっ
たが山腹を直登するような、胸突き八丁だった。
 前方の木に案内板。東峰迄120mとある。そちらに向かう。途中、道端に赤いよだ
れかけをした地蔵さんが鎮座しているのが印象的。

 10畳程の山頂には先着の人が二人、昼食中。挨拶して早速景色を楽しむ。
 はるか直下に舞鶴道が巻いている。豆粒のような車。春日インターも認められる。真
正面には妙高山(565m)、東には西ヶ岳、三岳をはじめとする東多紀アルプス。
 煙草を一服、水で喉を潤したところで、路をとって返し、鞍部を南へ向かう。最後の
急登を登り切ると目指す山頂である。
 20畳位の広さがあろうか、その真ん中に春日町が建てた三尾山城の立派な石碑。周
りには桜が植えてある。流石にまだ蕾。
 腹がへった。早速食事にする。例の如く、カップ麺と握り飯、今日はデザートにバナナ。
食後の熱いコーヒーが旨い。足にタテハチョウが止まる。のどかです。

 さて、一息着いたところで景色を愛でることにする。360度の大パノラマだ。南は
指呼の間に黒頭峰(620m)と夏栗山(600m)が仲良く乳房のように並んでいる。その
間に一際高い白髪岳(722m)と松尾山(687m)の尖峰。東南には、大野山(753m)、
深山(790m)の雨量観測所も双眼鏡で認められる。東には多紀アルプス、北に妙高山。
一際高いのは粟鹿山(962m)かなあ?。西には西丹波から、播州の山並み、千が峰は
どれだろう?

 いつまでも眺めていたかったがそうもいかん。そろそろ佐仲峠へ向かおうか。
 すごい急坂、木に掴まりながらの下降である。頂上で仲良くなった須磨から来たとい
う初老の方と一緒に下る。途中に岩がせり出した所あり。登ってきた谷筋が見える。
 10分程でやっと傾斜が緩やかとなり、林道に出くわす。これをゆるゆると下る。
佐仲峠の分岐に、またまた地蔵さん。ジーッと何を考えておられるのでしょうか?

 ところで、同行することとなった須磨の人は、植物に詳しい方だ。下山はズーッと観
察モードに入りっぱなしとなる。モミジイチゴ、カタクリ、スミレサイシン、タラノキ、
スカンポ、キランソウ、ワラビ、ゼンマイ...。まるで植物観察の会のように色々
教えていただきました。それにしても自生しているシュンランを見たのは初めてでした。

 いつしか林道は舗装路に変わり、右に桜の苗を植えた広場がある。そこからの三尾山
は岩と松それにミツバツツジの紫の配色で一幅の日本画の様だ。金があれば、ここに別
荘でも建てたいところです。
 突然、足元からバサバサと何かが飛び立つ。思わずドキリッとしたところが、なんと
キジではないか。雌のようだったが、本当にびっくりされられます。

 ここまで来ると、沢は谷川となり、魚の姿も見える。地元の方の水源になっている様だ。
 さて、池の横を下ると間もなく舞鶴道の赤い高架下。ここを折れて高速道路沿いに南下する。
時々垣間見える三尾山の山稜が秀麗だ。16:20ようやく車のデポ地点に帰着。
名残惜しいが同行の方と挨拶しここで別れることとする。
 県道69号からR173、R372、R423と乗り継いで帰着は18:38。
さわやかな春の一日でした。  
 
☆タイムテーブル
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09:43 自宅発
12:05 舞鶴道高架下(約140m)
12:10 出発
12:17 堰堤
12:22 休憩小屋
12:26 岩蔭地蔵
12:45 大岩
12:48 東峰分岐
12:51 東峰(530m)
13:00 出発
13:12 山頂(586m)
14:20 下山
14:50 佐仲峠分岐
15:30 休憩小屋
15:50 水源地                    
16:20 舞鶴道高架下
18:38  帰宅                         平成9年4月19日(土)

(かねちゃんコメント)
  今週もいい天気でしたね。山屋にとっては心ウキウキの良い週末。
 たくさんの花にも迎えられてうらやましいですねぇ。
  三尾山を始めとする西多紀アルプスは、私も行きたい山のひとつですが、
 まだなんです。レポートを参考にさせていただきますね。(^^)

  三尾山について   

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1997.4.24. BY M.KANE