曇り空に春一番 三草山      

阿古谷から  
 阿古谷から望む   
■目的地:三草山(564.1m) <山域:北摂・大阪府能勢町・兵庫県猪名川町>
■日にち:1999年3月5日(金)
■天気:曇り 暖かい
■同行者:単独
■コースタイム:

  上杉 発(14:00)〜「きのこの村」(14:10)〜「ゼフィルスの森」(14:25)〜
  管理小屋(14:35)〜山頂(14:50-15:00)〜才の神峠(15:10)〜美濃谷の上〜
  石の道しるべ(15:35)〜上杉 着(16:10)

【三草山】 能勢町にある北摂の名山の一つ。里の山である。
 能勢町側山麓の「長谷(ながたに)の棚田」は有名。北摂の中でも里の雰囲気を
 残した典型の地。そして、この棚田の上から眺める剣尾山は絶品。
「おおさか環状自然歩道」に指定されている。ミドリシジミという貴重種の蝶類も
 多いということで、「ゼフィルスの森」トラスト運動で雑木林ぐるみの保護活動が
 行われている。この森はみだりに立ち入らないようにしてださい。

【春一番】 風が強い。生暖かい。今にも泣き出しそうな天気。
今日は、せっかく平日の休みをもらったのでどこかに行かにゃ。午前中は用事を済ま
せて、最近、板に付いてきた遅い出発。(^^;;
 猪名川町から山越えで能勢町に入り、三草山東麓の上杉集落に入る。ここから
三草山へ登る道は、インターネットで知り合ったsagamiさんから教えていただいた。
一般のガイドブックにはありません。1年ほど前から気にしていたルートです。
 途中の猪名川町内、三草山南麓の阿古谷集落からは端正な山容が望まれる。稲の
切り株が並ぶ田のあぜ道に入って、デジカメで一枚。足下にはオオイヌノフグリと
ハコベがかわいらしい。さらに行くと寒天を干していた。
ヤナギ  
  ヤナギのつぼみ  
【上杉】 謙信公を連想してしまう地名。能勢町の山あいにある。上杉神社の下で
道が広くなった所に駐車。少し下りて、「きのこの村」という素朴な看板の出ている
道を北西に登る。民家の庭にヤナギのつぼみが膨らんで銀色が顔を出していた。
 里は殺風景な冬枯れの色だが、よーく見ればちゃんと春が来ているのですねぇ。
「きのこの村」の施設が上の方に見えてきた。この手前を左にとると、まもなく舗装
道があぜ道になる。山の中からウグイスの声が響いてくる。

【ササヤブ】 田圃の上はササヤブ。小さな道標が足下に置いてある。左「三草山」、
右「神山」。神山の方は背丈を超えるササが茂っていて道という感じではない。左へ
膝ほどのササの中を歩くがすぐにこちらもササヤブ。トレーナーを脱ぎ、軍手を着け
る。北摂にもこんな所があったかという程に生い茂っている。(深山にもあった。^^;)
踏み跡はハッキリしているので何とか進める。

【ゼフィルスの森】 ヤブを抜けると栗園のような林に出た。「ゼフィルスの森」の
標柱がある。ヤブで守られている森という感じ。細い道から踏み出ないように歩く。
所々に看板がある。注意書きに「道からはみ出さないように。」、ごもっとも。
管理用の小道らしく、いくつも分岐がある。看板で確認しながら山頂から下りる東の
肩に取り付く。明日の啓蟄を前に、早々とシジミチョウが一匹、寝起きの舞。

【山頂】 大きな杉の木が茂る雑木林を通ってひと登りで山頂。1年半前よりも切り
開かれたようで、見通しが利く様になった。すぐ横の竜王山が大きい。雲が垂れてい
るのであまり遠くは見えない。かえって南の市街地が薄い霞のベールに隠れて良い。
 しばらくすると才の神峠の方からおじさんが一人、ジャンパー片手に到着。
「阿古谷の方からも登れるけど、工事用の道だよ。」「この辺りはマッタケ山や猟で
歩きやすい時に入るのに気を使うね。」など静かな語り。

【長谷】 真新しい木の階段を下りて才の神峠。ここも整備中のようで、旧きを残す
面影が薄れてきた。ハイキング道の整備としては行き過ぎである。
 長谷の里の南側、三草山北面の中腹を巻く林道づたいに上杉を目指すことにする。
途中、竜王山、高岳、剣尾山の眺めがよい。晴れていたらさらに麗しい姿であろう。
 幾度か地図で確認しながら行くと、旧き街道の道しるべがあった。「右 いけ田
左 かめ丘 道」と苔むした石に刻んである。こんなものに出会えるのも里山の味と
いうもの。地図の道から逸れるとは判っているが、「右 いけ田」の方へ入ってみる。
道しるべ  
  旧き街道の道しるべ  
【山仕事】 植林の中に往時の街道を想像して歩く。やがてササが出てきて道不明瞭。
ヤブの向こうで手引きのノコギリの音がする。こちらはリュックに鈴を着けている。
ノコギリの方へ歩いてみると山仕事のおじさん。「池田道の道しるべで来てみたんで
すが、ここから上杉の方へは抜けられますか?」「ここはちょっと無理やねぇ..」、
ガサガサ、会話の途中に近くのヤブでけものの雰囲気。「おゃ、なんかおるなぁ。^^)
猟期は過ぎたがハンターには気をつけえよ。この林を抜けて林道を登ったら池がある。
その先は真っ直ぐで上杉に出れるよ。」

【ササヤブ】 親切なおじさんに感謝して植林を抜けると林道。軽トラが停めてある。
話の通り鞍部に向かう林道を登ると池。ここが「ゼフィルスの森」トラスト運動の作
業入り口の様である。さらに進むと植林からササの生い茂ったヤブとなる。一人では
とても心細いヤブコギである。(^^;; やがて明るくなり「きのこの村」上の田圃の
分岐についた。「神山(こやま)」から出てきたことになる。振り返るとササで塞がれ
ており、こんな所に入る人がいるのかというヤブである。
 ゆるりと上杉の里を下りる。雨に遭わなかったのを幸いの里山逍遥でした。

  三草山について   

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1999.3.14. BY M.KANE