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三国岳・天狗峠・九二七m山縦走 

  妻恋地蔵さんからご提供いただきました。 ありがとうございました。
  妻恋地蔵さんのE-mailアドレスは hirotani52@nifty.ne.jpです。  (2003.11.17.掲載)

 昔ながらの地味な山歩きが楽しめる大尾根を、妻と一緒に歩きました。 三国岳と天狗峠の間に藪漕ぎの部分があるので、 今のところ縦走する人は多くありません。昨夜泊まった久多の民宿の親爺さんは、 年季の入った猟師ですが、天狗峠のあたりは芦生で一番熊の多い所だと言っていました。 
 
山 域 京都市左京区:美山町境尾根 
 
山行日 2003(平成15)年11月2日[日] 
 
同行者 妻 
 
天 候 晴れのち曇り 
 
時 間 
 
京都府立大学演習林入口ゲート(滝谷・岩屋谷出合)6:15・・・・8:10三国岳(朝食・九四一m山周遊)11:00 ・・・・11:50九三六m山・・・・13:00天狗峠分岐点(昼食30分、天狗峠往復20分)13:58・・・・15:05九二七m山 ・・・・16:00八二九m山・・・・16:50演習林入口ゲート  
 
◎三国岳・九四一m山へ 
 
 府大演習林入口ゲートに車を置く。三ノ窟手前で水筒に水を満たす。三国岳登山道を急登。 笹に花が咲いている。ここも芦生原生林の奥部のように、笹が一面に枯れてしまうのだろうか。
 三国岳の山頂に着き、久多の民宿で持たせてくれた朝弁当を食べ終わったころ、 一人のおじさんが登ってきた。相当気合いの入った人だ。今日は三国岳の南西尾根を下りて、 周辺を歩かれるとのこと。以前、この尾根の末端にあたる大谷源流の二俣に少しゴミがあったことから、 私は「頂上からここまで下りて来る道があるのかもしれない」と『低山趣味』に書いたが、 この方に聞いてみると、その尾根には全く道がないそうだ。
 頂上にザックを置き、三国岳西北西の九四一m山へ散策に出かける。 一時間程度の原生林散策のつもりが、思わぬ時間を食ってしまう。頂上に帰ると、 桑原から登ってきたというおじさんがいた。これから岩谷を下り、地蔵峠へ抜ける予定とのこと。  
 
◎天狗峠へ 
 
 三国岳すぐ南の小山から登山道を離れて、市町境の大尾根を進む。枝も払われていて、 たいへん歩きやすい。九三六m山直前の登りになって、笹が深くなる。 しかし、踏跡はしっかりしていて迷うことはない。
 九三六m山すぐ南南西の小山から、踏跡は南東側へ外れていく。この踏跡はどこへ下りていくのか、 興味のあるところだ。滝谷林道終点へ出るのか、それとも府大演習林管理舎か演習林入口ゲートへ 下りるのか。
 天狗峠へは、この小山から西側へ下りなければならない。踏跡はなくなった。下り切った鞍部から 次の平らな小山まで、わずかな間だが藪漕ぎとなる。平らな小山の頂上で、南の尾根から登ってきた 薄い踏跡に出た。このあたりは昔の伐採跡地のようで、低い笹原となっている。 見ると、芥子粒を蒔いたように、極小のダニが私たちのズボンにビッシリと張り付いている。 野生動物が多いのだ。
 その先は次第に歩きやすくなる。尾根が天狗峠へ向かって急に西へ曲がる小山は、 『京都丹波の山(下)』(ナカニシヤ出版)の作者が登り着いた所だが、少し南側の枝尾根へ 入ってみたところ、最近あまり歩かれていない様子だった。
 尾根上はどんどん歩きやすくなり、昔の山道が見え隠れする。天狗峠の分岐点で昼弁当を食べ、 ザックを置いて天狗峠往復。大きなアシウスギが見事だった。頂上は登山記念の木札が 数枚あるだけの静かな所。今のところこの山は簡単に往復できる登山道もなく、 深奥の山という雰囲気だ。
 
◎九二七m山・北東尾根下山
 
 九二七m山へ南下する大尾根も、たいへん歩きやすい。九二一m山は、昔の山道を伝って西側を巻く。
 九二七m山の直前で、縦走路は小野村割岳の方へ分かれいいく。そちらへも依然、良い道が続いているように見えた。
 さて、三国岳の九四一m山散策で思わぬ時間を費やしたので、気がせく。 尾根の下りで暗くなってしまうと、ヘッドランプでは読図が出来なくなるからだ。 そうなったら、GPSが重宝するだろう。九二七m山で休憩もしないで、東の切り開き道を下りる。 九二七m山すぐ東の小山から、切り開き道は南へ下りていく。この道は能見のフカンド谷または フカンド山、それとも久多の長治谷へ続いているのだろうか。
 切り開き道と別れると急に藪中の踏跡となったが、歩くのに不自由はない。藪の薄い所からは 南東側の景色がよく見える。高度感がある。次の小山(約870m)を越えたところで、 突然新しい切り開き道に出て、たいへん歩きやすくなる。東側から良い作業道が上がって来ている。 東へ曲がった尾根の北側一帯は、新しい伐採地となっている。はるか辿ってきた三国岳や天狗峠の 見晴らしが良い。
 八二九m山から先は、尾根筋にネットが張られている。ネットの下をくぐり抜けて、 植えたばかりの急な植林に入って下って行く。やがて、ネットが尾根筋から南側へ離れる所に出た。 そこで再びネットの下をくぐり抜けて、尾根筋を北東へ下っていく。 雑木林の歩きやすく明るい尾根だ。
 藪が出だしたころ、尾根はいよいよ末端となり、北と東に分かれる。 私たちは演習林入口ゲートに車を置いているので、北へ下りる尾根に入った。 踏跡のない急斜面を下り、最後の小鞍部に出た。朝、この尾根の最後の急崖を見ていたので、 小鞍部から西側の急な植林を下りた。滝谷の川原に着き、林道に上がった所は車のすぐ南側だった。 暗くなる寸前にたどり着けて幸いだった。今日もよく歩いた。
 

 妻恋地蔵さんの「深山をゆく」  

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2003.11.17. edited in HTML by M.KANE