初秋・晴天の虚空蔵山     

酒垂岩  
 酒垂岩から見上げる空   
■目的地:虚空蔵山(592m)    <山域:北摂・兵庫県三田市・篠山市>
■日にち:1999年10月9日(土)
■天気:晴れ
■同行者:日下部さん
■コースタイム:   JR川西池田駅(9:43)=JR藍本駅(10:18)

     JR藍本駅(10:20)〜酒垂岩(10:35)〜359mピーク(10:50)〜
     虚空蔵堂(11:05-11:10)〜尾根道合流(11:25-11:30)〜
     丹波岩〜山頂(11:40-12:05)〜北の岩(12:10-12:15)〜北の二俣(12:20)〜
     北稜線の鉄塔(12:25)〜滝(13:00)〜池(13:10-13:20)〜JR草野駅(13:40)

【電車】 今日は、電車でのアクセスである。日下部さんとは3回目の山になるが
はじめての晴天に恵まれた。しかも、3連休初日。篠山口行き快速は大阪から座る
ことができない登山列車となっていました。宝塚や三田で半分ほどは下りるかと
期待していましたが甘かった。藍本駅で15名ほど下車、あとの人たちは白髪岳か多紀
アルプスであろうか、少し時刻が遅いのでは...。いらぬ心配か。

【旧家】 今日は兵庫の低山では先人的な多田繁次氏が紹介したルートという、
その次の先人である慶佐次盛一氏の「兵庫丹波の山」の記事に沿って辿る計画。
 駅を下りて直ぐに左折、3分程歩くとかつては立派な藁葺きだったのだろうが、
今はトタンに覆われてその形のみが往時を偲ばせる家があった。屋根に隠れ気味の
表札を見るとやはり「三好」さん宅である。このお宅の横から先に見える竹林へ
入っていく。静かな裏道である。失礼のないように通りたい。

【酒垂岩】 竹林から植林になる。緩い登りから左に脇道が分かれるが登る道を
採る。愛宕山の灯籠があった。やがて雑木林になり、坂も険しくなってくる。
頭上に青空が見えてきて大きな一枚岩の壁が立つ。ほう、これが酒垂岩だろうか。
左に巻いて平らな岩面に出た。「今日の歩きで一番落ち着けるところかもね。」
さすがにこのルートは、人影なく静かな所である。秋晴れの下、東に山が並ぶが、
すがすがしい風が通る心地よい岩である。「ここで昼飯もいいなぁ。」

【丹波の山道・その1】 酒垂岩で一息ついた後、岩の上の方を目指してよじ登り
最上部の左あたりに踏み跡を見つけた。ここからまた林の中になる。丹波らしい
渋い山道である。数分歩くと立木に「境界見出標」の架かった三叉路に突き当たり、
左に行く。雑木林の中の359mピークと思しき所を越えて多少ヤブっぽい下りの後、
右手に若い杉植林の踏み跡を西へ向かう。ちょうど舞鶴道のトンネルの上あたり。
虚空蔵堂  
 表参道から見上げる虚空蔵堂   
【静かな虚空蔵堂】 やがて少し上り調子になるかという所で、前方に「虚空蔵山
登山道」という道標が目に入る。十字路になっており道標のとおり左折。ここでは
真っ直ぐから少し右に曲がった道も気になる。右下は裏参道だろうか、次の宿題。
 いったん下って鬱蒼とした雑木の中、巻き道を伝うと虚空蔵堂の下の表参道に出た。
階段を上ると先客3名ほど、お堂が静かにたたずむ。「ほう、立派。」と日下部氏。
ここでも青空を背に屋根が弓なりに反って嬉しそうである。

【伐採尾根】 由緒書きの立て札を読んだり、お参りしてからお堂の右後ろにある
登り道へ入る。雑木林の中の登りが一本調子に続いて、汗がしたたり落ちてきた。
ようやく平坦になったかという林に役行者像があった。やがてT字路の尾根道に出る。
左に下ると「立杭 陶の郷」に至る。右が山頂。3年前に来たときよりも立木が伐採さ
れて南の展望が良い。登りが続いたので、小休止。景色を見ながら明智光秀の話なぞ。

【昼どき】 明るい尾根から展望の丹波岩へ、南に大きく開けるが予想より南の空は
晴れ上がっていなかった。ここはさらりと流して山頂へ。既に10名程いて賑やか。
昼寝岩状態の人もいる。ベンチとテーブルが空いていたのでおばちゃん達が来る前に
半分占拠。日下部氏はチキンラーメンの準備。そして、毎度の愛妻弁当。
 正午を過ぎてだんだん人が増えてきたので、ベンチを占有するのも心苦しくなり、
5人ほどの賑やかなパーティへ譲る。
北の展望  
 北の展望岩からトンガリ山を見る(中央奥)   
【丹波の山道・その2】 馬の背状の林の尾根道を北へ行くと、北の展望岩がある。
ここから白髪岳や多紀アルプスが一望できるので、この山ではチェックポイント。
 さらに北へ緩い下りを歩いていると前を歩く日下部さんが立ち停まる。マムシだ。
しっぽを細かく振り鳴らしながらゆっくりと道脇へ動いていった。それ以外はなかな
かのいい山道である。久しぶりに丹波の山の稜線歩きを味わう。
 地図で確認しながら尾根道を行く。巡視道なのか歩きやすい快適な道。コブを越え
緩い下りの先に、尾根が二俣になる。旧丹南町界。ここは「オロ峠」へと指す左へ。
プラスチックの階段を下りて鉄塔の下に着いた。

【ヤブの沢】 JR草野駅へはこの鉄塔から東へ下りると直ぐである。冒頭書いた文献
のコースは稜線をさらに北に行く。この鞍部あたりから西の立杭側へは明瞭な道が
あるが、東はヤブの雑木林。それでも彼は行くようなので、ちょっと時期は早いが
ヤブ山三昧のはじまり。最初は緩い下りがだんだん立木を掴みながらの下り。ちろち
ろと沢が出てきて、やがてなめ滝状になり何度か右へ左へと小さく巻きながら下りる。
 途中、5m弱の滝もあった。沢はだんだん大きくなっていくが、植林が見えてきた
平坦に近い所で伏流水の様になっていた。その先に木々の間から水面が見える。
417m山  
 初秋の池   
【初秋の池】 山腹のため池は静かで、晴天の山を水面に映し出す。木陰の道を歩い
ていると驚いたカエルが飛び込み、その音に人間が驚いた。土手でしばし休憩。歩く
予定だった北稜線の山々が前面に聳える。よく見れば、表面の葉が少し黄色い。
ゆっくり腰を落ち着ける所はないが、ヤブから抜けて静けさに囲まれたホッと一息。
ススキとヨメナが咲く。
 堰の左下側(左岸)に林道があり、ぶらりと歩けば里に出て草野駅は直ぐ。
無人の跨線橋を渡ってホームに立つとちょうど電車が来た。午後2時前なのでガラガ
ラ。車窓から三田盆地ののんびりした景色を眺めながら帰路に就く。
池  
 池の堰から下りてきた谷を見る   

  虚空蔵山について   

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1999.10.12. BY M.KANE