初秋の虚空蔵山 山行記     


南側の三田市上相野から望む 1996.9.21. 
■日にち:1996年9月21日(土) 
■天気:曇り 
■同行者:単独 
■コースタイム:
     JR藍本駅(9:30)〜登山口(9:55)〜虚空蔵堂(10:10)〜山頂(10:35)〜 
     下山(11:30)〜南側コル(11:40)〜455mピーク(11:45)〜立杭(12:10)〜 
     三本峠(13:15)〜JR相野駅(14:00) 
 
【電車】 今日は、電車でのアクセスである。 
JR宝塚駅で8:35頃の新三田行きに乗る。新三田で9:13篠山口行きを待つ。 
車ばかりの小旅行が多い中、電車待ちは久しぶりで、何となく旅愁が湧くものだ。 
 9月も後半になると、山の緑も盛夏のどぎつさが無くなり、渋い色合いである。 
台風が近づいているが、天気はもちそうだ。北摂の所だけ青空が覗いている。 
 
【道標】 今日は雨だろうと思って、山の装備は最小限しかない。それどころか 
地図不携帯。ふらぁっと登る感じだ。ガイドブック一冊が頼りである。 
そういうことで上り下りとも、謙虚にガイドのコースをたどることにする。 
 JR藍本駅を降りて、旧街道を左に行くと酒垂神社の前を通る。 
そして左手に踏切が見えてくると、稲穂輝く田が開けその中を真っ直ぐ山の方に 
アスファルト道が伸びる。「登山口まで1.1km」の道標がある。 
 彼岸花を見、コオロギの音を聞きながら山に向かう。が、目の前には舞鶴道が 
走っている。残念な景色である。高速道下に来ると丁寧な略図付きの道標あり。 
その後も、数m毎に2カ所道標があって、確実に登山口にたどり着ける。 
 「虚空蔵堂まで1000m」の立札の立つコンクリート道が数m。その先は、右手に沢を 
従えた雑木の自然林の中を歩く。誰もいない静かな径だ。 
 
【ママコナ】 10:00 登山口から5分位行くと「石舟」。一枚岩に水が流れている。 
虚空蔵堂に参拝する時はここで手を清めることと記してある。 
さらに進むと、参道の石畳が続き、石のゴツゴツした道、ロープの手すり道を登る。 
「虚空蔵堂まで250m」の立札が出てくる。さらにくねくね登って両脇の石灯籠を 
過ぎるとやがて正面に虚空蔵堂が姿を現す。10:10。よく手入れがされた境内である。 
 堂の右奥から山頂に向かう。「山頂まで800m」の立札。径は細い急登。 
10:20 小さな祠を左に見て、一旦平坦な道になるが、また急登。 
山頂の影が木の間から見えてくる。道脇にママコナのかわいいピンクの花が 
ぽつりぽつりと咲いていて、これを見るたびに元気が湧いてくる。 
10:30 「陶の郷・自然遊歩道」の道標がある分岐点に着く。 
 
【丹波岩】 少し緩くなった登りを進むと「陶の郷・自然遊歩道」11合目の道標。 
その次は、12合目道標。いくつまであるんだろうか。と、思っていると 
大きな岩、「丹波岩」があり、これを巻く。アリゾナの砂漠を連想させる岩峰である。 
 丹波岩の上からの眺めは最高である。北の山頂側を除いて、播州・淡路島・六甲・ 
北摂・多紀アルプスと欲しいままにできる。値打ちもんの眺めだ。 
 
 山頂の眺めはさぞかし..と登れば、さにあらん。灌木のある狭い所だ。 
西よりに木のテーブルと長椅子がある。北に径がつながっている。 
 さっきの岩峰に戻って、しばらく景色を楽しみ、山頂の北の径を辿ってみる。 
小さなピークを越えると、北側の展望が開けた岩があった。白髪岳と松尾山がある。 
このまま行こうかなと誘われそうなドッシリとした山容である。 
その左側に、トンガリ山が目をひく。「丹波槍」の別称があるそうだ。 
風が強く、寒いなってきたので、また丹波岩へ引き返す。うーん、いい眺めだ。 
 千ヶ峰はどれだぁ、同定できる山がほとんどない。まだまだ修行が足りんなぁ。 
地図がないのも痛いところだ。昼飯には早いのでそろそろ下りようか。 

 
北の展望岩から白髪岳と松尾山

           1996.9.21. 

 
 
 

【きのこ】 昨日の雨もあってか、ここはきのこが多い。 
「陶の郷・自然遊歩道」の分岐を西の立杭側に進み、10合目の道標を右に見て 
下りる。しかしまぁ、10合目で終わりと思って登ってる人にとってはまぎらわしい 
道標だなぁ。階段道がずっと続く。南側コルに着いた。右に下りるのが正規だが、 
真っ直ぐ455mピークの方へいい径が続いているので、ちょっと行ってみる。 
 高圧線の巡視道のようだ。 
この辺は、人があまり来ないためか、一段ときのこが多い。 
チーズケーキのようにレモン色の大きいのや、牛のうんこみたいな特大判もあった。 
松の根元にあるものに鼻を近づけて匂いを嗅ぐが、マッタケかどうか判らない。 
 ピークから分岐があり、立杭側に下りてみるとNo.9鉄塔の所で終わり。とりあえず 
もとの南側コルに引き返す。この虚空蔵山は高圧線の巡視道をうまく辿って行けば 
縦走できそうな感触がある。次回のお楽しみ。 
 
【散歩道】 階段道をどんどん下る。この階段、長いので登る時は辛そうだなぁ。 
12:00 6合目で檜の植林帯。3合目で階段がなくなり。12:10 バンガローに着く。 
ここは「立杭 陶の郷」、野外活動施設や陶芸教室があるそうだ。 
 どこで昼飯にしようかなとバス停方向に歩いていると、運転手さんがこっちを 
見ながらバスが1台通り過ぎる。なんか引っかかるなぁ。バス停で時刻表を見て 
びっくり、今のバスの次は2時間ほど来ないようだ。 
 既に遅し。 
あの有名な「立杭の里」だからバスは頻繁に通っていると勝手に思いこんでいた。 
日頃は車でしか山に行かない私の手落ちだな。 
 仕方ないので、一軒の窯をののぞいた後、虚空蔵山の見えるあぜ道で弁当にした。 
さてと、県道を南に歩く。ヒッチハイクでもと思ったが、里から山を堪能しながら 
歩くのも一興と言い聞かせて峠道を越える。90分位の後、JR相野駅に到着。 
 アスファルト道の90分は足に堪えました。 

  虚空蔵山について   

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1996.9.21. BY M.KANE