黄葉の吉川城址から高代寺山        

 
R477から吉川城址 
■目的地:高代寺山(488.7m)・吉川城址(約365m)<山域:北摂・大阪府豊能町・兵庫県川西市>
■日にち:2004年12月08日(水)
■天気:晴れ
■同行者:単独
■コースタイム:
    吉川八幡神社(10:35)〜南ノ竪堀〜吉川城址(11:10)〜黒川分岐(11:25)〜
    高代寺(11:35)〜NTT中継所(11:45)〜山頂(11:50)〜高代寺(12:15)〜
    黒川分岐(12:25)〜吉川城址(12:35)〜二の岩(12:55)〜吉川八幡神社 着(13:10)

 休みをもらったら晴天、どこかへ行こう。迷った末に8年ぶりの高代寺山へ。
なぜこの山か。数年前に吉川の保育園辺りから高代寺山東尾根に良さげな雑木林が
見えたから。遠い昔なら落ち葉の山はどこにでもあったのかもしれません。人が増えた
今はなかなか見られなくなってきています。それでも能勢の界隈にはいい雑木林がまだ
辛うじてぽつりぽつりと残っています。そんな雑木林を見るたび、1000年位前に生まれ
ていたら、北摂も秋には山のすべてが黄色に染まったのかなと思いを馳せるのです。
 
谷奥の民家の手前から尾根を見上げる 
 前置きが長くなりました。出発は吉川八幡神社。車の置き場に困りました。ホントは
電車で来るべきです。結局上杉尾根入り口近くの小広い路肩に失礼させていただきました。
R477から能勢電・妙見口駅の方へ歩きます。晩秋の黄葉がそこかしこに見られる穏やかな
日です。右手の田んぼの角に石柱があって「左 吉川八幡神社参道」と記されています。
田んぼの中を山の方へ向かい神社の前。脇に山道のような感じも見られましたが2.5万図の
破線道をたどろうと先へ向かいます。二叉は竹林の方へ。薄暗くてあまり使われていない
様子。道は次第に怪しくなってきました。左手にネットが出て、谷奥の民家の手前で崩壊
していました。仕方なしにここから尾根を目指します。雑木林の急斜面です。道のような
溝のような凹みが直登していますが、普通に登るには不自然な道なので植林の斜面を幹に
掴まりながら登ります。途中で「南ノ竪堀」と記された古い札が見えました。城跡か何か
なのかなと、先ほどの不自然な凹みに納得がいきます。
 
吉川城址の看板 
 植林から雑木林になってきて、明るくなり黄葉も綺麗に光ってきます。ピークに近づくと
何と古道のような段差の先に豊能町のハイキングコース指導標が「吉川城址」、その横に
手書きの朽ちた解説板。「長棚城址 天正元年(西暦1573年) 城主塩川伯耆守国光の出城」
という文字に平面図と鳥瞰図が簡単に記されています。そうだったのかぁ。ちゃんと調べて
おけばよかった。のっぺりした明るい雑木林。でも展望なし。

 ここからはもう少し高代寺の方へ行って雑木林を堪能してみよう。すぐに先ほどのような
段差に出合い「西の曲輪跡」の標識。鞍部に下りて登り返すと低い常緑樹が多くて薄暗い。
イノシシの掘り返しも続いています。外から見るほど快適ではないのでした。やがて「高代
寺」と「吉川小学校」指す道標。すぐに良く踏まれた道に合流し、北に「黒川」とあります。
真っすぐ進むと竹林を抜け、五輪塔の脇を抜け高代寺の境内に到着です。
 
「黒川」の道標 
 さて、ここまできたら山頂まで行ってみようか。苔むしてよく掃除されているので足を
踏み入れるのが憚られる境内を横切り車道をくねくねと歩きます。やがて霊園事務所前に
出てNTT管理道へ。途中に高代寺山頂を示す標識があるのですが、松とススキが生い茂って
とても入って行こうという気にはなれません。そのまま管理道を進みます。道幅の分が開け
て明るいものの立木で展望はなし。どん詰まりはこの山の目印であるアンテナ施設。

 その脇から雑木林に分け入り山頂へ。コンクリートの小屋のような施設の脇に三角点が
ひっそと埋まっています。金網などにいくつかの山名板。ここから東の霊園方向へ山道を
進むと土手に出ます。8年前にここへ来たときは妙見山がどっかりと見えましたが、今は
松の木が伸びきって頂がわずかにのぞく程度。天台山や五月山連山もしかりです。
アンテナに霊園、ゴルフ場と人の手が入り、そのあげくにヤブで展望なし。不遇な山だなと
同情してしまいます。先の吉川城址の雑木林がさぞうらやましいことでしょう。
 
高代寺山三角点 
 ということで、腰を落ち着けるところもないので霊園事務所を過ぎた道路脇の切り開きで
軽いおにぎり昼食。道路を高代寺へ戻る手前で林の間から妙見山が垣間見えました。
高代寺は良寛さんも立ち寄ったと言われるところで、その句碑が入り口に立っています。
その先に紅葉が陽を浴びて色を添えていました。石段を上って、もと来た竹林を過ぎ吉川城
址への尾根に載る。往きでは気づかなかったのですが林越しに振野が見え隠れしています。
還りははさっさと歩いてあっという間に吉川城址に到着。

 ここから東に行くといい感じの雑木林になってきました。日差しがないので写真を撮る
ために雲が通るのを待ちます。15分も待ったかな、そろそろ下りましょう。思ったほどいい
出来ではないのでした、いつもながら。明るい雑木林はやはりいいですね。ふと道脇に
「一の岩 二の岩」の道標があります。黄葉に気を良くして寄ってみることにしました。
一の岩は道の足下なのでそんなに大きく感じませんが、少し先に二の岩が頭上にどっかり。
上って景色を楽しみますがまだ木が邪魔です。もとの道に戻って少し下りると北面が伐採
されて振野と妙見山がくっきり。最後の最後に本日最高の眺めでした。
 
伐採地からの振野 
 尾根の鞍部で南にはずれ、少し倒木の多い林の道を下ると八幡神社の脇に出ます。
次回からはここから登ろう。正規ルートを下りて知るといういつものパターンです。
この境内もきれいに掃除してあって静か。石段を下りて来た道を車へ戻ります。
振り返るとこんもりした里山がたたずみ、あの雑木の中に城跡が秘められていたのかと
改めて見直した山歩きでした。

  高代寺山について   

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2004.12.12. BY M.KANE