黄葉と霧の氷ノ山            

三ノ丸からガスの山頂を望む  
下りで三ノ丸からガスの山頂を望む   
■目的地:氷ノ山(1510.0m) <山域:但馬>
■日にち:1998年11月1日(日)
■天気:曇り(ガス) 14時過ぎに時々ほんのり薄日
■同行者:俊一
■アクセス: 自宅発(7:50)=山崎IC(9:10)=坂谷林道=殿下コース入口手前着(10:55)
■コースタイム:

   駐車地発(11:05)〜殿下コース入口(11:15)〜仙人の門(11:35)〜
   坂ノ谷道出合(11:45)〜三ノ丸道出合(11:55-12:15)〜三ノ丸山頂(12:16)〜
   二ノ丸〜千年キャラボク(13:00)〜氷ノ山山頂(13:05-13:30)〜二ノ丸(14:10)〜
   三ノ丸山頂(14:20-14:30)〜三ノ丸休憩所ピストン〜坂ノ谷道出合(14:50)〜
   林道(15:15)〜駐車地着(15:35)

【林道】 R29を戸倉峠に向けて進むとだんだん山の色が黄色に近づいてきます。
「堀」から右に入って林道。すごいダートな道です。それ以上に一面の黄葉です。
ワクワクします。あぁ、この色、しあわせ。(^^) でも轍や溝を避けて下をよーく
見て行かないと動けなくなりそう。さっきから足元でガリガリと音が響きます。(^^;;
せっかくの黄葉も見る暇がありません。

【通行止め】 かいさんのREPで報告されていた「通行止め」看板が出てきました。
既に5台ほど駐車。先に行けると判っていても、なぜかここに停めてしまいまう
気の弱いかねちゃんであります。(^^ゞ
すぐ前を走っていた車から降りた家族、山の割に足元が軽いなと思えば、カッパを
着て沢の方へ消えました。キノコ狩りでしょうか。
 身支度をして林道を歩く。曇り加減だが見上げる葉っぱ達は綺麗に色づいている。
10分ほどで殿下コース入口の道標が左の高みを指し示す。

【ブナ】 急な登り。落ち葉がサクサクと音を立てる。ひと抱えを越える大きな
ブナの木がそそり立つ。黒いネットが直径50cmの口を上にしていくつか置いてある。
説明書あり。「シードトラップ」といってブナの実の調査ということだ。
登りが緩くなっても大きなブナの木はまだある。やがて「仙人の門」という
変わった木が現れる。根が大人の通れる高さで分岐している。自然は何でもあり。
倒木も朽ちて年代物だ。左手のササヤブ越しに沢音が響く。セキレイのような鳥も
多い。良く整備された広い道。

【ササ】 両脇が高さ2m以上のものすごいササの衝立が延々と続く道になる。
前方でキノコ取りの人がササの中からでできた。すぐ横だったらクマと間違えるかも。
かいさんは一人でこんな所よく歩いたなと思うほど、何が出てきてもおかしくない道。
ササの衝立で出来た迷路を歩いているようだ。やがてガスがほのかに漂う。登りは
きつくない。坂ノ谷からの道と出合い、三ノ丸登山道出合で昼食。おにぎり二つ。
寒い。ジャンパーと手袋をつける。
 どうせ登ってもガスだし、俊一に「帰ろうか」と問う。「登る」と言う返事。
何がそう言わせるのかよく判らないが意思を尊重することにしよう。
くまがでるぞ  
可愛いクマならいいのだが...   
【ガス】 三ノ丸登山道出合からはすぐに三ノ丸山頂。手前の避難小屋では単独の
兄さんが昼飯中だった。山頂は櫓があるが、登っても何にも見えない。真っ白。
 三ノ丸山頂から先は少し下る。またもやササの衝立道である。小学生の遠足で
つけたのか「くまがでるぞ」の札がかかっている。ホントどこから来てもおかしく
ない雰囲気である。一人じゃよう来んなぁ。(^^;;
 やがて明るい林の中。ガスがすーっと流れて幻想的。でも歩く身には閉塞感。
いくつかの軽いアップダウンや原生杉の林などを越える。大きな木の下はポタリ
ポタリと水滴が落ちる。霧を集めたのだろう。森の優しさを感じる。
すでに下りてくるご夫婦とすれ違う。
たまにガスが切れるとササでのっぺりとした山容がかいま見える。晴れていたら
さぞ開放的だろうなぁ。

【人の声】 ガスで少し見えた登り尾根を振り返り振り返り進む。ササが少し低い。
左手に「千年キャラボク」という標識がある。切り開かれた先に庭木のような
1本のキャラボクが大きく枝を広げていた。
 ガスの彼方から人の声が風に乗ってきている。気のせいだろうか。キャラボクに
別れを告げてガスの中を少し登るとあっけなく氷ノ山山頂である。以外と人が多い。
ざっと10名。避難小屋や尼工ヒュッテの中にも人がいる。ガスは晴れず展望ゼロ。
おにぎりとゼリー。暖かいものが欲しいなぁ。水筒のお茶は冷蔵庫にあったドクダミ
茶。効きます。(^^;;
三ノ丸に続く稜線  
かなりガスが晴れてきた三ノ丸に続く稜線   
【薄日】 尼工ヒュッテのまわりを2回ほど廻る。ひょっとしてたじまもりさんが
来ているかも知れない。「こんにちは!」やけに元気な挨拶の奥さん。でも、知らない人。
MTB4人組が古生沼の方から自転車を担いで上がってきた。すごいパワーだなぁ。
 しょうがないので来た道を戻る。時折ブラックホールのような青空が覗く。
三ノ丸方面のササの柔らかい山容が顔を出す。なかなか焦らせてくれる。
 三ノ丸山頂ではかなりガスも晴れてきた。櫓に登ると二ノ丸の向こうまで見える。
西の麓に工事のような山肌、見たくないものも見えてしまう。南の三ノ丸休憩所が
薄日に輝くササに覆われている。北の山頂方面からさっきのMTB組がこちらに向かってくる。
 櫓を譲って下ると、道脇でツルリンドウの赤い実が萎れた花の先に付いていた。

【三ノ丸道】 俊一が三ノ丸休憩所にも行ってみたいと言うので寄り道してみた。
少し踏み跡の薄くなりかけたみちを西に行くと展望台のような立派な吾妻屋がある。
説明板によると、舂米のスキー場から登ってくるコースのようだ。でも、その先の
道を見ると最近はほとんど踏まれていないようで、草が元気である。
 三ノ丸道出合に戻り、少し下ると子連れのお父さんが登ってきた軽装である。その後
直ぐに単独兄さん、やけに明るい声。今からどこまで行くのか。

【黄葉】 長いササの衝立道を過ごして、ほっとするブナの林に入る。この時間に
なると青空がかなり広がり、日差しが強くなってきた。見上げて黄色い葉が青空に
映える。もう少し黄葉を見たくなり、遠まわりになろうが途中の左分岐に下る。
西日になりかけた日差しに黄や橙が彩る尾根を望む。ススキの穂も綿となり、
いつの間にか秋が過ぎようとしています。
林道歩き  
充足の帰り道・黄葉の林道歩き   

  氷ノ山について 
 
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1998.11.5. BY M.KANE