雪の櫃ヶ嶽 山行記


        
 去年の夏、生い茂る下草に敗退。
今回は真冬。尾根続きの雨石山まで
辿るつもりで早めに出発。
 しかし、降りしきる雪と装備の
お粗末さのため、山頂を踏むと
すぐに引き返しました。

         真冬の櫃ヶ嶽 山頂
                  97.2.1. 


■目的地:櫃ヶ嶽(582m)
■日にち:'97年2月1日(土)
■天気:雪時々曇り
■同行者:単独
■コースタイム:

  宮代橋 発 [約260m](11:55)〜保安林看板(12:15)〜杉植林開ける(12:30)〜
  〜ヤブ〜山頂(13:00)〜546mピークとの鞍部(13:20)〜植林記念碑(13:35)〜
  宮代橋 着(13:55)

【雪】 自宅の上空は晴れ間が広がるいい天気。予定より早く9:20に出発。
一庫ダムで雨になり、能勢町に入ると雪。天王集落に至っては真っ白の雪景色。
この分では山に入るのは無理だな、せっかくだから八上山(高城山)の雪景色を
描きに行こうか。
 そんな気分で篠山に入る。吹雪とはいかないまでも、よく降っている。大阪で
晴れていても、山を越えれば全く気候が違うのをまざまざと知らされる。

【八上山】 櫃ヶ嶽登山口の宮代橋まで来てみたが、やっぱり雪は止まない。
鉛色の空。いったん、櫃ヶ嶽はあきらめて、篠山市街に向かう。
途中で雪が止んだ。篠山城跡に登り、八上山をスケッチ。あいにく白い姿でなくて、
逆光の黒々とした色である。
 直ぐ下の小学校は、丁度土曜日の授業が終わったようだ。この時分になると日が
差してきて、多紀アルプスの三岳の白い姿も見えてきた。西の方から晴れ間が
広がって来ている。うーん、こりゃ登れそうかな。もう一度櫃ヶ嶽へ向かう。

【雪の里道】 宮代橋に着くとこちらも晴れており、櫃ヶ嶽が顔を出している。よし、
行こう。その前に、もう昼なので車の中でおにぎりを二つ頬張る。身支度をして出発。
 宮代の集落に向かい、右に折れ仕事道を沢沿いに歩く。轍の所だけ雪が解けた道。
雪には足跡なし。右側の田畑は真っ白。去年の夏はたくさんの花が咲いていた道だ。
 やがて、去年、引き返した「水源かん養保安林」の看板に到着。さすがに冬は草が
なくなっており、杉植林の中にはっきりとした白い道が登っている。

【狐?にだまされる】 セーターを脱ぎ、シャツとヤッケで登り始める。杉の木から
解けた雪が時々落ちてきて冷たい。足元も雪が10cmを越えるようになってきたので
スパッツを着ける。直ぐ右は沢のようなので道を踏み外さないように注意して登る。
 この辺から雪の上に犬か狐の足跡の様なものがずっとついている。ちょうど山道の
上を辿っている。獣も人が歩くところが歩きやすいんだろうか。だんだん雪が深く
なる。ついつい足跡についていったせいか、雪で道を見失った。頭上が開けた低い
植林の中である。振り返ると白い山並みに雪がちらちらしてきた。地図でルートを
確認。合っているが道が判らない。

【雪のヤブ】 櫃ヶ嶽へは右肩(南東)の鞍部から登る予定だったが、鞍部手前である。
そこまで行かなくても左前方の葉の落ちた雑木林の直登でいけそうだ。所々茶色の
落ち葉が見える雪のヤブこぎを決行。コレが結構(^^)、難渋した。引き返そうかとも
思った。まず、滑りやすい。落ち葉と雪でスルリとやられる。その次は、濡れた枝を
つかんで上がるので手袋はぐちょぐちょ、それと頭の上から落ちてくるザラメ雪で、
ヤッケとリュックも濡れてきた。こんなの初めてである。帽子を被っていたので頭は
濡れていないが、眼鏡が時々濡れる。中途半端な雪のヤブは防水にも要注意だ。


【山頂】 30分ほどすると一面真っ白な雪に覆われた
灌木地になり、1m幅の道らしい所に出る。
その先を見ると、山頂のような雰囲気。
 ほうほう、ちゃんとした道があるじゃないか。
足跡一つない道をかみしめながら、静かな二等三角点に
到着。雪が降っている。
 疎らな立木の間から周りの山や里の白い景色が見える。
いくつか写真を撮る(うまなく写らないだろうが)。
カップラーメンを食べて景色を楽しもうかと思うほどの
展望であるが、まだまだ雪が降ってきているのと、
濡れたヤッケで冷えるのが心配なので、5分程で下山。
 先程見つけた道を下る。テープやひもがついていて、
雪で踏み跡が判らなくても、なんとか歩けるが、
それがなければまた迷い込んでしまいそうだ。
急坂を木につかまりながら下り、546mピークとの鞍部に着く。
これを真っ直ぐ少し登ると雨石山だろう。
今日はここまでにして、左に下り、杉の植林帯に入る。
やがて幅2mくらいの林道になり、沢と平行して下りていく。
楽珍な歩きだ。





              写真は山頂から南への下り道。
                      (97.2.1.)


【ハンター】 林道脇に高さ1.5mくらいの立派な植林記念碑があった。これを過ぎて
植林を抜けさらに道が広しなった所で鉄砲を持ったハンターに出会う。
この山に入る時に心の準備をしていたので、驚くことはなかった。人なつこそうな
方だったので、声をかける。
「鹿か何かいますか?」「鳥を狙ってるんヤ」「2月までですか?」
「15日まで」「気を付けときます」 笑顔が帰ってくる。
そうか、もう2月だからあと2週間で、ハンターからの呪縛も取れて山に入れる。

【ヒレンジャク?】 宮代の里に出る。辿り着いたところは、往きの時の仕事道途中に
小屋があって、その手前から左手の谷に入る道がある。下りはこの道に出た。
 宮代の里で目の前に頬が紅色でしっぽの方に白い線のある小鳥が飛んできた。
先週といい、今日といい、山を下りてから見る野鳥はホッとさせてくれる。



  櫃ヶ嶽について   

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1997.2.15. BY M.KANE