北摂・展望岩巡りの三国ヶ嶽 

 
628m山の展望岩から
■目的地:三国ヶ嶽(697.7m) <山域:北摂・三田市>
■日にち:2009年2月1日(日)
■天気:晴れのち曇り
■同行者:単独
■コースタイム:
  発電所前 発(10:25)〜沢1つ目渡渉(10:30)〜沢2つ目渡渉(10:43)〜Ca440m炭焼跡(11:05)〜
  499m山の岩(11:25-11:40)〜Ca440m炭焼跡(12:00)〜沢で道崩壊地(12:10)〜植林抜けた源頭部(12:30)〜
  竜神の池(13:00)〜天狗岩(13:05-13:50)〜鉄塔Ca640(14:20)〜628m山の展望岩(14:30-14:40)〜
  差桐峠の峠道合流(15:10)〜小柿バス停前(15:25)〜発電所前 着(15:30)

 ひと月前に登ったとき、竜神の池近くに、東の谷に面して「山頂」と書かれた古い道標があった。
地図を見ると谷を下りて小柿方面へ出ることができそうだ。さらに、麓にはその谷を向いた「竜神の池」の
道標もあった。ということで、二つの道標を結ぶルートを歩くのが宿題になっていました。
 雪をさけてはや1ヶ月がすぎてしまった。今週も金曜から雨模様で、日曜は昼から晴れ間かという予報に
期待して出かてみる。寒い日もあったが、前日までの雨で雪は解けているとふむ。
 
小柿からの三国ヶ嶽 (左端が差桐峠)
 小柿の南で山稜を写真に収めようと車を降りる。ほどなく、下山予定地に目論んでいた差桐峠の方から
パーンという銃声。そうなのだ、まだ猟期のまっただ中。この山は一般の八イキングではないルートである。
北の方へ狩が進むようなら別の山にしようかと考える。前回と同じ発電所近くの広い路側に駐車して仕度にかかる。
その後銃声は聞こえないので、さらに様子をうかがいながらの心づもりで予定のコースに出発する。

 前回よリさらに葉が落ちて明るくなった林道は、最初のカーブで、前述の道標になる。
今日は人が通ったように枯れた茅が倒れている。短かい草ヤブの向こうは明確な踏みあとがあり、水量を増した沢に
小さな木橋が架けてある。少し古く、濡れてすべりやすそうなので、沢の石づたいに渡る。

 その先は植林の中のえぐれた道となるが古道の雰囲気が残る落ち葉道。昨日の雨で濡れている。
次第に道は荒れて薄暗くなる。植林の中に入るが苔むした大岩が多い。もう一度沢を渡り、落ち葉道を登っていく。
ぽつん、ぽつんと「竜神の池」の道標がある。
 
古い道標

 
炭焼き窯跡
 しばらく上ると炭焼き窯跡の右手に緩い谷がある。地図を見れば、やはり499m山と山頂との鞍部のようだ。
谷の雰囲気を感じに寄り道してみよう、という気に少しずつなってきた。登るほどに良い感じ。
谷の向かい側斜面もすばらしい冬枯れで美しい。さて鞍部まで来てしまった。予定には入っていなかったが、
下の県道から見上げるとピークに見える499m山に行ってみようか。地図を見ると最初は急だがピーク付近は
のっぺりとしている。木に掴まりながら枯れ葉の坂を登って行くと背後に山頂の尾根が出てくる。

 踏み跡薄い雑木ののっぺりを進んでいくと3m程の岩がゴロゴロと現れて喜ぶ。右に巻いて少し登ると
またのっぺり尾根。しかしすぐに明るくなる手前でもっと大きな岩が二つ。思わず登って眺めを確認。
しかし、雑木が邪魔してもう一つスッキリしない。小柿の谷や羽束山が認められる。木々の向こうに大船山の影。
下にもテラスのような所があるのでそちらに移動、しかし、ここも雑木が邪魔する。青ヶ原方面の冬枯れがその向こうに
横たわっている。振り返ると岩はさらに大きく見えた。
 
499m山の岩から南望
 引き返して、登ってきた鞍部に戻ると丁度正午のサイレンが聞こえてくる。この林で昼食にしようかと掠めるが、
上で食べることにする。炭焼き窯跡の横を行くとすぐ右手にまた良い感じの谷が下りてきている。山道から少し逸れて
のぞいてみる。元に戻って広い谷を登っていくとかなり荒れている。振り返れば、さっき寄り道した499m山の
影が木々の向こうにある。檜が数本、道が流された中で留まっている。既に沢は細くなり、向こうで小さな滝が落ちていた。
その中にも踏み跡があるので辿ってみる。ガラガラと音のした方を見ると猪の親子だろうか、3匹ほど離れていった。

 短い檜林を登った先には、文字が消えて判読できない道標とロープがあった。まだ、ロープに頼るほどではない落ち葉の
斜面を登っていく。しかし、この斜面、既に道の様相はほとんど見あたらず、だいぶ崩壊してしまっている。
この先もいくつかロープがあり、本当にロープに頼らないと登れないようになった。沢筋からだいぶ高度も上がっているので
滑落したら大変だ。
 
ロープの斜面
 そんなこんなを考えながら、再び薄暗い植林を抜けるとガレた斜面になる。上の方には大きな岩が、えっへん、と
立ちはだかるように見える。ガレているがまあまあ良い感じの雑木の谷。落ち葉も多い。
足場に気をつけながら斜面を登っていく。左の方へ巻いて登るとさらにもう一つの谷の源頭が現れる。
ここも荒れた気配はあるものの良い感じの谷である。写真を撮りながらトラバース。辿り着いた鞍部はぴったり
「山頂」の道標がある竜神の池そばである。1ヶ月前に来た時は、この谷を下りようかという思いもよぎったが、
ルートを誤れば安全とは言えない部分もある。今更ながらいい判断だったかなと思う。
 
落ち葉の谷
 今日はほとんど雪のない竜神の池、ここからは山頂東の天狗岩に向かう。陽射しが戻って雑木の落ち葉を照らす。
天狗岩に着くと、多紀アルプスは望めるが、その東の弥十郎辺りが既に雪で霞んできている。ここまで降り出すまでには
もう少し間があるかなと岩を巻いて展望地に着く。この時は大野山も少し白くなってきていた。風も少しある。
コブの鞍部まで戻って羽束川の谷を眺めながら昼食とする。登りに入って銃声は聞こえない。南の尾根の方からもない。
 
雪来る弥十郎
 この岩から尾根を下りようかと思って、少し様子を見たが低木ヤブのようなのでまたの機会とする。
竜神の池の鞍部に戻り、差桐峠まで尾根を南下する。途中で銃声があれば、前回の巡視道で下りようと思ったが、
静かなものである。「火の用心」を過ぎて、赤白鉄塔の下。思ったほど展望はない。ひと一人が通れる程の道が
ずっと続いている。そろそろ628m山かという所でお目当ての展望岩が見つかった。南を見晴るかす岩である。
 
尾根みち
 ここでも銃声がないので、猟は終わったと判断し差桐峠へ向かう。道はいよいよ明瞭で、628m山南西のコブは南側を巻く。
下りになってしばらく続いた踏み跡がだんだん判りにくくなった。峠はもう少し西だと判りつつも南東尾根に惹かれて急降下。
少し五月蠅い低木ヤブが続いて植林に入り、荒れた峠道に下りる。
 谷を下ると道は大きくなっていき、墓地の横を通って民家の間から車道に出た。大船山がいつもながら端正な姿を見せる。
車道をぶらりと車まで戻った。


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2009.02.16. BY M.KANE