■目的地:明神岳(1432m)・桧塚奥峰(1420m)<山域:台高・奈良県東吉野村・三重県飯高町>
■2.5万図:大豆生
■日にち:2001年10月20日(土)
■天気:晴れ
■同行者:単独
■コースタイム:万歳橋登山口 発(10:20)〜ワサビ谷(10:50)〜奥山谷965m地点(11:20)〜
明神平(12:45-13:05)〜明神岳(13:35)〜桧塚奥峰(14:15-14:40)〜
桧塚と桧塚奥峰分岐(14:45)〜マナコ谷登山口 着(15:25)
【再び台高へ】 先週の桧塚は良かったが少し曇ったので、晴天の日、また行くことにした。
起きたら7時。2時間も寝過ごしてしまった。急いで着替えて出発。子供たちは学校なので、
今日はー人。あわよくばML仲間のえびちゃんと合流できるかと思っていたが、この時間では
無理だろう。先週はマナコ谷のピストンだったので、今日は奥山谷から回ってみる。
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木屋谷の山道 | ワサビ谷を見上げる |
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【木屋谷川】 マナコ谷登山ロ周辺は先週より車が多い。その中にはえびちゃんのも発見。
わずかな空き地に停めて万歳橋へ歩き出す。橋のたもとの道標にしたがって植林の中へ入って
いく。沢音が大きい。足下の樹間から翡翠色した木屋谷川が覗く。ふた抱えもありそうな木を
いくつか見上げて歩く。足元は細く谷に切落ちそうな個所もあった。ずっと植林が続くかと覚
悟していたが、いつの間にか自然林に変わっていた。左上から落ちる小沢をいくつか過ぎると、
ワサビ谷と思われる幅3mほどの沢に出合う。渉るのは造作ないが対岸の道が不明瞭。踏跡の
見当をつけて斜面にへばりつき数mも行くと踏跡がなくなる。少し下ってもないので尾根に向
って登る。こんな山域でのヤブ漕ぎははじめてなので、ちょっと緊張。しかし、間もなくテー
プのついた巻道に出合うことができた。
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965m地点二又を見下ろす | 奥山谷を登っていく |
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【965m地点へ】 しばらくすると造林小屋が左にある十字路に来た。情報では右と聞いていた
ので小尾根を下りる。すぐに踏跡が消える。そんなことはあるまいと造林小屋に戻り、植林の
中へ入っている巻道を採る。へばりつくような道が木屋谷川の真上を行くようになると朽ち果
てた木橋の残骸とともに行止りとなる。大きな音をたてて沢が合流している。よく見ると赤テ
ープが水際についている。ここがガイドにある965m地点と判断。気をつけて岩を飛んで渉る。
きれいなうす翠色の水がとうとうと流れ来る。
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陽射し輝く奥山谷を渉る | 黄葉が増してきた |
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【秋の谷】 奥山谷の左岸を高巻くように歩く。やがて道は流れの近くに寄ってくる。時に右
へ左へ渉り返しながら登っていく。その間、黄葉の度を増していく梢。このいろどりは一歩進
む度に溜め息の連続。いろいろな形の庭園が走馬灯のように展開するようだ。時に道を失い沢
や落葉の上を探すのも楽しい。大きな二又にさしかかると青空が見える。地図を見て右に採り
一面錦繍の中を登っていく。何人か下りてくる。沢は枯れてササが出てきた。
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奥山谷源頭 | 明神平と水無山 |
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【ピーカン高原】 空の青と木々の朱、心地好い色彩が360度広がる。そろそろかなと方角を
確認したら水無山の方へ登っていたようだ。それにしてもいい林だ。朱一色の林の中を左へ
トラバースして人の声響く明神平に飛び出る。南に少し登返して振り向くと国見山が青空の
下に横たわっている。えびちゃんがいないか、じゅんぐりと見渡すがやっぱりいないようだ。
昼食にする。無線を聞くも応答なし。いずれも時刻が少し遅い。冷えてきたので荷をまとめて
歩きはじめる。振り返ると青空と黄葉がまた素晴らしい。
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三ツ塚分岐の手前にて | 三ツ塚分岐から明神岳への尾根道 |
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【稜線の秋】 緩いササを登ると前山までの広いササ原が広がる。心地好い高原の小径。
三ツ塚分岐へ向かう。黄葉たけなわの稜線。明神岳は山名板が二個所あった。最初のポイント
では桧塚方面・東への踏み跡がない。薊岳だろうか木ノ実ヤ塚かなと遠望を垣間見ながら
稜線を行く。後で知るが大峰の山並みもはっきり出ていた。ふたつめの明神岳山名板が現れ、
桧塚奥峰への小さな道標もある。西の眺めを惜しみつつ鹿の声響く一面のブナ黄葉の樹林斜面
を東下につく。ササ下生えに一筋の踏み跡を辿っていく。時折赤テープが現れる。まばらなブ
ナの林に爽やかな風の音と野鳥の声。
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明神岳から南の台高稜線 | 明神岳から桧塚奥峰への道 |
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【奥峰へ】 地形図で桧塚奥峰までのこぶと鞍部の数を確認し、実地に照らして現在地を知る。
天気がいいのでこのような簡単な方法で事足りるが、ガスが出たら迷いそうだ。今日も以外に
往きかう人が多い。いよいよ桧塚奥峰への登り。とはいっても緩いササの丘。青空はまだ待っ
てくれている。山頂は林の中。少し西に行くと桧塚へのササの尾根が先週よりも鮮やかに横た
わっていた。
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木屋谷へ落ちる尾根 | 奥峰も間近になる |
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【展望】 山頂にもどって今度は少し南の方へいってみる。ヌタハラ谷を眼下に迷岳から池木
屋山などの台高の山なみがうねうねと横たわる。遥かな山の黄葉は不鮮明だが直近はすばらし
い。足元の尾根は小振りの大蛇くらを思わせる。右手のササの尾根もいい。こんなに眺めのい
い展望台があったとは感激である。長居をしてしまう。
パノラマ作成協力:島田さん
【下山】 桧塚へ向かうとテントがひと張り。朝夕の風景はさぞ素晴らしいことだろう。
時間が遅いので桧塚へは割愛して分岐からマナコ谷へ追われるように下った。それでも千秋峰
のササ尾根からは高見山地から水無山や室生の尖峰、迷岳など眺めて飽きない。実に素晴らし
い山旅だった。