早春の丹波・小金から八ヶ尾縦走      

八ヶ尾山  
 小金ヶ岳から見る八ヶ尾山 (中央奥の八の字型)
■目的地:小金ヶ岳(725m)・峠山(630.6m)・八ヶ尾山(677.6m)
■2.5万図:村雲          <山域:丹波・篠山市>
■日にち:2001年3月3日(土)
■天気:曇り
■同行者:単独
■コースタイム:

  大たわ 駐車場 発(9:30)〜小金ヶ岳(10:15-10:25)〜岩峰(10:55-11:05)〜
  川阪と火打岩の峠(11:35)〜544m山(11:50-11:55)〜川阪と上篠見の峠(12:05)〜
  峠山(12:35-13:15)〜筱見キャンプ場の道合流(13:30)〜616m山(13:40)〜570m山〜
  約515m鞍部(14:15-14:20)〜八ヶ尾山(14:55-15:15)〜小原 着(16:00)

【大たわへ】 三岳は上の方にうっすら雪を被っている。北摂はそうでもないが篠山まで
来ると寒い。火打岩バス停で時刻を見るとやはり土曜日は18:00の便がない。
ここに車を停めて小金ヶ岳正面コースを登る予定だったが、バスがないのならタクシー。
本篠山から戻るとしても火打岩も大たわも一緒だと、大たわまで行く。実に気まぐれ。
すでに3台駐車。峠のちょっと手前から粗目の雪が路上に残っている。
小金ヶ岳  
岩稜と小金ヶ岳 
【小金へ】 支度をして久しぶりの植林の道を緩やかに登る。雪が1、2cm積もっている。
既に足跡があり、しばらく行くとその主が下りてきた。親子3人。早いなぁ。
 10分ほどで尾根筋に出る。一段と雪は多くなり、今度は階段を上っていく。周りの木の
枝にも雪。平坦な道になり道脇の岩にリュックを下ろして中のセーターを脱ぐ。さて、ここ
からいよいよ岩場が続く。前方には岩峰を従えた荒々しい小金ヶ岳。真っ白ではないが雪を
被って立ちふさがるような感じ。
 いくつか岩を巻いて行く。ロープや鎖が付いているところもある。直登気味の所は確かに
ロープに頼らないと登りにくい。アイゼンを着けるほどではなかった。急登を抜けると
真っ白の山頂。先の親子連れの足跡。立木が大きくなっていて期待外れ。それでも360度。
期待が大き過ぎただけ。白髪岳方面も見えるし、八ヶ尾への尾根もうねうねと並ぶ。
ゼリーでエネルギー補給。

【雪の尾根】 さて、ここから東の尾根の始まり。一本道だし3年程前に歩いているので
まだ地図は出さない。雪のトンネルを急降下。下りで滑りそうになると木に捕まったりして
下りるが、そのたびに頭上から雪が落ちてくる。びしょぬれ。
新雪の道をアップダウンで二つほど大きめのピークを過ぎれば、いよいよ岩綾が出てくる。
見晴らしが良さそうなのでそのたびに登ってしまう。
 WMさんの電波が出ている頃かなと思い、無線機のスイッチを入れる。丁度島田さんの
コールが入ってきた。とんがり山から。南には鍔市ダムの水面が見える。北の斜面には
ギャーギャーとにぎやかな声の鳥が飛んでいる。
被った雪で冷えたので先を急ぐ。ササが道を覆いだした。ここでやっとスパッツを着ける。
また岩峰あり。これに登ると八ヶ尾山まで望める。遙か向こうに見えるなぁ。

【植林の尾根】 左手が植林になる頃は峠が近い。この辺りは雪がなくなり歩きやすい。
急降下。久しぶりの峠は以前と同じ道標が付いている。火打岩の方は整備されているような
雰囲気。しかし、この峠はササが伸びており、下りてこないと道標さえも判りづらい。
 上りはまた階段が続いている。一段一段かみしめるように登っていくと、途中にベンチが
あった。小休止。無線機を聞いてみるとWMさんが高見城山から呼んでいる。ちょっと高度が
低くて周りは雑木林だから応答するも届いていないようだ。向こうの波はよく聞こえるのだが。
しばらく交信の様子を聞きながらブレークを入れてみたりするがやはりだめ。
 この544m山は始めてきたが幅3mほどの道が続いていて実に歩きやすい。しかし、左は依然と
して植林。川阪と上篠見の峠についた。ここは4年ぶり。当時の面影はまだ残るがここも前回
来た時よりも歩きやすそうな雰囲気である。
峠山  
544m山の東から峠山 
【落ち葉の尾根】 さていよいよ峠山である。しばらく登ると今までとは違った雑木林の斜面が
右下に広がっていく。前回はまだ夏草の残る初秋だったので、この道の階段は覚えがあっても
冬枯れの姿は目を見張る光景だ。つづら折れに高度を上げる。WMさんのコールは続いている。
彼が下山しないうちにと、中腹ではあるがこちらから呼んでみる。するとしまださんがWMさんに
私が呼んでいるのを教えてくれた。なんとおもしろい展開。みんな聞いているんだ。
峠山へ  
峠山を登る 
【峠山】 信号が弱いものの何とか交信できた。さて、登りはまだ続く。山頂近くになるとまた
左側が植林になる。右の雑木林は雪の床。三角点は南の雑木林の葉が落ちて明るい雰囲気。
見晴らしはないが、風に曝されることもないのでここで昼食。カップラーメンにお湯を入れて
無線機のスイッチを入れるといきなりしまださん。続いて母たぬきさんに父たぬきさん。
話していたらラーメンがふやけそうなので、食べながらとなる。さてそろそろ下りないと時間が
気になってきた頃、しまださんからのコール。何と下山地まで迎えに来るよという事になった。
全く期待していなかった展開でこの先の歩きに気が軽くなる。

【ササの楽園】 峠山は緩やかな下りの中、途中に北の眺めの岩と南の眺めの岩があった。
北の眺めの岩でこの先の縦走路の様子を地図と見比べて確認しておく。これは後で役に立った。
歩きやすい尾根道は右前方から筱見キャンプ場から上がってくる道に合い。さらにその10mほど
先には道が3つに分かれている。まっすぐは尾根を登る微かな踏み跡。右はキャンプ場へ下る
ようだ。左はピークを巻く縦走路であろう。北側であるためまだ雪が残っている。久しく見る
人の足跡。四十八滝から上がってきたようだ。振り返ると林越しの峠山が大きい。
 巻き道が鞍部に差し掛かる頃、今までにない景色が広がった。ササの下ばえの雑木林が広々と
展開する。右下に湾曲しながら滝への道が下りている。この広場の縁を辿るようにぐるりと広い
道をいく。次第に荒れてきた。幅はあるが茨やササが多くなる。地図を見ると縦走路から逸れ
そうなので、一旦、616m山へ横から直登してみる。まばらな林から徐々に低木が密生、しかし稜
線には薄い踏み跡がある。茨よりもこちらがいい。
ササ  
ササの原 (616m山の東)
【ヤブの尾根】 のっぺりとした616m山を越えてすぐに上り返してくる道と出会う。しかし道は
引き続きササと茨多し。道向こうにササ下ばえの林がここでも広がっていて、なかなかいい感じ。
茨の中をゆるりと登って道なりに行くと南の637m山へ向う。東には冬枯れ越しに八ヶ尾山が裾を
ひく。引き返して約605mコブへ登る。北が植林となりその縁を膝ほどまで繁るササの道。足元は
見えないが道は微かにわかる。ここから570m山を含めて二つのコブを越す。いずれも踏み跡薄く
ササ下生えの低木ヤブ。やっとヤブらしい径になった。570m山を下りると落ち葉と雑木の尾根。

【八ヶ尾山へ】 2年前に八ヶ尾山へサルブイ沢を登った時に辿り着いた感じの良い尾根に着く。
懐かしくもありほっとひと息。ここから先は登りが続くのでゼリーを補給しての小休止。斜面の
落ち葉に雪。さて。最後の登りだ。急なので枝に掴まりながら登る。足もだいぶ疲れてきた。
雪で滑りそうなのもつらい。登りが緩くなると今度は小さな岩稜がぽつりぽつりと出て来る。
これもまた懐かしい。巻いたり登ったり、眺めを楽しんで一息ついたり。八の字型の目指す山は
いよいよ大きくなった。山頂手前は茨が激しい。初めてならどこから入るのか迷うかもしれない。
山頂も茨に囲まれている。枯れ立ち木に緑の山名板。
山名板  
山名板
【沢音】 南の切り開きから弥十郎、飛曽山、深山、東多紀の雨石、櫃ヶ岳とよく見える。大野山も。
この眺めを味わいながらコーヒーを一杯。ふぅ。
 しまださんに16時小原の約束なので、そろそろ下りる。脇のササヤブでがさがさと音がする。
茨の間を抜け、ササを急降下。鞍部からは東の谷を降りていく。この谷がまた良い。冬枯れで明るい。
今日は雪が少なくササや落ち葉の斜面が両側に広がる。前方は枝越しの東多紀。静か。
 沢音が聞こえてきた。水は清い。水底の小石がきらきら。念のため無線機のスイッチを入れる。
心地よい下りの末に小原集落へ出た。スパッツを外し鈴を収めて身支度を直し、しまださんの待つで
あろうR173へと歩き出す。
水底の小石  
水底の小石
【感謝】 !見覚えのある車、発見。何としまださんではないか。こんなにすぐ近くまで来ていた
だいていたとは感激。嬉しくて飼い犬のように車に入り込む。車中、「山を駈ける風になれ」などの
尽きない話をして大たわへ。ここでコーヒー。もっと話していたいが暮れてきたのでお礼を言って
自分の車へ移る。林道の途中、背後に小金ヶ岳が植林の上に黒くとんがった。
 しまださんのお陰で計画以上に楽しく縦走できました。ありがとうございました。

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2001.3.11. BY M.KANE