晩秋周遊・半国山     

落ち葉の林道  
落ち葉で覆われた林道 
■目的地:半国山(774.2m)<山域:丹波・京都府亀岡市>
■日にち:1998年11月28日(土)
■天気:曇り時々雨後晴れ
■同行者:単独
■コースタイム:
  千ヶ畑 発(8:40)〜林道から山道「フキ谷」(9:05)〜るり渓分岐(9:20)〜
  井手分岐(9:30)〜山頂(9:35-9:45)〜井手分岐(9:50)〜るり渓分岐(10:00)〜
  杉ヶ沢コース出合(10:10)〜谷の炭焼跡(10:15)〜赤熊コース出合(10:35)〜
  赤熊コース〜巡視道「火の用心」No.120(10:45)〜
  ハイク道と高圧線の交点(11:10)〜井手分岐(11:15)〜千ヶ畑 着(11:55)

【半国山】 明智光秀の居城があった亀岡盆地を西から見下ろす山。
国界では丹波の山であるが、北摂の続きのように感じる。
大きな山である。ハイキングコースが五つ、それ以外にも道があるようだ。
 今回は早起きして丹波霧の雲海を見る計画。前夜は寒冷前線を伴う低気圧が通過し
て大陸から冷たい風が入る。起きて空を見上げると晴れ間あり。さて、霧は...

【林道】 里にも黄葉が下りてきた。この週末が最後の見頃かもしれない。半年ぶり
の千ヶ畑、登山口になる林道辺りは府道の拡張工事中。素朴さが薄れてきたなぁ。
府道脇に車を停め、林道に入ると最初は植林で薄暗い。やがて黄葉の雑木林になる。
落ち葉が敷き詰められて、沢音が響く。心地良い山道になってきた。
 近道と書き加えられている巡視道指標、「火の用心」No.123を右に見てさらに奥へ。
突然、パタパタパタとヤマドリが飛び立つ。左に直径1.5mほどの丸い岩を過ぎると
自然に林道から山道に変わっていく。左の古い道に「フキ谷」と記された京都営林署の
看板があった。少し荒れた植林を登ると炭焼き窯跡の石積みを右に見る。小さな沢を
2つ渡り、鬱蒼とした植林の登りが続く。ゆっくり曲がって、さっきの沢の上流を
渡り返し、沢音を聞きながら行けば、足下にササが出てきてハイキングコースに
出会う。

【小ササの道】 この山の人気の一つ、小ササが広がる明るい鞍部である。
738mピークと半国山山頂の間になる。
ハイキングコースは、左(南西)に10m行けば道標があり、「るり渓」が北の植林谷を
指している。これは置いておいて、山頂へ向かう。緩い登りの足下はササだが、木の
葉はほとんど落ちていて明るい。井手への分岐を左へ曲がり急登をあえぐと山頂。
手前にはササが茂って水玉がズボンに冷たい。

【周回みち】 誰もいない山頂。愛宕山には雲がかかっている。その下の亀岡盆地は
霧なし。上空は北東に雲があるがおおむね晴れ。汗が冷えてきて寒い。東のポンポン
山などは逆光で黄葉の展望も楽しめない。さてと、どうする。
 以前、山頂の下に周回する道があると言っていたおじさんの言葉を思い出し、ほぼ
目安がつくので行ってみることにする。来た道を戻って登った時の鞍部から「るり渓」
を指す植林へ下りていく。沢を横切り杉林の中を予想より長々と下りる。かなり西の
方へ向いてしまった。10分程で杉ヶ沢からのコースに出会う。これは今年の3月に見
覚えのあるポイントである。私が下りてきた道を指して「半国山」の道標がある。
 ここは右(東)へ折れる。この先はよく覚えている。人が少ない良い感じの道だ。
杉ヶ沢コース出合  
杉ヶ沢からのコースに出会う 
【落ち葉三昧のみち】 雑木林の頭上は黄葉真っ盛り、足下は落ち葉が敷き詰められ
て誰も踏んだ跡がない。低山・晩秋の真骨頂である。前回、昼飯を食べた谷の炭焼跡
に着いた。ここの黄葉は素晴らしい。あいにく雨粒が落ちてきた。そうでなかったら
コーヒーで一服したい場所である。
 小さな尾根をいくつも巻いてゆるりと登る道を辿る。何度も似たような風景を繰り
返す。どこまでも落ち葉が心地よい。来て良かったなぁ。しあわせ。

【谷道】 いよいよ山頂方面が右に分岐する赤熊コース出合に到着。周回するなら、
ここはどう見ても真っ直ぐしかなさそう。植林の中を下る。...ちょっと待て。
地図と磁石を出す。このまま行くと音川渓谷に沿って赤熊へ下りてしまう。この怪し
い天気の中での車道歩きはイヤだなぁ。そう思いながら、右へ分かれる道を探りつつ
高度は落ちていく。10分程で「火の用心」No.120 と記された巡視道の赤札を見つける。
沢音も間近に聞こえる。指標に沿って少し荒れ気味の道を行くとすぐに沢を横切り、
緩い登りの末にまた沢に合う。紅葉がきれい。晴天なら尚更だろう、惜しい。荒れた
植林の中を登って白い「火の用心」指標が、No.120 は左を指すが真っ直ぐ上る。5m程
の大岩が葉の落ちた林の中に1つ、2つと現れる。この辺りに来るとなかなかいい雰
囲気に戻ってきた。
 さらに5分ほど上ればNo.のない白い「火の用心」指標が左を指す。沢のある右前
方の上に鉄塔が顔を出す。しめしめ、これで現在位置は確定。その先には再び赤と白
の「火の用心」指標が現れる。白No.121が手前を、赤は右の鬱蒼とした杉林を指す。
ここはいずれにも従わずに沢沿いに歩くと、足下のササが山頂に近づいたことを物語
る。小ササの中に立つ白い「火の用心」指標で右折(南西へ)して見覚えのあるハイキ
ング道に辿り着く。
杉ヶ沢コースの沢  
沢にも落ち葉 
【山道錯綜】 以上、谷を下りて上り返す経過を長々かつ淡々と書いたが、こんなん
だったら、赤熊コース出合で山頂へ向かうんだったと何度思ったことか。(^-^;
 見覚えのあるハイキング道付近はいろんなところへの分岐があちらこちらにあり、
とても文章では表現できない。別途、概念図を書きましょう。(^^;;

【近道】 谷の上り返しに疲れたので、千ヶ畑への近道を下りてしまおうかと思った。
が、せっかくここまで来たのでちゃんと周回せねばとハイク道を西に向かって5分で
山頂に分かれる井手分岐に到着。念願の半国山山腹周回を遂げたのでした。
 元気ならばもう一度山頂へと行くのでしょうが、天気も良くないので、今日3度目
となる道を歩いて、忠実に朝に登って来た道を下りていく。林道でMTB4人組とソロに
会う。午後からは天気も快方に向かうだろうから良い山頂が迎えてくれることだろう。
千ヶ畑口に着くと晴れ間が見えてきた。里は黄葉真っ盛りである。

【お湯への道】 今日は正当派ニューヨーカーの準備をしてきたので、汗まみれの
体を温めに、かんぽの宿へ向かう。途中、車道の回りは黄葉だらけ。まっ黄ぃ黄。 
 昼飯時と重なってか、客の多い湯舟に足を伸ばして体を沈めると、じわじわぁっと
ぬくもりが押し寄せてきて最高! これからの季節、温泉がありがたい。

  半国山について  / 半国山 山頂周辺の山道図   

  山のリストへ  / ホームページへもどる


1998.12.4. BY M.KANE