春の里をつなぐ半国山 山行記 

 
   里の花
      
     1998.3.22. 

■目的地:半国山(774.2m)<山域:丹波・京都府亀岡市>
■日にち:1998年3月22日(日)
■天気:曇り時々雨と雪後晴れ
■同行者:単独
■コースタイム:
  広野 発[285m](12:30)〜採土場から山道(12:55)〜杉ヶ沢テニスコート(13:25)〜
  かれ谷の炭焼跡(14:10-14:25)〜赤熊コース出合(14:40)〜山頂(15:05-15:10)〜
  井手への分岐(15:20)〜林道終点(16:00)〜井手・JA本梅支店 着[195m](16:20)

  バス:京都交通 本梅車庫前(17:06)=広野(17:18)
  
【半国山】 明智光秀の居城があった亀岡盆地を西から見下ろす山。
国界から見ると丹波の山であるが、北摂の続きのように感じている。大きな山である。
ハイキングコースが五つ、それ以外にも道があるようだ。
 今回は未踏の2コースを辿る。先日金山の帰りに見ておいた西の杉ヶ沢から山頂を
経由して東の井手へ。そしてバスで戻るという計画。

【杉ヶ沢へ】 バスの終点、広野は最近宅地開発が進み、山の中というイメージが
薄れてきた。すぐ山手には採石場がありそこまでの舗装道を登る。逃げるように
静かな沢の山道に入る。さっきまでの殺伐とした人工の風景が嘘のような道だ。
きれいな沢が流れている。谷をゆっくりと登っていく。
 途中、沢が二筋になるが、沢と沢の間を登る。この道とて、ジメジメした半分沢の
ような道である。やがて明るくなると見覚えのあるリンゴ園。金山の登り口だ。
雨がぱらついてきたので雨具をすぐ出せるようにする。舗装道を突き当たりまで
歩いて右の杉ヶ沢集落の方へ向かう。
 
   杉ヶ沢の集落と
    738mピークの西稜 
 
          1998.3.22. 
 
 
 
【春のあぜ道】 静かな里の道ばたには、ふきのとうがホイホイと顔を出していて スミレが周りを囲む。半国山の道標が民家の方を指し、道なりに進み、テニスコート の横を通りログハウスがある。この家の前に幅10m位の道が分かれ、ここを少し行くと 前方に半国山ハイキングコースという大きな看板がある。この辺は、かつて別荘地 として整備されたようだが、木々がはびこり遠い過去にしまい込まれようとしている。 【忌まわしきバイクの跡】 今回のコースは道標が整備されていて地図をほとんど 見ないで歩ける。楽だけれど地形が未だに頭に入らない山である。  旧別荘地の道から左の山道に逸れて、明るい雑木林の中を登るようになる。本当は 早春の落ち葉道といきたいところだが、真新しいバイクの跡が延々と続く。落ち葉が 踏みにじられるだけでなく、道がえぐられ、脇にスリップしたり樹皮を擦りむいたり と歩きながら不愉快この上ない。  植林の中を道標に従って進む。タイヤの跡がなければ、どれほど気持ちのいい道に なったことか。やがて山頂への道標が植林の中へ上を向くが、タイヤにつきあうのは まっぴらなので、まっすぐ進む。 【枯れ沢】 いくつかの沢を渡り、山腹を巻くような道を行く。多少倒木があるが、 開放感漂う良い道だ。明るい枯れた沢に炭焼窯跡のようなものがある。 静かな雰囲気が気に入ったので、ここで遅い昼食。  空は曇りからいつの間にか、ポツポツと小雨模様になってきた。こうなったら林の 中の方がいい。そそくさと片づけて歩き出す。  【とおり雪】 常緑樹の混じる少し薄暗い林の中を過ぎ、明るくなったかなと思うと 今度は白いものが落ちてきた。何と雪である。みるみる落ち葉道が白い粒でいっぱい になった。まぁ、この道をそのまま行けば、音羽渓谷か金輪寺への尾根に着くだろう と、焦りもせず春の遅い雪を見物しながら歩く。  後で地図を見ると、エアリアマップ「北摂の山々」の杉ヶ沢ハイキングコースと 記されたルートを辿っていたようだ。尾根にも別の道があるようなので、次回のお楽 しみ。
 
   赤熊コース出合から
        山頂への道 
 
          1998.3.22. 
 
 
 
【小ササの登り道】 ちょっと小広い峠に着いた。道標もある。まっすぐは赤熊、 右が山頂。何とまたもバイクの跡がある。小雪もやんで空は明るくなってきたので、 山頂へ行ってみることにする。登りになると暑くなる。シャツ一枚になって、足元に 白いササの覆う道を登っていく。葉の落ちた木々の向こうに深山が覗き、やっと方向 を実感する。絵に描いたような早春の里山の道に巡り会えて、得したような気分。 【小ササの下り道】 山頂は誰もいない。見慣れた展望だ。亀岡盆地の向こう側に 大きな愛宕山。南の急坂を井手の方へ下りる。ここにもバイク跡。スリップして木の 幹が擦りむけていた。痛々しい。オートバイは立入禁止!(-_-メ)  半国山は山頂が、台地の上にポコンとのっかった様な形になっており、山頂周辺は 白っぽい小ササで覆われている。この独特の雰囲気が好きだ。  道標に従って良く整備された山道を行く。先日の多紀アルプスと正反対の女性的な 道。ファミリーにも最適。711mピーク付近まで植林と自然林の間の道となる。 【松の回廊】 今まで道標はずっと白地だったが、初めて青地に白文字の道標に出く わす。(15:35) ここで少し右に曲がり、緩やかな下りが延々と続く。赤松の混じった 林の中をほぼ南を向いて下りていく。ゴソゴソと獣の気配。姿は見えず。10分ほどで 今度は左の谷へ下り、植林を抜けて堰堤の工事現場を過ぎると林道終点。  バスの時刻が気になってきたので長い林道を小走りに下りる。右に堤があって左に 小さな明るい墓地を見、右に竹林。この竹林で道が分かれているので右の方へ入った。 【出雲神社】 神社の後ろのようだ。ぐるっと回ると大きな杉の木と鳥居がある。 立派なふた抱えほどの杉には、亀岡市の大木名木の指定札がついている。神社の名は 何と出雲神社。すぐ前が小学校。見たことあるなぁと思って民家との間の路地を出る と、丁度JA本梅支店バス停のすぐ近くである。
 
   ホトケノザ
      
     1998.3.22.
【ホトケノザに惹かれて】 バスを待つ間に...そんな唄がありましたなぁ。 5分ほど時間があった。ジュースを飲んで一服し、建物の脇のあぜ道に目をやると、 緑の草に混じって、晴れ間からの日差しにきらめくピンクのホトケノザがきれいだ。 もったいないなぁの出来心で写真を一枚撮る。その時です、せっかく小走りで間に合 わせたバスを乗り過ごしてしまいました。(^.^;, 【加舎神社】 のどかな加舎の里を楽しみなさいということかなと、とぼとぼ広野に 向けて歩くことにします。たんぽぽやナズナ、ヒメオドリコソウにオオイヌノフグリ、 フキノトウと雨上がりの日差しにみんなキラキラしています。  道脇の神社の説明板を読む。忘れていた「時」の過ごし方を教えて貰ったようでも あります。この加舎神社の説明で、昔は「加舎」を「賀舎」と書いていたというのを 知りました。ひとつ賢くなった。 【ヒメオドリコソウのバス停】 JA本梅支店バス停からひとつ先の本梅車庫前バス停。 車庫前といっても田畑の中ののんびりとした広場。丸太に腰を下ろして時間をつぶす。 すぐ脇のあぜ道が目の高さになり、ヒメオドリコソウがみんなこっちを見ているようです。

  半国山について   

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1998.3.30. BY M.KANE