半国山で雪にまみれる     

落ち葉道  
新雪残る杉ヶ沢コース 
■目的地:半国山(774.2m)炭焼跡の谷 <山域:丹波・京都府亀岡市>
■日にち:2000年2月11日(金)
■天気:曇り後晴れ
■同行者:単独
■コースタイム:
  井手・本梅小学校 発(10:15)〜ため池(10:30-10:35)〜林道終点(11:10)〜
  尾根道合流(11:25)〜高圧線下(12:00)〜山頂(12:15)〜赤熊分岐(12:30)〜
  杉ヶ沢コース〜炭焼跡の谷(12:50-13:20)〜赤熊分岐(13:35)〜音羽渓谷〜
  林道終点・お地蔵さん(14:20)〜赤熊(14:30-14:35)=
  =京都交通バス=宮前(14:45)〜井手・本梅小学校 着(15:15)

【半国山】 2日前の雪がまだ残るとは知らず、去年歩いた杉ヶ沢コースの落ち葉道、
飽きずに通う。落ち葉は雪で隠され、冬の陽射しが今までとは違った道に見せます。
南から北へ縦走したいと思いましたが、冷たさとバス時刻未調査で引き返しました。

【井手から】 お手軽の千ヶ畑から登るつもが、車での道を間違えて歌垣山の前を
通る。ここなら井手が近い。しかし登りは長い。以前、下りに歩いたことがあるので
なんとかなろうとあっさり井手から登ることにする。本梅小学校に近い広い路側に
停めさせてもらい出雲神社の横を通って林道に入る。
みなも  
みなも静か 
【みなも】 日陰には雪が残っている。我が家の近くよりも寒い様だ。ずっと家の中
ばかりで過ごしていたので、張りつめた空気の中、ジャリ道をとぼとぼと歩く。緩い
緩い登りの途中左手にため池がある。ちょっと寄ってみた。711m山からすらりと延び
た尾根と前衛のコブがいい感じで広がり、水面(みなも)にも静かに映し出る。今日は
これで帰ってもいいくらいのいい景色である。

【松の道】 さらに歩いていくと、明るい陽が射してきた。先程からあちこちで、
ボトッ、ボトッ、と音がする。高い枝先の雪が落ちる。赤松の多い山である。林道は
途中でクネクネと曲がり大きな分岐が二つある。最初は左、その次は右に採ると一面
雪で覆われた林道終点に着く。堰堤の上も真っ白である。高い植林杉が立ち並ぶ。

【冷たい雨】 堰堤の周りの木々からはぽたりぽたりと雪解け水が落ち、冷たい雨。
防水のキャップを取り出しこれで登りにかかる。足元はシャーベット状。尾根に上が
るまでの辛抱だと雨衣は着なかったが、リュックもかなり濡れたようだ。内からは汗
が出てきて体中がジメジメとなる。陽射しもほとんど届かない常緑樹も多い雑木林。

【白い尾根道】 既に重い足となって尾根に辿り着く。ここも日陰の中。道は真っ白。
誰の足跡もない。右(北西)の緩い登りへ。また時々雪が落ちる。さすがに冬も最中に
なれば葉が薄く、細い尾根の両側に山影や里の家が見え隠れする。ウサギや鹿と思わ
れる足跡が続く道。葉のない林になってくると、陽射しに輝く白い雪と青空が冬枯れ
と合わせて実にいい色合いである。こんなにいい天気になろうとは、望外の幸せ。
陽陰
 北面の道 
【北面の杉】 キュッ、キュッ、と雪を踏む音が段々と軽やかになってきた。既に
5cm程の積雪。静かな道。両脇の白い地面からは立木が延びる。
 711m山もいつの間にか過ぎて北斜面の植林巻き道となる。さすがにここは白一色。
とても同じ山とは思えない。低い木の小さな枝にさえも綿菓子のような雪。日が経っ
ても吹雪のすさまじさを残す様である。

【ひとの足跡】 北斜面もじきに過ぎると広々とした山頂下の林。また陽射しあり。
千ヶ畑から上がってきた高圧線も見える。この辺りから雪の道に他人(ひと)の足跡が
入り乱れている。なんだか、自分の山はここまでという気分。山頂の方から声。
今日は山頂でなくこの辺をうろうろしようと思っていたのだが、この雪景色に惹か
れて、寄ってみたくなった。ここらに多いササの下生えも雪で覆われ別世界。北摂で
もこんな景色が見られるとは嬉しい。山頂への急登は陽射しでぬかるんでいた。

【ひとりの道】 山頂は10名ほど。雪で座るところもないので、そのまま通り過ごし
て北へ下る。こちらも他人(ひと)の足跡が着いている。が、雪が厚い。アイゼンが
あっても良いくらい。滑らないように下りる。木の間から深山が見えた。あちらも白
い。赤熊分岐で左折して杉ヶ沢コースへ入る。ここは再び真っ白な雪の道。誰も歩い
た跡がない。うーん、やはりこうじゃないとなぁ。北斜面なので雪も多く、斜めに
射す陽が木の陰を映す。いくつも小尾根を巻く道が続く。何度も同じ様な写真を撮り
ながら炭焼き跡を目指す。沢の音が雪解け水で賑やか。
炭焼き跡
 炭焼き跡の谷 
【白い谷】 炭焼き跡へは常緑樹の下りトンネルを通る。この谷は広いので開放感が
あり青空も良く見える。一面の雪。思ったよりも明るいのでここでやっと昼食にする。
敷物を持っていなかったので腰は下ろせない。(^^;;
 カップ麺ができる間、地図を出してこの先のルートを検討する。お手軽千ヶ畑では
なく充実井手コースを登ってきたので既に足はくたびれかけている。このまま北上し
て八田へ出たいがバスがなければこの山の麓を半周しないと車まで辿り着かない。そ
んな元気はなかろうと大事をとってここから引き返し、赤熊へ下りることにする。

【沢音】 食事の後、去りがたい景色を瞼に収め、自分の歩幅を辿りながら赤熊分岐。
植林の中へ下り、再びシャーベットの道。音羽渓谷の沢音が徐々に大きくなる。
時々沢に入ってみて雪を被った岩の写真を撮る。道脇の大岩につららが下がる。
林道終点にあるお地蔵さんに安全下山のお礼をして赤熊バス停。時刻表を見るとあと
5分でバスがある。しかし行き先が少し違う。

【歩道】 バスはがらがらの亀岡行き。宮前で下りて舗装道を井手まで歩き。右手に
横たわる半国山、山頂は見えない。歩道は丁度下水道工事の最中。休みにご苦労様。
まだかなまだかなと足がくたびれた頃、薄汚れた愛車が見えてきた。


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2000.2.16. BY M.KANE