花の白山、池めぐり     

御前峰 一瞬晴れた御前峰

■目的地:加賀白山・御前峰(2702.2m)
■日にち:1999年7月24日(土)
■天気:曇り後晴れ 山頂はガス(暑くもなく寒くもなく)
■同行者:単独
■アクセス:
  自宅 発(4:30)=(名神・北陸 道)=福井北IC(8:00)=市ノ瀬(8:50)
  市ノ瀬(9:10)=臨時バス=別当出合(9:25)    (↑マイカーはここまで)

■コースタイム:
   別当出合 発(9:30)〜中飯場(9:55)〜別当出合3km・室堂3km地点(10:30)〜
  甚之助ヒュッテ100m手前(10:50-11:05)〜南竜分岐(11:25-11:30)〜
  黒ボコ岩(12:00-12:05)〜弥陀ヶ原〜エコーライン分岐(12:20)〜
  水屋尻雪渓脇〜室堂(12:35-13:00)〜高天ヶ原(13:15-13:20)〜
  御前峰(13:35-13:50)〜紺屋池〜北竜分岐(14:20)〜池めぐりコース〜

   室堂(14:50-15:00)〜黒ボコ岩(15:20)〜南竜分岐(15:45)〜
  甚之助ヒュッテ(15:55)〜別当出合3km・室堂3km地点(16:10)〜
  別当覗(16:15)〜中飯場(16:30)〜別当出合 着(16:55)


【山へ】 伊吹には笠のように雲が懸かっていた。北陸地方も今日明日が梅雨明け。
平地は青い夏空だが山塊には雲が懸かっている。昼までに晴れてくれたらなと願う。
 見覚えのある取立山の下を通り過ぎて白峰村に入る。宿場町の面影が残る町並み。
白山公園線は、所々片側交互通行。沢筋の水が翠の流れになると心躍る。
市ノ瀬駐車場から雲のかかった山頂  
 市ノ瀬駐車場から雲のかかった山頂方面を望む  
【バス】 市ノ瀬では交通整理のおじさん多数。順に誘導されて空地の奥に駐車。
山頂方面を仰ぐと雲が懸かっているが、その下は夏の色。午後の好転に期待。
逸る心を抑えながら支度をしてバス停へ。バイト学生さんが切符を売りに来た。\400。
 細い道をバスは行く。この道幅に車が押し寄せたら混雑するのは容易に想像できる、
自然保護だけでなく合理的に通行できるようにするためにもバスは納得できる手段だ。

【登山口】 別当出合に入山者ノートがあったので記帳。砂防新道で通行止め一ヶ所、
事務所のおじさんに聞くと、室堂の下あたりで工事、迂回路ありとのこと。
室堂はその改装工事のため食事の提供なし。バスの最終は17:30。

【山道】 吊り橋を渡って山道へ。白いホタルブクロがお出迎え。
人出は多く、何人も追い越していく。花は少ない。
中飯場では相変わらず20名ほどが休憩、水分補給の小休止。
ここからは陽射し対策で首タオルに加え、帽子を被る。
センジュガンピ
【休憩】 センジュガンピという白いナデシコの花が涼しげに咲いている。
甚之助ヒュッテに近づくと疲れが出てきた。ヒュッテまで100mの道標で休憩。
整備用の岩や木材が置かれている。
別山が林の上に少し顔を出す。水とおにぎりひとつ。風が心地よい。

【眺め】 すぐ先の甚之助ヒュッテは100名もいるかというほどの賑わいである。
手前の静かなところで正解だった。素通りするとわずかな平坦道が足に嬉しい。
再び登りとなり、汗を拭き拭き南竜分岐に辿り着く。今日も別山が良く見える。
大きい。千振尾根避難小屋の赤い屋根は可愛らしいが、あの登りはしんどそう。

【花】 黒ボコ岩への道は、途中に崩壊しかけの部分が50m程あるが後は快適。
巻き道が登りに変わると尾根の緑や空の青、白い雲に花々が咲き乱れる。
2年前に南竜道で見たダイモンジソウなどとの再会は嬉しい。加えてイブキトラノオ
も多い。ぽつりぽつりとニッコウキスゲやレモン色のツツジの様な花も見える。
ハクサンフウロも賑やか。延命水という湧き水でふた口のどを潤す。うまい!
コバイケイソウ  
 弥陀ヶ原のコバイケイソウ  
【弥陀ヶ原】 黒ボコ岩で別山の展望を楽しみたかったが、既に雲に隠れている。
小休止。観光新道がここで出合い、数名が休憩中。
 高原の笹原、弥陀ヶ原に入るがここでもあいにく御前峰は雲の中。左手に雪渓が
ある。草原に伸びたコバイケイソウの白い花穂が高山気分を引き立てる。
エコーライン分岐、普段は真っ直ぐ上ると室堂であるが、例の工事で通行止め。
ヘリがしきりに荷物を運んでいる。
 左先の雪渓のある沢筋をゆるりと登ることになる。クロユリやコイワカガミ、
アオノツガザクラなど可愛らしい花たちが多くなってきた。

【室堂】 やっとこさ室堂に着いた。賑やか。人も多いが、工事中なのでなおのこと
ごった返す雰囲気。トイレを済ませて、空いているベンチで足を伸ばしての昼食。
ここから先も登るのでいつもより余分目に腹に入れる。おにぎりふたつとクラッカー、
野菜ジュースに水。寒くなったのでTシャツ一枚の上に長袖シャツを羽織る。
 少しストレッチをして、もう少しがんばれよと足をいたわりつつ御前峰に向かう。
その前に白山神社にお参り。安全祈願と晴れてくれますよぅに。

【石畳】 室堂から高天ヶ原辺りまで行き過ぎるほど整備された石畳の登りが続く。
こんな高地で大変だったろう。この人の多さに耐えるにはこれくらいが必要なのかも
知れない。ハイマツの中、道脇の岩影にポツポツとイワギキョウが咲く。
 そんなこんなを思いながら、さすがに足取りは重たい。膝に手をつきながら、休み
休み歩く。風が出ると寒いので軍手をする。腕が痺れたように感じる。冷えや酸欠の
せいなのかなぁ。
 登る途中で突然、青空が広がる。御前峰が顔を出す。白い岩だらけ。焦っても無駄。
運が良ければ青空になろうと、神様仏様の慈悲に任せてゆっくり登る。
御前峰から見下ろす  
 御前峰から霧の大汝峰  
【山頂】 石垣の塀に囲まれた奥宮が見えてきた。無事を感謝して山頂へ。
あいにくのガスだが、人も10名程度でちょうど良い。アマチュア無線局ひとつ。
 東に三方崩山の荒々しい姿が見下ろせる。白い残雪と緑の谷間が足元に押し寄せる。
直ぐ前には岩だらけの剣ヶ峰がガスの中から現れた。その左手には残雪をまとう池と
大汝峰。素晴らしい眺めである。室堂方面は次々とガスが押し寄せて視界なし。
 大きなテントウムシに嬌声を上げる女性。なるほど、大きい。体長15mmほど。何を
食べて生きているのだろうか。数匹いた。
ジュースで地図を見ながらひといきつく。バスには間に合うだろうと、せっかくここ
まで来たので眼下の池に行ってみることにする。

【別天地】 岩だらけの道をつたい、つづら折れに下りていくと花たちが現れてきた。
紺屋池辺りはガスが流れて、チングルマやコイワカガミ、アオノツガザクラなど。
お椀の中のような火口底は不思議な空間である。ひとりだけ砂礫の世界。
 チロチロと雪解け水の音と風に吹かれたさざ波の音。

【花乱舞】 翠ヶ池の上に出た。白い雪が翡翠色になって水の中へ入っている。
踏み跡は翠ヶ池の方へも向かうが、左へ逸れて油ヶ池の方へ行く。池めぐりコースは
いよいよ佳境となる。しばらくハイマツの道だが、千蛇ヶ池辺りから夢のようなお花
畑が展開する。これほどとは予期していなかったので感激というものではない。
あぁ、花たちに見とれて帰れないよぉ。砂礫に緑の葉、そして白、黄、桃の色が緩い
斜面一面に散りばめて広がっている。チングルマ、コイワカガミ、アオノツガザクラ
に加えてハクサンコザクラたちである。イワヒバリのさえずりも聞こえる。
お花畑  
 お花畑  
【フィルム】 ハイマツの中を抜け、クロユリの群生に出会い。雪渓の下側を歩いて
室堂に着く。実は既にカメラに収めるべくフィルムがない。売店でフィルムを買う。
24枚撮り1本\800。トイレを済ませる。
 水場で、本場の「白山の水」を空になったペットボトルに詰め、いざ下山。

【青空】 弥陀ヶ原の黒ユリを愛でながら歩いていると、前方の雲が開けて真っ青な
空が覗いた。白く輝く雲。抜けるような素晴らしい夏空である。
 黒ボコ岩から下は花達に見送られつつ下りる。
南竜分岐でゼリー補給の後は一気に下りていく。甚之助ヒュッテは50名ほどの人たち。
中飯場も意外と多くて小休止も程々にすたすたと歩く。ヤマアジサイが別れを惜しむ。
 往きのバスで一緒だったおじいさんも元気に下りていた。

【別当出合】 思いの外早く着いてしまったので、不動の滝を眺めながらおにぎり
ひとつに野菜ジュース。頭上にまた、夏空が輝いていた。今日、室堂泊まりの人は
明日に素晴らしい展望が迎えてくれることだろう。いいなぁ。
 バスは最終のひとつ前。17:15に出るというが、思ったより下りてこないので
ガラガラ、17:20にやっと出た。

【ひと風呂】 白峰の町中をゆっくりと走り抜け、取立山の牛のように盛り上がった
姿を見る。カナカナカナカナとヒグラシが涼しげに鳴く。良い余韻である。
 去年の赤兎山帰りに見つけた、勝山温泉センター「水芭蕉」で入浴。\500は実に
ありがたく価値あるものです。R157から北陸道に入り、20:00 南條SAで夕食、渋滞も
なく23:05に帰宅。よくも歩いたなぁと実感できた山でした。

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1999.8.1. BY M.KANE