加賀・白山 渋緑の観光新道から展望歩道     


室堂平
■目的地:加賀白山・室堂(2448m)
■日にち:2007年9月23日(日)
■天気:曇り時々晴れ
■同行者:単独
■アクセス:
  自宅 発(5:30)=(名神・北陸 道)=福井北IC=(9:00)市ノ瀬=バス=別当出合(9:30)
■コースタイム:
  別当出合 発(9:35)〜白山禅定道分岐(10:30)〜仙人窟(11:00)〜殿ヶ池避難小屋(11:50)〜
  馬のたてがみ(12:15)〜黒ボコ岩(12:40)〜五葉坂〜室堂(13:10-13:20)〜平瀬道分岐(13:30)〜
  アルプス展望台(14:05)〜南竜山荘下(14:25)〜南竜道〜南竜分岐(15:00)〜甚之助ヒュッテ(15:10)〜
  別当覗(15:25)〜中飯場(15:45)〜別当出合 着(16:15)

 今年も白山は行っておきたい。
夏山は過ぎるも紅葉には少し早い。この中途半端な時期、どんな雰囲気なのか興味が湧く。
 予定より遅い目覚め、体力もないのに時間の余裕は益々少なくなっての出発。
食料調達のコンビニ、勝山でぎりぎりに入ろうと思ったら通り過ぎてしまった。少し戻る。
白峰のファミリーキャンプ場は夏のような賑わいもない。

 市ノ瀬に着くと遅い時間もあってか駐車場はいっぱいだが、まだまだ駐められそう。
支度をしてバスに飛び乗るとまだ時間があったようだ。あわてすぎ。待っているうちに眠くなる。
別当出合からは観光新道に入る。登りは初めてである。以前下りに使った時、急斜面が多い記憶があり
心してかかることにする。砂防新道より少ないだろうと思っていたが、意外とすれ違う人が多かった。

観光新道の尾根は高い
 素朴さの残る山道である。作業道のトンネル上を行く辺りで別山や馬のたてがみが見えてきた。
光ファイバーの埋設工事中ということで、土嚢やロープが有ったりする。赤ん坊の写真で「頑張ってね」
花は期待していなかったが割と多くてしあわせ。久しく見たミヤマコゴメグサがかわいらしい。
 尾根に近づくと荒々しい別当谷や甚之助谷上部が見えてくる。谷の上の方は雲がうごめく。
白山禅定道分岐に着くと数人が休憩中だった。ここまでの登りは覚悟していたのでさほど疲れはないが、
汗は十分にかくことができた。この分では水が足りない。多めに500mlでと思っていたが甘かったかも。

白山禅定道分岐から仙人窟方向
 仙人窟手前のピークまで木の階段が続く。嫌になるような長さも今日はなぜか淡々と登れそう。
リンドウが咲いている。マツムシソウも出てきた。曇り空で陽射しが弱いのは残暑厳しい尾根道に救い。
左手に釈迦岳と七倉山が見えてきた。久しぶりに見る景色にワクワクする。ブナの森は薄く茶色に
翳り、渋緑とでも言うような良い色合いである。雲間から陽が射している。
山腹には白蛇のような作業道が上っている。足下の岩の間にコメバツガザクラがひっそり咲く。
展望の良い尾根歩きは砂防新道では味わえないものである。

仙人窟過ぎから馬のたてがみ方向
 仙人窟を過ぎると尾根に岩が目立つ。右下には別当大崩れの岩肌。進行方向は馬のたてがみまでの
広々とした斜面が渋緑に広がるのです。モヤモヤとしたガスが懸かりかけて高い山の雰囲気満点。
しばらく道脇の岩に腰掛けて眺めを楽しみながら早めの昼食、おにぎり二つ。
岩の横には早くも真っ赤に色づいた葉があったり、リンドウが咲いたりして箱庭の様な美しさ。
この雰囲気に浸っていたら、もう上へは行かずともここに留まり引き返しても良いかなと思うようになる。

仙人窟の上から振り返る
 さてと上にも何か良いものが有るかも知れない。まだ避難小屋にも着いていないし。
振り返るとらくだの背のような尾根。庭園のような窪地を通り、再び低木を縫って上ると、ササの丘に
避難小屋が立っていた。先程より雲が下りてきた。馬のたてがみはもう見えない。
登る意味が薄れつつも足は先へ行く。偶然に白いマツムシソウを発見。さてここから馬のたてがみまで
再び急登を覚悟する。夏はお花畑だった斜面も今は枯れた葉の目立つ草原。ガスがなぜていく。

 ガスの中に木柱の道標が立っていた。「馬のたて髪」。あれ?着いたの? しかし、岩のゴツゴツした
登りはもう少し続いている。ガスが移動すると黒ボコ岩に手の届きそうな所まで来ているのが判る。
蛇塚までは登りが続くが気が楽になってきた。

蛇塚への登り
 ナナカマドの実が赤い。ピンクのトラノオなど色鮮やか。ひと休みの人の多い黒ボコ岩を素通りして
弥陀ヶ原に入る。木道がガスの中に消える。ガスが晴れて広い高原の先にトンビ岩。室堂へ上がる前に
五葉坂の端で、この空間に浸りつつおにぎりひとつ。再開の足取りは元気だったが、すぐにくたびれてきた。
振り返りつつ御前峰の斜面を眺めつつハイマツの臭いに浸りつつ登っていく。

ガス流れる弥陀ヶ原
 前には小学生前の子供がお母さんと元気に登っていた。水屋尻雪渓は雪がとけてしまい、石がゴロゴロ。
室堂センターに着くと西側の水場で顔を洗う。冷たくてすぐ手がかじかんでしまう。手を暖めつつ給水。
神社の前を通って平瀬道へ向かう。予想より早く着いたので諦めかけていた展望歩道から下りることにする。

広々とした室堂平の向こうに微かな山並みが見える。ハイマツの緑の中に朱いナナカマドの実が星のよう。
良い景色だなぁ、登ってきて良かった。平瀬道分岐から展望歩道はまさに高原の散歩道。
家族と歩いた10年前は、雨の暗い道で悪夢だったなぁと振り返る。なぜに家族と一緒の時は天気が悪くて
一人の時はまずまずなのか、嘆いててもせんない。

三方崩山の上に浮かぶ北アルプス
 三方崩山や眼下の白水湖、大倉尾根、なつかしいなぁ。そして、三方崩山の上に雲に挟まれた北アルプス。
穂高かなぁ。穂高の北に少し外れてだから黒部五郎?立山? かろうじてのアルプス展望台です。
あいにく乗鞍や御嶽は見えない。南に目を向けると別山も雲が架かって良い雰囲気出しています。
アオノツガザクラ、小さなレモン色の花をうつむき加減に残していました。カラフルな南竜のテンバも見えます。

ガスの別山と南竜
 低木帯に入った後、沢に沿って下ります。冷たい水で顔を洗うとスッキリ。黄葉とササの織りなす紋様が
なかなか良い感じ。こんな色合いにもなるのかぁ。訪れる度にいろんなステージを用意している山に感謝。
南竜荘の周りも緑のササに黄葉がほいほいと配されている。これがもう2週間もすれば真っ赤になるのかな。

エコーラインの分岐を過ぎ少し登り加減。七曲がりの分岐が見える頃、その向こうに観光新道の尾根も現れた。
不動の滝の向こうからはびよんびよんと雲が立ち上る。七曲がりの分岐は人が大勢だったので休まず先へ
下りていくことにする。展望歩道で眺めを堪能したため時間が押してきたのだ。

南竜道から観光新道の尾根
 別当覗きは去年まで谷を覗けたのに、今回は谷に近づかないようロープが張られていた。
快調に下りていった矢先、ひょろひょろと草むらに入りたがっいる小さなヘビが居た。砂防新道でヘビを
見たのは初めて。今年の山でも初めて。何を食べているのだろう。かえるも居るのか..と想像はふくらむ。

中飯場で休憩し、時間に余裕も出てきたのでブナの森を堪能しながらゆっくりと別当出合に下りていく。
バスから森を見上げながら行くと大きなブナの木がたくさん残っている。
またいつかこんなブナの森に包まれてみたいものです。

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2007.9.30. BY M.KANE