霧の白山、花めぐり     

馬のたてがみ キスゲの丘

■目的地:白山・室堂(約2450m)
■日にち:2000年7月22日(土)
■天気:曇り後晴れ 室堂はガス(暑くもなく寒くもなく)
■同行者:単独
■アクセス:
  7月21日 自宅 発(20:10)=(名神・北陸 道)=福井北IC(23:30)=市ノ瀬(0:50) 300km
  7月22日 市ノ瀬(6:00)=臨時バス=別当出合(6:15)     (↑マイカーはここまで)

■概略コース:砂防新道〜南竜ヶ馬場〜展望歩道〜室堂〜観光新道
■コースタイム:
  別当出合 発(6:20)〜中飯場(6:55-7:10)〜別当出合3km・室堂3km地点(7:50)〜
  甚之助避難小屋(8:15-8:20)〜南竜分岐(8:40-8:45)〜南竜山荘(9:15-9:30)〜
  アルプス展望台(10:15)〜大白川分岐(10:50)〜室堂(11:05-11:15)〜
  黒ボコ岩(11:50)〜馬のたてがみ(12:10-12:20)〜殿ヶ池避難小屋(12:55)〜
  白山禅定道分岐(13:35)〜工事道出合い(14:35)〜別当出合 着(14:45)

【市ノ瀬】 深夜なので誘導員はいないかなと思ったらちゃんと2人。ご苦労様です。
時折到着してくる車の音ですぐに寝付けず、白みかけた4時頃に目が覚めた。休まないと
いけないのでそのまま横になるが次々と車が来て落ち着かない。5時始発のバスが出る。
 昨晩にコンビニで買ったパンと牛乳で朝食しながら荷物をまとめてバス停へ行く。

【登山口】 別当出合にはツアーバスが停まっていた。団体が出発しそうなのでその前に出る。
見上げると一面ガスで覆われている。陽射しが無くていいのだが山頂では晴れて欲しいなと
思いながら登る。最近はだらけた生活なので急がずゆっくりとしたペースで歩くことにする。
去年は別当出合出発が9:30と遅かったので自分の足にむち打ちながら登ったが、今日は
3時間早い出発なので気持ちに余裕も出る。
中飯場  
中飯場でもこんなガス
【霧の登り】 中飯場は10人ほど休憩中。汗を拭き大福もちを頬張るとガスがかかってきた。
日頃のビールが汗となって出てくるかと思うと心地よい。ガスに煙る木々が幻想的。
道脇を見ていくとマイヅルソウやゴゼンタチバナなどの小さな花たちが奥ゆかしく咲く。
カエデに穂のような花が立っている。別当覗はガスで展望なし。
アカヤシオの紅が目を奪う。室堂3kmの中間点から少しいった所に雪が残っており
約5m程その上を歩く。
 甚之助避難小屋は相変わらず人が多い。大福もちとお茶。ザックカバーと帽子を
つける。時折風が吹くと木の枝から水滴が落ちてくる。
花  
ガスの中に咲くカエデ?の花
【分岐】 南竜分岐は情報交換の場。黒ボコ岩方面は滑落の恐れもあるという雪渓を
巻かないといけない。しかも昨日歩いた雪渓のルートが崩れ落ちて今日はその上を
高巻くようになっているそうだ。エコーライン、トンビ岩コースはアイゼンとピッケル要。
展望歩道は歩けるようだ。とりあえず南竜へ向かう。

【南竜】 ガスの中、お花畑コース分岐についた。表面の堅い雪。これだと確かに
アイゼンでないと歩けそうにない。道脇の花は少ない。
万才谷も雪が迫る。沢には木橋ができて、その先のルートは山側に付け替えてあった。
 南竜山荘で道の状況を聞くが南竜分岐で聞いた話と同じ。おにぎり2つとお茶。
雨具の上だけ着て展望歩道へいく。テン場に向かう沢は一面の雪で真夏の面影は無い。
木道に雪はないがガスに囲まれている。ササ原が切れて平坦地にはコイワカガミ、
ハクサンコザクラやチングルマのお花畑。まだ花はこれからが盛りのようだ。
残雪  
南竜野営場に向かう沢の雪
【歩道】 20m程残雪の上端をトラバース。左上の斜面は雪が解けたばかりで緑少なく
これから急ピッチで葉を出してくるようだ。そんな中、キヌガサソウがいち早く
大輪の花をつけているのが目立つ。
 低いツガの様な林となって登りが続く。心細い。やがて林を抜けるとガスの中に
ニッコウキスゲ、ハクサンフウロ、イブキトラノオのお花畑の崖。
5分程で着いたアルプス展望台はガスで視界ゼロ、方位盤がむなしくたたずむ。
さらにこの5分程先には20m程残雪の上を登るところがある。ステップの跡を登れば
良いが、下りてくる人がいたので待つ。「飛騨の地獄覗き」もガス。しかし、花は多く
ミヤマダイモンジソウ、コバイケイソウ、コオニユリそしてクロユリに久しぶりにあう。
ハクサンコザクラ  
ハクサンコザクラ
【ハイマツの平】 大白川分岐まではハイマツ帯のなだらかな坂を登る。クロユリや
イワギキョウアオノツガザクラ、ハクサンシャクナゲなど。まだまだつぼみも多い。
室堂へはガスで先の見えない雪渓を横断する、渡ってみると15m程だった。
しばらくするとガスの中から喧噪の音が流れてくる。以外と室堂はすぐだった。
白山神社  
室堂・白山神社
【室堂】 山頂はおろか、自炊小屋の前から白山神社の鳥居さえも見えないほどのガス。
風も少しあってじっとしていたら寒い。長袖シャツを雨衣の中に羽織る。
登っている間に晴れたらという考えは甘かったようだ。山頂はあきらめておにぎりを一つ
食べ、さっさと観光新道へと向かう。黒ボコ岩へは雪渓の上を10m程下り、広々としているはずの
弥陀ヶ原もガスで白い世界。黒ボコ岩は20名ほどが昼食中。ここから先の観光新道は
初めてだがいきなりシナノキンバイの群生。残雪の脇にショウジョウバカマ。
馬のたてがみ  
馬のたてがみから観光新道の尾根を見下ろす
【馬のたてがみ】 蛇塚から先の馬のたてがみあたりは本日最高のお花畑が広がった。
ニッコウキスゲにイブキトラノオが斜面を覆い尽くす。写真を撮って過ごす。
やがてガスが晴れると今から下りる尾根がすらりと現れた。なかなか良い道だ。
徐々に下っていってもしばらくニッコウキスゲは続く。キスゲの丘である。
霧が晴れる度にひと休みして下りてきたので、殿ヶ池避難小屋までかなり時間がかかった。
団体さんも多く3パーティほどすれ違う。
白山釈迦岳  
白山釈迦岳
【尾根歩き】 殿ヶ池避難小屋からの道は一時林の中もあるが、再び岩稜を含む尾根道で清々しい。
あぁ、おうちに帰れないよぉ〜って感じでこのままずっとここで過ごしていたい気分。
右手にはこれまたそそられるような姿の白山釈迦岳が残雪をまとって聳えている。
さらに鎧壁が出てくるが上はガスに隠れる。
 室堂から3kmの中間点にやっと着いた。花も少なくなってきたなと思いながらしばらく下ると
なんとササユリが咲いているではないか。その先にもほいほいと出てきて嬉しくなってしまう。
千振尾根が大きく立ちはだかってきた。避難小屋が小さく見える。小屋のすぐ上はガスというか
雲に隠れてとうとう別山は拝めなかった。
ササユリ  
ササユリ
【急坂】 別当出合まであと2km辺りになると急な坂を下りていく。こりゃ登りはさぞ大変だろう。
林の中にはいると観光新道で熊を見たという報告も良く聞いていたので、カウベルを手に持って
大きめに鳴らしながら下りる。石の階段が続く。なかなか急である。今から登る人もいる。
 工事作業道にはトラックが行き交いそのたびにほこりが舞い上がる。ほこりを避けて早々に
林の中へと下りていく。足の痛そうな奥さん(たぶん)をかばうように下りるカップルが微笑ましい。
元気な学生パーティなど以外と人が多い。暑くなる。
不動滝  
工事作業道付近から不動滝方面
【登山口】 別当出合では一息ついてバスに乗ると5分ほどで出発。市ノ瀬はまだ車多し。
車で白峰の谷を走り取立山の下を通ってあれが隠れ里さんの行った経ヶ岳だろうかと
思いながら勝山温泉「水芭蕉」へ到着。すっきりと汗を流して実に心地よい。帰路へ就く。


  白山について   

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2000.7.24. BY M.KANE