初夏の緑満喫・藤無山          

 
林道終点付近から見上げる 
■目的地:藤無山(1139.2m) <山域:播丹・兵庫県宍粟市一宮町・養父市大屋町>
■日にち:2006年5月21日(日)
■天気:晴れ
■同行者:丹波のたぬきさん、MXFさん
■アクセス: 自宅 発(6:20)=中国道=山崎IC(7:30)=R29=一宮町サンパティオ(8:10)
■コースタイム:
   志倉『ゆずりは』上Ca500m 発(8:55)〜南尾根Ca670m(9:35)〜伐採上Ca960m(11:00-11:15)〜
   山頂(11:55-13:00)〜分岐Ca1060m(13:10)〜林道終点Ca750m(14:20)〜藤無の水(15:05-15:15)〜
   志倉『ゆずりは』上 着(15:20)

 揖保川の朝は清々しい。久しぶりの景色を楽しみながら三方へ向かう。約束には少し早い
ので残り少なくなったガソリンを補充しておこう。すぐ横のサンパティオには既にたぬきさんと
MXFさんが到着済みだった。MXFさんの車に乗せて頂き志倉まで。清流と緑の世界に入り込む。
 数年前の「新ハイキング」で地元の方が播磨側からのルートを整備されたという記事を見た。
その頃は遙か遠い山のことと思っていたが、ようやくその辺りを歩ける時が巡ってきた。
藤無山はそういう記憶のある山である。前述のルートは今日の下山に使う予定。
 
志倉の駐車地から南尾根 (右上)
 2.5万図の志倉と記された辺りに、『ゆずりは』という山の中のレストラン風山荘がある。
その先の林道脇に3台ほどの駐車スペースがあり、ここが本日のスタート。南尾根に取り付く計画。
 身支度をして『ゆずりは』へ入ってみる。まだ開店前、右の民家に奥さんと思しき人が居たので
敷地内の通過をお許し頂いた。ヤブを覚悟のスパッツ姿とMXFさんのステッキ付きアンテナを
見て「何かの調査ですか?」と問われるが、ただの物好きで山に登りますと応える。

 少し荒れていますよと言われていたが、石積みの間にきちんとした道がついている。
黄色いヒメレンゲが沢沿いに爽やか。やがて道は沢と一体となって消えていき、しばらく沢を行く。
段差が出てきたのでいよいよ南尾根に取り付くことにする。緑が覆い被さるようにせまり、中に
ぽつんと藤の花がうすむらさきのアクセントを添えていた。
 
南尾根への急登
 取り付いたが、いきなり急である。ガレている。でも新緑の影の下、激斜面を登るのさえも
ウキウキしてくる。やっと登り詰めて尾根に出た。670m辺りだろうか。細い踏み跡があるようで
ないようで。低木が時折茂る尾根を辿って登る。この山域でこの季節、単独ではとても入る気には
ならないのだが今日は心強い仲間と一緒、話をしながらゆるりと登ることができる。
やがて木の間から、先週やまあそさんが登った伐採尾根の頭(Ca960m)が見える。まだ遙かな高みだ。
 
伐採尾根の頭
 大きな松の木がある。長い登り。植林になったり、岩が転がっていたりする。踏み跡はあったり
なかったりしているが、尾根を登れば間違いないのでルート探しには困らない。逆に下山時は
林で周りの地形が判りにくくて難しそうだ。大きく枝を広げたコナラ?の木がある。MXFさんの高度計と
たぬきさんの地図読みで現在地を確認していく。10:40、伐採尾根の頭がすぐそこに見えるようになる。
細いブナの木も出てきた。ツツドリが夏を告げる。
 
伐採尾根の頭から段ヶ峰
 900mを越えて伐採地に抜け出る。南に青々とした初夏の山並みが広がった。南東には段ヶ峰も
見える。足下の斜面には若いアセビがはびこっていた。約960mの肩まで登るとブナ林も立派になり、
展望も良いのでひと休みとする。MXFさんはすかさず無線の波を出す。林の影にミツバツツジの花が
残っていた。少し色が赤いなぁ。
 
ブナの尾根へ
 ここから先はブナの林が続く。足下にはチゴユリ。だんだんササが茂ってくる。茂ってくるが林の
雰囲気はますます良くなる。前方に山頂のドームが萌葱色で現れてきた。良い尾根だ。正解ルート。
緩やかな尾根から最後の登りに掛かる頃にはササが背丈と同じ。ダニも良く着いているがこの暖かさと
ササと自然度では仕方あるまい。
 ハシゴの掛かったブナの木発見。樹上の楽園を独り占めにした人の遺物か。
ササを漕いで登る。たぬきさんの声に従い右手に寄っていくと微かに切り開かれた山道に出た。
これが南ルート。ササに覆われかけているが歩きやすくなった。大きな切株を過ぎると賑やかな山頂。
 
山頂はもうすぐ
 山名の柱が立っている。先客数名。東が切り開かれていて展望よく。たぬきさんの説明でしばし眺める。
西は疎らな林越しに氷ノ山の影が横たわっているが、新緑輝く林で判りにくい。
昼食の後、たぬきさんからコーヒーを頂き至福の時間を過ごす。MXFさんが無線の最中、少し北に
行って氷ノ山を眺める。ぽつんぽつんとまだ雪が残っているのが見える。
 
東面への下り付近
 さて、下山に掛かる。MXFさんはもう少し交信があって遅れ気味。南尾根の古い赤テープが目印。
ササの中を下りてしばらくで尾根を左にとり、東面を急降下。
この斜面の林も大きなブナが点在して良い感じ。トラロープに掴まり滑らないように気をつける。
下りも大変だが、登りはしんどいだろうと今日の登りが正解だったことを改めて感じる。
 
東面のブナ
 露地から植林を抜け、ガレた沢を下るようになる。再び植林。道がはっきりしてきた。
テープが結構着いているので安心して下っていたら、しばらくしてテープも道もなくなっていることに
気づく。高度も林道終点より下になっていた。植林の床はどこでも歩けそうなので調子に乗って下り
すぎた。林道への巻き道を取りこぼしたのだ。そのまま谷を下りることもできそうだが大事をとって
基本通り引き返す。しばらくするとたぬきさんが沢の渡渉地点を発見。山道には横断するヒモがある。
テープも多い。下りる時に気づいていたが、登ってくる人へのメッセージかと気にもとめずそのまま
通り過ぎていたのでした。

 巻き道は細い所もあるが歩きやすく植林から抜け出して小広い林道終点に出る。登山口の
立派な道標がある。広い林道から振り返ると伐採尾根から山頂方面がどさっと横たわる。見上げる
高度差から良く歩いたものだと感じ入る。
 
沢のウツギ
 揖保川源流への林道分岐を過ごし、林道途中に大きな岩が転げ落ちていた。軽トラなら何とか
横の間を通れそうな感じだが普通車は微妙かなと思われた。緑の木陰と綺麗な沢音を聞きながら
ぶらりぶらりと下りていく。「藤無の水」で小休止。白いウツギがたくさん咲く駐車地はすぐだった。
 緑したたるブナの森、天気に恵まれ展望もそこそこ。久しぶりに充実した歩きができました。
ご一緒頂いたたぬきさん、MXFさんありがとうございました。またお願いします。

 藤無山について 
 
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2006.6.5. BY M.KANE