ススキとリンドウ三昧の段ヶ峰 

 
達磨ヶ峰から段ヶ峰を望む

■目的地:段ヶ峰(1103.4m) <山域:播州・生野町>
■日にち:1998年10月04日(日)
■天気:晴れ後曇り、途中少しだけ雨
■同行者:俊一(小三)・裕太(幼稚園年長組)
■コースタイム:
  自宅発(7:05)=播但道・南生野ランプ(8:45)=旧生野山荘・登山口(8:55)

  登山口発(9:45)〜912m達磨ヶ峰(11:05)〜第二ピーク(11:45)〜最低コル(12:30)〜
  植林で昼食(12:35-12:55)〜1083mフトウガ峰(13:25)〜フトウ谷分岐(13:30)〜
  菖蒲沢(13:40)〜段ヶ峰山頂(14:30-15:00)〜千町峠(15:25)〜倉谷出合(16:20)〜
  杉谷登山口(17:00)〜旧生野山荘・登山口着(18:00)


【段ヶ峰】 兵庫県の真ん中あたりにある山。生野高原の主峰。
だるがみねと呼ぶそうです。私はだんがみね、だんがみねと読んでおりました。
漢字変換はいまだに「だんがみね」です。(^^;
 「だる」がのっぺりしたという意味のようですので、そのまんまの山容です。
買うまいと一度は思ったのに手を出してしまった「関西百名山」に載っている写真に
惹かれ、久しぶりの秋晴れとササの原が広がるというので決めました。
 千ヶ峰から眺めて約一年半後の実現です。
裕太にはチトきついかなぁと思いつつ....。

【生野荘】 播但道・南生野ランプから西の峠を越えて、ゴルフ場への道を登ると
あっという間に登山口到着。「段ヶ峰登山口」の道標がある。
難を言えば播州の里に触れる時間がないほどあっけない。
 国民宿舎は閉鎖中。駐車場は利用可能のようだ。10台は駐車可。
車に弱い裕太と一緒に遅い朝食を摂る。その間に次々と車が到着して登っていく。
旧国民宿舎の手前にコースの解説図と「クマに注意」の看板。
林の上にササの頭が顔を出しているのは達磨ヶ峰だろうか。
いきなりの急登、雑木林の中。
やがてクマザサとススキが出て木が疎らになってくる。
時折後ろを振り向くと千ヶ峰や黒川ダムが覗く。
雲が懸かっている。

【長い登り】 裕太はどうも体調が良くない。足が進まない。次々と追い越されていく。
登りがきつい上に早起きでの睡眠不足、車酔いが重なって、とても辛いのだろう。
一時は下りようかとまで思う。
このペースで登っても長いルートのため暗くなるのは必至。
つい口調が険しくなりそれに圧されてか、か細く「登る..」と言う。
可哀想なことをしてしまった。
 しかし、これもいつものパターンなのだが、すぐに俊一と笑いながら
登っていくのである。あぁ、どっちが可哀想かわからんようになってくる。
登りの続く道脇には、アキノキリンソウ、センブリ、リンドウ、白い野菊が咲いて
元気づけてくれる。やがて平坦なススキに囲まれた道になる。

【達磨ヶ峰】 年輩のご夫婦が休憩中、南が開けている。北に立木の合間から見える
町並みは朝来であろうか。小休止の後、先を急ぐ。
 前方に台地状のフトウガ峰、ススキの背が高い。大人も隠れてしまうくらいだ。
俊一はかくれんぼのようにしながら待ち伏せ。
センブリが多い。リンドウもポツリポツリ。
 第二のピークが眼の前に現れ、松の葉で「すもう」をしながら楽しく登る。
その後は平坦な疎林や森の道が長々と続く。両側はササに遮られていたりするが、
楽な気持ちのいい歩きである。
横からクマが出てきそうな道。でも今日は人が多いから大丈夫だろう。
この間も、かなりの人達に追い抜かれる。
一旦下って、下草のない杉林になってきた。最低コル。(と表示板があった。)

【雨】  最低コルの前辺りで正午頃になる。計画よりかなりペースが遅い。
オマケに雲行きが怪しくなり、北から鉛色が広がる。ポツリと水玉まで...。
 この先は笹原で、どうせ風が強いだろうと杉植林の中でおにぎりタイム。
今から登りになるので腹ごしらえが優先。
エスケープするにしてもフトウガ峰までは行かないといけない。
 短い食事の後は、達磨ヶ峰に比べると緩やかに感じる登りである。
この登り道でも、ぽつりぽつりと風を避けての昼食の人達がいた。
だんだん視界が開けてきてフトウガ峰が近いことを感じる。
下りてくる人が増えてきた。
 息子達が尋ねたのだろう、「まだあと1時間かかるよって言ってたよぉ。」
もうそこだと言ってここまで引っ張ってきたのに。(^^;

【フトウガ峰】 のっぺりしたササの原にポツポツと1mばかしの低い木や岩が点在。
ガスはないが灰色の雲の下。晴れていたらどんなに素晴らしいことか。
ゆっくりしたいところだが、天気と時間が気になり、眺めを惜しみながら歩く。
 「フトウ谷分岐」の道標があって、ササの中を細い踏み跡がある。
林道に下りる道があるようだから、これだろうと思うが、
どこに下りるか不安なため、段ヶ峰から林道経由で帰ることにする。
 フトウガ峰からは一旦下りて登り返す。
途中に菖蒲沢を示す道標があるが、そのルートはよく判らない。
この登りも苦にならない。白いママコナのような花が目立つ。
やがて平坦になり、子供達も二人ではしゃぎながら歩く。
フトウガ峰にて
【高原散歩】 リンドウ三昧のササと低木に覆われた快適な尾根道である。 ときおり目指す段ヶ峰にはガスがかかっている。 そして、時々陽が射す。まだ早い黄葉がスポットを浴びて良い色を出す。 緩やかに高度が上がっていって、振り返りつつ進む。 なまこのようなフトウガ峰が横たわる。 【段ヶ峰】 道の横に踏み跡があって少し盛り上がっているかなと感じる 3m程先に登ると三角点があった。地味だ。 ここに立つと、黒い雲に圧しつけられたような但馬の山並みがうっすらと見える。 西には大きな千町ヶ峰。戻ってさらに行くと倒れた小屋の跡。  松の木と山名板がある地点に着くが、三角点はやっぱりさっきの所のようだ。 フトウガ峰のさらに先の方に達磨ヶ峰が遠くに見える。 えらいところまで来たものだ。ここでおにぎりの残りを食べる。 俊一はスケッチを始めた。風が少し強くて寒い。 「北近畿」の地図を広げて山座同定。東から南に千ヶ峰、笠形山、雪彦山、暁晴山。 南から西そして北と360度の展望。風があって地図が破れそうだし、 雲も多いのでそこそこにする。  さてと、西に曲がっている尾根伝いに林道を目指す。しばらくは西北側が幼木の植林地帯。 明るい雰囲気だがこれも人の手が入っていると思うと残念である。 山林開発の手が伸びているのだろうか。鹿除けのネットを何回かくぐる。  続けて薄暗い植林地と雑木林の間を急降下。やがて山小屋風の家が見えてきて、 山道のような未舗装の千町峠に飛び出す。駐車は1、2台がやっとというところか。 千町峠からは林道歩きだ。 【林道三昧】 最初はいい感じの林道だなぁと余裕で歩いていた。 ススキの中を歩くよりもましだなと、この選択が正解だったと満足感にひたった。 歩いてきた黄葉前の尾根を見上げ、鳥や滝を見ながら歩く。  所々、落石や山側の崩壊、水たまりなどがあって普通車で来るのは無理かなと 思いながら歩く。モーターバイクが2台通り過ぎていく。ショベルカーが道を塞ぐ。  倉谷出合の道標があり、ここからはフトウガ峰と段ヶ峰の中間に60分で登れるとの 略図がある。急な登りが自然林の中に入っている。  さらにゆるりと下ると、「杉谷登山口」の道標と「くらたにばし」という橋あり。 さっきの倉谷出合と同じ呼び名でややこしいなぁ。「クマに注意」の看板もある。  この辺まで歩き通すと、さすがの俊一さえも声が出ない。「まだぁ。」の連発。 「あと何分。」、「もう少し。」、「もうそこ。」苦しい父であった。 裕太は足が痛そうなそぶりなので、肩馬して歩くことにする。我ながら強い父。(^^;;  西の空は茜色を過ぎて、辺りは真っ暗になってきた。 ふと見上げると別荘地の暗がりを白い尻の鹿2頭が駆け登る。さらにゴルフ場の横を 歩いていると黒い木陰の中に立派な角を持った雄鹿1頭の影。その静粛さの中の威厳に もののけ姫の「シシガミ」が重なる。  やっと車に着いた。駐車場にはうちの車だけがぽつねんと残っていた。 たいした文句を言わない子供達に、「今日の山はどうだった。」ときいてみた。 「もういやや。」、「でも上では良い山やと言ってたやんかぁ。」、 「何か良かったことないかぁ。」、「滝と鹿が見れた。」 まあ、これでもいいかぁ。良く歩いてくれた我が子に感謝の山でした。

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1998.10.11. BY M.KANE