往きはよいよい帰りは怖い 北摂・知明山北尾根          

冬枯れ  
落ち葉の尾根 
■目的地:知明山北の尾根(約400m)<山域:北摂・川西市・猪名川町・能勢町>
■2.5万図:妙見山
■日にち:2001年2月3日(土)
■天気:曇り時々小雪
■同行者:単独
■コースタイム:  
  国崎・知明湖畔道 発[約155m](11:10)〜谷の炭焼き窯跡(11:30)〜410.2m山(12:00-12:15)〜
  北東尾根の先・ぬた場[約355m](12:40)〜395.1m山南の鞍部で引き返す(13:05)〜
  410.2m山(13:40)〜知明湖畔道 着(14:00)

【去年の続きから】 ちょうど一年ほど前に雨に遭って降りた谷から登る。
果たせなかった坂井峠へ向けて尾根伝いに歩いてみようと思う。国崎に近い知明湖畔道の
ガードレールの端から荒れ地に入り、ゴミの目立つ沢を登る。やがて落ち着きを取り戻し
た道は仕事道のようになって、それも踏み跡が消える。落ち葉の斜面は一年前と同じ表情
である。

【ヤブ】 雑木林に囲まれた谷。ササの下ばえが薄い。炭焼き窯跡も林の中に同化している。
背後にはすっかり葉の落ちた枝越しに大きく高代寺山。地図で確認して410.2m山を目指す。
低い木々のヤブをこぎながらトラバース気味に高度を上げていく。程なく支尾根の背に
たどり着くと、歩きやすい雑木林。この支尾根の背を獣道の踏み跡を辿りながら西進。
再び細く背の高いササが茂る数メートルのヤブを抜けるとゴルフ場の柵である。柵の外側を
またまたヤブを漕いで行くとピンクのネットも出て来る。すぐに歩きやすい雑木の登りになる。

【410.2m 山】 そろそろ山頂かというところを過ぎても三角点のある雰囲気はない。もう少し
平坦になった雑木林を歩いていくと、ホオの落ち葉があり炭焼き窯跡のような窪みと北東へは
狭い切り開きがある。ここが山頂。410.2mの四等三角点は落ち葉で覆われてしまうようにちょ
こんと顔を出していた。
冬枯れ  
410.2m山の三角点 
【コーヒータイム】 ちょうど正午のサイレンが聞こえてきた。今日はインスタントコーヒーを
持ってきた。14時前に帰宅しないといけないので昼食は持ってきていない。行動食に持ってきた
カロリーメイト・ブロックをクッキー代わりにして腹ごなし。熱いコーヒーはいい。木々の切り
開きに立って眺めると歌垣山がよく見え、その脇に枝に隠れて山並みが妙見山まで続いている。
目を左に転じると、これまた誘うように落葉で敷き詰められた踏み跡が伸びている。
時々日が射し込む。

【雑木の尾根】 誘われるようにうきうきしながら雑木林の尾根を歩く。
少し下ると「一庫総合開発」と刻印されたセメント杭がぽつんと並んでいる。さらに降りていく。
こんな身近なところに、こんなに素晴らしい落ち葉道が続いているとは感激である。
左手の林の向こうには経堂の空のササ原。竜宮山は地味に見えた。大きな松の倒木がある。その
隙間から三草山がぽっこりとたたずんでいる。うす茶色の冬枯れの木々をまとっていい感じだ。
 常緑樹が増えて少し薄暗くなった辺りは、野鳥が飛び交っている。ちん入者を警戒している
のだろうか。間近の鳥を見るとメジロである。さらに感じのいい尾根を歩くと小広い林になった。
ここが府県境の辺りかなと直進しようとすると、前は谷になっている。まだ先のようだ。
三草山  
三草山 
【連絡】 しかし、そろそろ帰る時間が近い。東へエスケープしようかと思っていた矢先、
携帯が鳴る。嫁さんから用事がキャンセルになったため、ゆっくりしてきても良いとのこと。
何と良い知らせだろう。この尾根を心ゆくまで歩ける。昼食はないが次の三角点がある395.1m山
でコーヒーとカロリーメイトにしようと、上機嫌で歩く。

【心地よい尾根】 下り調子の尾根がわずかに上りになって薄氷の張ったぬた場。
この辺がようやく府県境のようである。北北西の尾根へ降りる。
 雑木林はなおも続く。なんと幸せな歩きか。薄日が射すものの小雪も舞う変な天気。
北の空は鉛色。道は登りになり檜の植林が右側の斜面を覆っている。日の射す西南側は
雑木林のため雰囲気はいい。このピークにはひとかかえほどの岩が二つ、三つ転がっている。
次の直角に曲がったような小広いピークを緩やかに過ぎるとササの下ばえが出てきた。

【ハンター】 小休止予定の395.1m山はすぐそこに見えている。と、突然人の姿。しかも鉄砲を
肩にかついで。私が向かう北の方には10人ほど入っているという。こちらが鈴を鳴らしていたの
で事前に気づいていたようである。猟犬の吠える声はおびただしい。さっきからこんな山中でと
多少不審に感じていたが、雑木林に浮かれて警戒しなかった。
 その人は気いつけよと言い残してさらに南の方へ。私は進もうかと思ったが、間違われて痛い
のはこちら。仕方なく、来た道を引き返すことにした。この歩きやすい雑木林の尾根をもう一度
楽しんだらいい。そう思いこもうとするが、残念。

【猟犬】 尾根を南下するも、下の林をコロコロと鈴を鳴らして猟犬がうろうろしている。
日差しの射す穏やかな雑木林でも人心地つけない。さらに歩いてゴルフ場に近い410.2m山まで
急ぐことにする。
 往きのように雑木林を楽しむゆとりはもうない。やっと410.2m山に着くと、またコロコロと
音がしてすぐ後ろに猟犬がいる。こうなれば、ゴルフ場の中を歩かせてもらって降りようかとも
思った。が、猟犬は来ていてもハンターはまだだろうと、休みもそこそこに歩き出す。
ヤブを漕いで登りに使った谷を下る。この谷にはなんとか静けさが残っていた。

【反省】 我が家に帰ると暖かい昼食が出てきて、やっと人心地着く。
最近、ハンターの気配に遭遇していなかったので、すっかり無防備であった。
2月は猟期の終わる月だから猟も追い上げのようなものであろうか。以後、注意しよう。
しばらくはちゃんとしたハイキングコースを歩くべし。

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2001.2.19. BY M.KANE