黄葉少し前の枕谷から三国峠・芦生    

枕谷
■目的地:三国峠(775.9m)
■2.5万図:古屋   <山域:芦生・京都府美山町・滋賀県朽木村>
■日にち:2004年10月16日(土) <台風23号(10/20)以前の記録です>
■天気:晴れ
■同行者:単独
■コースタイム:
  自宅発(7:30)=R477=広河原=生杉ブナ林 駐車場(11:30)着

  駐車場 発[約550m](11:40)〜峰越林道〜地蔵峠(12:15)〜枕谷〜
  三国峠(13:05-13:35)〜クチクボ峠(13:55)〜若走路谷〜
  若走路谷出合(14:15)〜峰越林道〜駐車場 着(14:45)

 霧の亀岡盆地を抜けて久しぶりの京北町。茅葺の里も道路が整備されいる。
途中間違えて佐々里峠を越えてしまったので引き返す。今日は久多峠から
武奈ヶ岳がくっきり見える。山奥に来たなという感じ。生杉ブナ林駐車場まで
いい車道が続く。黄葉もちらほら出てきた。駐車場は既に10台ほど。
ゆっくり仕度をしてゲートを抜け林道を歩く。熊鈴がカランコロンと鳴る。
単独とすれ違った。ばらくすると、あれ?音がしない。見ると振り子が無い。
熊が確実に居るだろう山中でどうしたことか。暫く探したが見当たらないので
50円玉とリュックの紐で応急処置。これでなんとか音は出る。
峰越林道
 天気に誘われての久しぶりの山が芦生。もっと人の多い所へとも考えたが
この地の引力が強かった。引き寄せられるように来てしまったが、やっぱり静か。
林道歩きで徐々に馴染んでいきましょう。黄葉はまだ少しだが、青空に
透かして見る木々の葉は緑でもきれいです。尾根の森にも陽光が降り注いで
さまざまな色合いを見せてくれます。
地蔵峠の道標
 地蔵峠で入山届を書く。上谷や杉尾峠、ブナノ木峠など意外と人が入っている。
林道から離れて谷を下る。いきなり芦生らしい雰囲気が飛び込んでくる。
中山神社との分岐を右に採り、枕谷に入る。おぉ、ますますいい感じの森。
上下左右とぐるぐる見回しながら明るい谷を進んでいく。誰が掃除したのかなと
いうほどきれいに落ち葉が敷き詰められている。いいわいいわぁ、この雰囲気。
    枕谷
 やがて道は斜面を巻く様に上っていく。上から見下ろす谷もまたいい。
大きなブナが間近に聳える。結構傾斜はきつい。数人のパーティが三国峠から
下りて来た。源頭部を巻いて尾根をひと登りで山頂着。誰も居ない。
  枕谷源頭
 北東に百里ヶ岳、手前の尾根を縫う林道が痛々しい。南東方面は蛇谷ヶ峰や
武奈ヶ岳。北から西は立木が繁ってよく見えない。昼食。汗も引いて心地よい。
さてこれからどこへ下りようか。山頂からの道は3本ある。登ってきた西の枕谷
ルートと北のルート、そして生杉ブナ林 駐車場方面への東。北から野田畑峠へ
尾根伝いに行きたいのだが、初めての芦生でしかも時間は遅くなっている。
ここは自重して北東のクチクボ峠にしときましょう。それはそうと山頂北直下に
広がる落ち葉の林は雰囲気良さげ。ちょっと下りて見てみるか。と、何とここに
クチクボ峠の道標がありました。左(西)の野田畑峠方面は踏み跡のみ。
若狭側が鍋窪谷だからか地図には「ナベクボ峠」と記しているものもありますが、
現地道標には「クチクボ峠」となっているので気をつけましょう。
山頂から地蔵谷峰
 この落ち葉の林を右(北東)へゆらりと歩いてだんだん尾根を下りていきます。
北から風と雲が出てきた。ザワザワと葉が騒ぐ。右手は暗い植林の脇、今日は
人が歩いた様子もない寂しげな踏み跡をたどります。前方斜面を鹿が一頭、
カサカサと音を立てて下りていく。気持ちがそのまま景色に現れているような
感じがしました。最前までとは一変して逃げるように下っていきます。
 やがて鞍部に石碑と道標が見えクチクボ峠着。若狭方面は明るい広葉樹の中に
道が下りています。しかし帰路は南の暗い植林の中。枕谷とは正反対の面白みの
ない谷です。それでも傾斜が緩やかになった所で谷も広くなり、広葉樹が少し
残っていました。そうかぁ、この谷も植林される前は枕谷のような雰囲気だった
んだろうなと哀れに思いました。
若走路谷
 植林から出た林道は明るい舗装路です。三国峠登山口を示す木柱があります。
暗い谷から出た安堵はありますが、30分の舗装道は結構長く感じられました。
まぁ、無事だったので良しとしましょう。次はこのエリアをさらに広く歩いて
みたいなと思いつつ、かすかな黄葉を愛でながら帰路に就いたのでした。


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2004.10.30. BY M.KANE